二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.137 )
- 日時: 2014/04/11 15:13
- 名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)
ハーマイオニーは、どこをどう走ったかも分からないが、ホグワーツ城の裏にある飛行訓練場に来ていた。アルバスによると、ここは、何かに取り憑かれたような行動をローズが初めてとった場所だ。ヌンドゥがローズに取り憑いたのは、ここである可能性が高い。ローズに取り憑いた時と同様、ヌンドゥは透明になってこの辺りにいるかもしれない。
ハーマイオニーはヌンドゥの透明術を破るため、杖を構え呪文を唱えた。
「スぺシアリス・レヴェリオ(化けの皮、剥がれよ)」
杖を構えたまま一回転しても、何も現れない。ヌンドゥの魔力が強すぎて自分の魔法がかからないか、ヌンドゥがこの場にいないかのどちらかだろう。
ハーマイオニーは次第に心が落ち着いてくるのを感じた。冷静になって考えてみると、1人でヌンドゥを見つけ出して殺すなど不可能だ。ヌンドゥを鎮めるのは、魔法使いが100人いても困難だと、『幻の動物とその生息地』に書いてある。まず自宅に帰り、それからフルーパウダーを使って魔法省に向かい、応援を頼もう。
それにしても、なぜ校門が開いたのだろうか。自宅に「姿現し」するため校門に向かって走りながら、ハーマイオニーは思った。開いた時はまったく気にならなかったが、自分の呪文のためではないだろう。あの時は、ローズを救うため早くヌンドゥを見つけて殺そうと非常に焦っていたから、他に方法が思い浮かばず、アロホモーラ呪文を無言で繰り返すばかりだった。「透明な怪物」ことヌンドゥが校外に出るのを防ぐため、校門には強力な防護呪文がかけられている。アロホモーラ呪文ごときで開くはずがない。
そういえば、自分が校門を開けようとしていた時、スコープも門を開けようと努めていた。彼は、自分同様、ヌンドゥを殺してローズを救うため、祖父に「付き添い姿現し」してもらって来たのだろう。校内に入ることは、祖父に止められて出来なかっただろうが、本当に友達思いな子だと、ハーマイオニーは思った。
校門の前には、ルシウス・マルフォイが倒れていた。なぜルシウスが倒れている? スコープと共に来たのだろうが、彼はどこだろう? ルシウスを振り切って校内に入ったとしか思えない。
12歳の少年が独力でヌンドゥに立ち向かうなど・・・。スコープから、イグノタス・ペベレルが書いた『旅行記』から発見したことを聞かされた時、冷静に反応して彼を制止していれば、こんなことにはならなかったはず・・・。