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　スコープは右腕を掲げ、ヌンドゥの右前足を受け止めた。ヌンドゥが右前足を引っ込めると同時にスコープは杖を拾って立ち上がり、ヌンドゥの側面に移動した。そして、杖をヌンドゥに向けた。
　唱えようと思ったわけではないのに、スコープの脳裏に自然と ある呪文が浮かんだ。「聖杯の戦士」ギャラハッドが、史上最強の闇の魔女、モルガン・ル・フェイを倒すのに使った呪文だ。
　この呪文は、ギャラハッドがモルガンに対して使ったきりで、どんな効果があるのかは分からないはずだった。「死の呪文（アヴァダ・ケダヴラ）」と同じように、ただ単に対象を殺すための呪文かもしれなかった。だがスコープには、誰に教わったわけでもないのに、不思議と呪文の効果が分かった。この呪文には、邪悪なものを滅ぼす効果がある。