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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.143 )
- 日時: 2015/06/22 15:36
- 名前: ウルワルス (ID: 4CQlOYn7)
「ホリビリス・イヴァネスカ・トタラム(魔性よ、滅びよ)!」
スク(「スコーピウス」の短縮形)が呪文を唱えると、杖先から金色の閃光が放たれた。しかし、閃光はヌンドゥに命中したが、何も起こらない。このヌンドゥは、邪悪なものではないということだ。では、なぜヌンドゥはハロルド・アンダーソンを殺したり、ローズに取り憑いて殺そうとしたりしたのだろう?
スクはヌンドゥの赤い目を見つめた。その目には、悲しみの色があるようにスクには思えた。やりたくないことをやらされている。ヌンドゥの目は、そう語っているかのようだ。
このヌンドゥは、何者かに魔法で操られているのだろう。スクはそう思った。
相変わらず悲しそうな目をしながら、ヌンドゥが跳びかかってきた。スクはさっと横に飛びのき、杖をヌンドゥに向けた。ヌンドゥが魔法で何者かに操られているのなら、その魔法を破ればいい。呪縛を破りさえすれば、ローズを解放してくれるだろう。
「フィニート・インカンターテム(呪文よ、終われ)!」
スクは呪文を唱え、杖先から放たれた閃光がヌンドゥに命中した。
それから十数秒間、ヌンドゥはスクに顔を向けたまま静止していた。その目には もはや悲しみの色はない。
これで、ヌンドゥはローズを解放してくれるだろう。そう思いながら、スクはどっと疲労感が押し寄せてくるのを感じた。これ以上立っていられず、スクは倒れ伏した。
「スク!」
祖父が自分の名を呼ぶのを聞いたのを最後に、スクは意識を失った。
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