二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.152 )
- 日時: 2019/01/20 16:25
- 名前: ウルワルス (ID: gf8XCp7W)
Intermezzo
Side:リリー・ポッター
「これ、読んでみて。」
ロンドン市内の とある初等学校の校庭の片隅に、リリーは、黒髪の少年と向き合って座り込んでいる。昼休みだった。リリーは、近くに誰もいないことを確かめてから、日刊予言者新聞を少年、アレクサンダー・スネイプ(短縮形レクス)に渡した。
「うわっ! 写真が動いた!」
レクスは驚いた。
「魔法界の新聞なの。」 リリーは言った。
「この新聞、もらってもいいかな!?」 新聞に掲載されている写真をしげしげと見つめてから、レクスが言った。
「どういう原理で写真が動くのか、研究してみたいんだ。」
「それは困るわ。こうして見せるだけでも、本当はいけないことなの。家族に内緒で、こっそり持ってきたんだから…」
リリーは、一目見た時からレクスのことが好きだった。レクスはマグルだそうだが、リリーは彼と仲良くなってから、誰にも口外しないよう頼み、家族にも黙って魔女だということを明かしていた。彼にだけは隠し事をしたくなかったからだ。
「そうか。無理は言わないよ…
『史上最年少 12歳の少年が勲一等マーリン勲章受章』か…。」
レクスが、記事を読み始めた。
「このスコーピウス・マルフォイって子、アル兄さんの友達なの。すごいでしょ!」
兄のアルも、ホグワーツに入学するまでこの初等学校に通っており、レクスとも面識があった。
スクは、何者かに操られていたヌンドゥを独力で鎮め、ホグワーツから駆逐した功績により、ホグワーツ特別功労賞ばかりか勲一等マーリン勲章を受章することになったのだ。
「僕も負けてられないな!」
読み終わると、レクスは言った。
「中等学校在学中にノーベル賞を取れるよう、頑張らないと!
リリーは魔法学校に行くんだよな。寂しくなるな…」
それを聞いて、リリーは嬉しくなった。
「レクスと一緒にホグワーツに行けたらいいのに…」
頭の良いレクスは最難関校への進学が決定していた。
リリーは受験勉強する気にならなかったし、ホグワーツで魔法を勉強する方が、このまま続けて英語や数学を学ぶより楽しそうだった。
「手紙はどうやって魔法学校に送ればいいかな?」 レクスが言った。
「フクロウで送るわけにはいかないだろう? 僕が魔法界のフクロウを使えば、君にとって困ったことになる。君が僕に、魔法界の存在をばらしたことが明るみに出てしまうから。」
「確かにそうね…
それに、レクスが私の家に手紙を送り、それを私の家族がホグワーツに送ることもできないわ。私の家は魔法でマグルの目から隠されているから、郵便屋さんに配達してもらえないし。」 リリーが言った。
「僕が君の家に直接 手紙を持っていくこともできない。魔法で隠されている家に僕が手紙を持っていけば、君が僕に魔法の存在を明かしたことを君の家族が突き止めるだろうね。」
レクスからの手紙を受け取る方法は無さそうだった。
「私がレクスに手紙を出すことはできるわ。」 リリーが言った。
「まず私の家に貴方あての手紙を送り、それを郵便で貴方の家に送ってもらうから。
それにしても不便ね。文通も満足にできないなんて。」
「国際機密保持法はもう撤廃されてもいいと思うんだけどね。」 レクスが言った。
「魔法の実在が明かされても、昔みたいに非魔法族が魔法族を迫害することはないんじゃないかな。僕みたいに、魔法を研究してみたいと思う人は出てくるだろうけど。」
「魔法界とマグル界が1つになればいいのに…」 リリーは言った。