二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.159 )
日時: 2017/11/04 11:32
名前: ウルワルス (ID: h9rhVioE)

 スクは9と4分の3番線に入ろうと、足を踏み出した。
 
ガタン!
 カートが柱にぶつかった。
「あれっ?」
 スクは首をかしげた。柱を通り抜けることができないのだ。
「どうしたの?」 スクの後ろでローズが言った。
「困ったな。柱を通り抜けることができないんだ。」
「そんな! あと少ししか時間が無いのに!」 ローズが言った。
「どうすればいいだろう?」 スクは言った。せっぱ詰(つま)って、何も考えることができなかった。
 ローズはしばらく考え込んだ。そうするうちにも、時計の針はホグワーツ特急発車時刻である11時を過ぎた。
「箒(ほうき)でホグワーツまで飛べばいいんじゃない?」 ローズが言った。「目くらまし術をかければ、誰にも見られずにすむわ。」
「荷物はどうするの?」 スクは尋ねた。
「縮小呪文をかければ何とかなると思うわ。」
 ローズは辺りを見回した。
「ここで魔法を使うわけにはいかないわね。通行人に見られるから。」
「トイレに行こう!」 スクは言った。

 スクとローズは誰にも見られずに魔法を使うため、プラットフォームから出て、駅の中にある公衆トイレに入った。スクはクィディッチ用飛行箒であるミラージュスウィフトを荷物から取り出し、自分の荷物に縮小呪文をかけ、ポケットに入れた。
 スクは個室から出て、ローズが入っている個室のドアをノックした。ローズはスクが中に入ると、自分とスク、それにミラージュスウィフトに目くらまし術をかけた。
「早く駅から出て飛び立たないと。さあ、行きましょう!」
 ローズが個室の鍵を開(あ)け、走り出そうとした。
「待って!」
 スクはローズの腕をとり、引き止めた。
「目くらまし術がかかっているから、このままだと互いを識別できなくなり、離ればなれになるかもしれない。手をつなごう。」
 スクとローズは手をつないでキングズ・クロス駅から出た。2人はスクの箒(ほうき)・ミラージュスウィフトに乗り、ローズはスクの胴に腕を回(まわ)した。
「さあ、行くよ。」 スクはローズに合図し、地面を蹴って飛び立った。
 ホグワーツは北にある。スクは太陽の位置を手がかりに方角を見つけ出すと、一気に加速した。
 ホグワーツ特急にはじきに追いつくことができた。ミラージュスウィフトは、8秒間で240キロまで加速できるのだ。