二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.161 )
日時: 2018/08/08 16:38
名前: ウルワルス (ID: DqYpyOBj)

 ローズは、幸せな記憶を思い出した。
 先学期ローズは、ヌンドゥという怪物に取り憑(つ)かれ、生死の境をさまよっていた。そのヌンドゥと闘い、ヌンドゥを操(あやつ)っていた魔法を打ち破って 憑(つ)きを解除し、ローズを救ってくれたのがスクだった。その事実を家族から教えられた時の喜びを思い出したのだ。
「エクスペクト・パトローナム(守護霊よ、来たれ)!」
 ローズは呪文を唱えた。杖先から銀色の闘蛇(とうだ)が飛び出し、前方から迫るディメンターへと突進した。闘蛇とは、トカゲを大きくしたような姿をした、日本に生息する魔法生物だ。スクがペットにしている。
 ディメンターは背を向けてローズから離れようとした。両側面から迫っていた2体のディメンターも、逃げ出そうとした。その時だった。

「「「キルブラディクト・パトローナム!」」」

 聞き覚えのある、3種類の声が聞こえた。そして銀色の牡鹿・テリア・狼が姿を現し、逃げようとするディメンター達に襲いかかった。
 ローズの目の前で、牡鹿が角でディメンターを串刺しにした。串刺しにされたディメンターは3秒ほど全身を痙攣(けいれん)させた後、黒い破片となって消滅した。牡鹿が脇によけると、箒に乗ったローズの叔父・ハリー・ポッターの姿が現れた。
 
 ハリーが辺りを見回した。ローズもつられて見回すと、左方(さほう)ではローズの父・ロナルドがテリアでディメンターを攻撃しており、右方ではテディ・ルーピンが狼にディメンターを襲わせていた。
 そういえば、ローズとスクには目くらまし術がかかっていたのだった。ローズは急いで目くらまし術を解いた。
「ローズとスクじゃないか!」 ハリーが仰天した。
「一体どうしたんだ!? なんでこんな所にいるんだい?」
「それは、パパとテディの仕事がすんでから話すわ。」
「分かった。それじゃあ地面に降りよう。スクの手当てもしないと。」
 ローズとハリーは箒を下降させた。ハリーがスクを地面に横たえ、ディメンターを退治した父とテディが降りてくると、ローズは質問に答えた。