二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.166 )
日時: 2024/09/29 22:34
名前: ウルワルス (ID: sqo3oGwV)

 ところで、スコープについてですが。スコープは気を失う直前に、自分の記憶にはない映像が脳裏に浮かんだそうです。それは、戦争の情景だったようです。ディメンターが悲惨な思いをしたことがある人に近付くと、その人はそれを思い出し、気絶することもある。私もそうでした。しかし、スコープが思い浮かべたのは自分の記憶ではない。これには何か裏があります。
 また、スコープが9と4分の3番線に入ろうとしたら出入り口が閉じられていた。先学期には、1人でヌンドゥと闘い、これを鎮めるという大業を成し遂げた。」
 魔法生物学者によれば、ヌンドゥを倒すには大人の魔法使い100人が必要だとされる。
 ハリーは続けた。
「明らかに、スコープの経歴は尋常ではありません。これからも、スコープは事件と無縁ではいられないかもしれません。事件が起きないように、気を付けていただけますか。
 スコープが原因で事件が起きれば、ローズのような周囲の友人も被害をうける。先学期ローズはヌンドゥに取り憑かれましたが、あれだってスコープが原因だったのかもしれない。ローズがスコープと仲がいいから、ヌンドゥを操っていた魔法使いに目をつけられたのかもしれません。
 ところで、スコープは9と4分の3番線の出入り口を封じたのは、サウロス・マルフォイ君あたりだと思っているようです。サウロス君が自分の家に仕える屋敷僕妖精に命令したのかもしれません。」
「サウロスが、スコープにホグワーツに来てほしくないと思っているということかね?」
「スコープはそう思っています。」
「確かに、スコープとサウロスは仲が悪いようだね。サウロスがこれ以上スコープに危害を加えないように注意しておくよ。他の先生方にも通達しよう。」
 独力でヌンドゥに立ち向かえるだけの能力があるなら、先生方の助けなど無くてもいいのかもしれない。しかしスコープの能力は、スコープ自身の分析によると一時的に覚醒しただけのようだ。普段は一般人と同程度の才能しか示せない。スコープは、日刊予言者新聞のインタヴューでそう言っていた。
「ところで、大広間にマクゴナガル先生がいらっしゃいましたが、なぜなんでしょうか。」
「ああ、それはだね・・・」



Side:スコーピウス・マルフォイ



 スコープとローズは制服に着替えると、新入生の組分けと歓迎パーティーに出席するため大広間に向かった。
「ナターシャとヒューゴは、どの寮に配属されるんだろう。楽しみだな。」 スコープは言った。
「そうね。スリザリンには入ってほしくないわ。」 ローズが答えた。スコープの妹ナターシャ(本名はアナスタシア)と、ローズの弟ヒューゴは今年度からホグワーツに入学する。
 スリザリンとは、ホグワーツの4つの寮の1つで、代々 闇の魔法使いを輩出してきた。前世紀にブリテン魔法界を恐怖でたした「例のあの人」ことヴォルデモート卿もスリザリンの出身であり、純血主義者でスコープやローズを敵視するサウロス・マルフォイやマヌイル・ノット達もスリザリン生であるため、スコープもスリザリンには良い感情を抱いていなかった。

 スコープはローズと共に大広間に入っていった。スリザリン生が着席しているテーブルを見やると、サウロスが不快そうな顔でスコープをにらみつけていた。やっぱり、スコープをホグワーツ特急に乗せまいとしたのは、サウロスだったのだろうか。
 サウロスの隣には、ヴァレンティン・レストレンジが座っている。ヴァレンティンは、連れだって歩くスコープとローズの方を、辛そうに見ていた。
「空いてる席があるわ。」 ローズが言った。
「隣同士だね。よかった。」 スコープは答えた。
 ヴァレンティンは、1年生の時ローズに言い寄ったことがあるそうだ。ヴァレンティンは、ローズのことが好きなんだろうか。着席しながら、スコープは思った。
 ローズは、ヴァレンティンのことをどう思っているのだろうか。ヴァレンティンの方がスコープよりハンサムだ。ローズはスコープを苦しめないように腹芸を使っているだけで、本当はヴァレンティンの方が好きなんじゃないのか?

 スコープとローズが着席するとすぐに、新入生の組分けが始まった。アナスタシアはレイブンクローに、ヒューゴはグリフィンドールに配属された。

 組分けが終わると、ハリー・ポッター氏との会談を終えて大広間に戻ってきていたフリットウィック校長が立ち上がり、話を始めた。