二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.30 )
日時: 2013/03/24 13:33
名前: ウルワルス (ID: MDrIaVE2)

「うわああぁぁぁ!」
 クリスマスの朝、プレゼントを開けていたスコープは、思わず悲鳴を上げた。
 その原因は、父からのプレゼントにあった。包みの中から現れたのは、しなびた人間の手だったのだ。

 スコープは、「手」を持って父のもとに向かった。
「父上! これは一体・・」
「それは、『輝きの手』だ。蝋燭を差し込むと、『手』を持っている者にしか見ることの出来ない灯りが点る。WWWの『インスタント煙幕』でさえ、その灯りを打ち消すことはできない。
 私が12の時、お前のおじいさんに買ってもらった物だ。何かの時に役に立つかもしれないから、是非学校に持って行くといい。
 それから、できればこの休暇中にお前に伝授しておきたい呪文がある。」
 
 朝食後、スコープは父と共に庭に出た。庭にある池では、縮小呪文を解かれて本来の大きさに戻ったジェレイントが気持ちよさそうに泳いでいた。ちなみに、家の周りに他に住居はなく、しかも家全体に強力なマグル除け呪文がかけてあるため、マグルに見られる恐れはなかった。
「サーペンソーティア」
 父が呪文を唱えると、杖先が炸裂し、驚いたことに大きな錦蛇が出現した。
「ヴィペラ・イヴァネスカ」 
 今度は、錦蛇が跡形もなく消え失せた。
「これが、マルフォイ家に伝わる秘術だ。変身術で何かを変身させるのならともかく、何もない空間から生き物を発生させ、消滅させるのはとても難しい。普通の魔法使いであれば、小鳥を発生させるのがやっとだ。
 だが、マルフォイ家の者には、蛇を発生・消滅させる能力が代々備わっていた。私も1年次のクリスマス休暇に、父からこの呪文を習った。」
「サウロスも、父親から教わるのかな?」
「父は、弟のティベリウス−−つまり、サウロスの祖父だな−−は習得に失敗したと言っていた。」
「つまり、その息子のトードも、孫のサウロスも使えないということですね。」
 スコープは、俄然やる気になった。
「そう言えば、アーサー王の息子モルドレッドも、自在に大蛇を出したり消したりできたそうですね* 。」
「そうなのか?」
「歴史の本に書いてありました。」
「魔法史では、学年トップを取れそうかな? 友人のミス・ローズ・ウィーズリーにも勝てそうか?
 学生時代、彼女の母上には試験では全教科で1度も勝てなくてね。お前には、その娘に一教科ぐらいは勝って欲しいものだ。」
「大丈夫。魔法史では誰にも負けませんよ。例えローズにでも。」




* 独自設定です。