二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.37 )
日時: 2012/11/18 16:31
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

「アンタレスという名は、『火星に対抗するもの』を意味します。」
 フィレンツェが言った。
「火星は戦争を表しますから、火星に続いてアンタレスが明るく輝き始めるということは、大きな戦いの後で長い平和が続くことを示しているのかもしれません。」
 フィレンツェが話すのを聞きながら、スコープは考えていた。自分が生まれた夜は、アンタレスがそれまでよりも一際明るく輝いていたらしい。もし、アンタレスが明るく輝き始めたのが自分が生まれた夜からだったとすれば、大戦の後に続く平和をもたらすのは、自分だということになるのだろうか。いや、そんなはずはない。自分は、歴史と飛行が得意なだけの、平凡な人間じゃないか・・

「長く話しすぎてしまいましたね。」
 フィレンツェがそう言い、スコープは我に帰った。
「罰則としてであっても、今の時期にヒトの『子馬』がこの森に入るべきではありません。ただでさえこの森はヒトにとって危険ですが、今年になってから一層危険さを増したように思えます。ユニコーンが殺されただけではありません。森全体の雰囲気がおかしい。それに、ずたずたに引き裂かれたアクロマンチュラの死体が森の奥で発見されたり、我々の『子馬』達の半数近くが原因不明の病に苦しんだりしているのです。
 さあ、早くハグリッドをお呼びなさい。そして、急いで森から出ることです・・」
 そう言うと、フィレンツェは仲間達と共に去っていった。










補足 

・モルガン・ル・フェイ
 アーサー・ペンドラゴンの異父姉。史上最強の闇の魔女。
 純血主義者であり、アーサー王と対立した。アイルランドや北欧から支持者を集め、一時はアーサーを打倒寸前にまで追い詰めるが、アーサーの臣下である「聖杯の戦士」ギャラハッドによって討たれる。以後ブリテンには、「カムランの戦い」が勃発するまでの間、しばしの平和がもたらされた。

・カムランの戦い >>10