二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 第一部 ( No.38 )
- 日時: 2012/11/18 18:48
- 名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)
翌日は金曜日で、午後は授業がなかった。スコープとローズは、禁じられた森での出来事を、談話室でアルバスに話した。
「どうしてケンタウルスは、火星が戦いに関係があるという話を君達に聞かせたんだろう? ユニコーンが殺されたことと関係があるのかな?」
アルバスが言った。
「前回ユニコーンを殺していたのが『例のあの人』で、その数年後に『あの人』が魔法戦争を引き起こしたからじゃない?」
ローズが言った。
「当時も、火星が明るく輝いていたんだと思うわ。だから、今回ユニコーンを殺した何者かが、これから起こるであろう大きな戦いと関係があるんじゃないかと思ったんでしょうね。」
「だけど、ヴォルデモートは父さんが倒した。デスイーターの残党が残っているかもしれないけど、やつらだけでは何もできないだろう。今の平和を破る大戦を引き起こせる程の闇の魔法使いが、魔法界にいるのかな?」
アルバスが言った。
「そもそも、私はケンタウルスの言葉を信じてはいないわ。」
ローズが言った。
「あのケンタウルスは、『火星が明るく輝くのは大きな戦いの前触れ』だと言ってたけど、私には占いみたいなものに思えるわ。ママが言ってたけど、占いは魔法の中でも最も不正確な分野だそうよ。」
「だけど、『カムランの戦い』の直前の時期に火星が明るく輝いていたのは、事実だよ。」
スコープは反論した。
「現に、森では色々と異変が生じているそうじゃないか。ケンタウルスの言葉を全否定するのは、性急ではないかな。」
*
それからしばらくの間、3人はこれらのことだけを考えているわけにはいかなくなった。立て続けに学年末の行事が行われたからだ。
学年末試験は、変身術の実技試験で鼠を かぎ煙草入れに変える際、ひげを何本か消し損ねたことを除けば概ね上手くいった。ローズは、魔法史の第一問が分からなかったと言って、残念がっていた。
試験が終わると、寮対抗クィディッチ杯の最終戦・グリフィンドールvsレイブンクロー戦が行われた。スコープとローズが2人で200点減点されていたので、グリフィンドールはレイブンクローに首位を奪われていたが、この試合でグリフィンドールは圧勝し、首位に返り咲いた。
学年末パーティーでは、グリフィンドールに寮杯が授与された。サウロス、ヴァレンティン、マヌイルの3人が真夜中に出歩いていたことについて、ロングボトム先生とハグリッドの働きかけによりスリザリンは150点減点されていたので、もちろんダントツの最下位だった。
1年次をホグワーツで過ごす最後の日、試験の結果が発表された。スコープもアルバスも良い成績だったし、ローズは総合成績で学年トップだった。個々の科目で見ると、スコープは魔法史で学年トップを取った。
「魔法史の第一問は、あんまりだと思うわ。」
ローズはそう言った。
「『何のために歴史を学ぶのか』なんて、教わってないのに・・」
翌日、生徒達はホグワーツ特急に乗り込んだ。スコープ、アルバス、ローズは、3人で1つのコンパートメントを独占した。そして、ケンタウルスの言葉について、久々に話し合った。
「結局、ユニコーンを殺した犯人は捕まらなかったね。」
アルバスが言った。
「ケンタウルスの子供達の病気も、まだ治っていないそうね。」
ローズが言った。カムランの戦いの直前に火星が明るく輝いていたということを本で確認してからは、ローズもケンタウルスの言葉を気にするようになっていた。
「ホグワーツは、これからどうなるのかしら。2年次からも、平和な毎日が続けばいいけど・・」
「それを今から心配したって仕方がないだろう?」
スコープは言った。
「来るものは来る。その時に受けて立てばいいんだ。
ところで君達、夏休みに僕の家に遊びに来ないかい? 家族に君達を紹介したいんだ。」
「喜んで伺わせてもらうわ。」
ローズは言った。
「あなたのお家って、きっと大きくて綺麗なんでしょうね・・」
「僕も、必ず行くよ。君の妹さんにもお会いしたいしね。」
アルバスも言った。
「君達が来てくれたら、妹はきっと喜ぶよ・・」
そう言いながら、スコープは思った。
ホグワーツでの生活はまだ始まったばかりだ。将来起こるかもしれない大戦争についてあれこれ心配するよりも、「今」という時を大切にして、生きていこう・・・