二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.43 )
日時: 2012/12/21 15:24
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

「そのクジャクの羽根は、一体どうしたんだ?」
 夕食の席で、スコープはアルバスに尋ねた。
「ナターシャは素敵なファッションだと褒めていたけど、僕にはかなり奇抜に見えるね。」
「ジェームズに悪戯されたの?」 ローズが尋ねた。
「うん。『ピーコックリーム』とかいう悪戯グッズを、気付かずに試食させられちゃって。」
 アルバスは答えた。
「あの人ってば、ろくでもないことばかりしでかすんだから・・」
 ローズは、少し忌々しげに言った。
 どうやらローズは、ジェームズに対してあまり良い感情を抱いていないようだ。スコープとしては、昨年の「組分け」の際に、グリフィンドールに選ばれた自分を真っ先に歓迎してくれたのがジェームズだったこともあり、彼のことは結構好きだった。とはいえ、ローズのような真面目な優等生タイプの人物が、ジェームズのようなお調子者タイプの人物にあまり好感を抱けないことは、分かるような気がした。おそらくは、その逆もまた然りなのだろうが。
「そのジェームズという人は、どなたですか?」
 ナターシャが尋ねた。
「僕の兄だよ。」
 アルバスが答えた。スコープには、彼の顔がいつもより上気しているように見えた。
「アルバスさんには、他にきょうだいはいるんですか?」
 ナターシャは、続けて尋ねた。
「妹もいるよ。リリーという名前で、来年ホグワーツに入学することになってる。」
「ローズさんはどうですか?」
 ナターシャは、今度はローズに質問した。ナターシャは人見知りするほうだったが、友人達と自然に会話できている彼女を見て、スコープは安心した。
「私には弟がいるの。名前はヒューゴで、リリーと同じく来年ホグワーツに入学する予定よ。スコープから聞いたけど、あなたもそうなのよね? ヒューゴもリリーも、きっとあなたと友達になれると思うわ。」
「お二人には、私と同い年のきょうだいがおありなんですね。会ってみたいな・・。」
「あなた達御一家は、来週の土曜日にダイアゴン横丁で買い物をするんでしょう? 私とアルの家族も同じ日にダイアゴンに行くことになってて、そこで落ち合う予定だから、その時に会えるはずよ。」
 昨年のクリスマス休暇に話した時* とは違って、ナターシャはホグワーツに行きたいと思い始めているはずだと、ローズとナターシャの会話を聞きながらスコープは思った。兄として喜ばしいことだった。




            *



「息子から聞いたんだが、近頃ホグワーツは少し物騒らしいね。」
 ドラコは、トスカナ産高級ワインの威力もあって、すっかりくつろいだ気分になっているハリーとロンに言った。
「私も娘から聞いたよ。」 ロンが答えた。
「禁じられた森で、ユニコーンやアクロマンチュラが殺されたり、ケンタウルスの子供達の半数が原因不明の病に苦しんでいるそうだね。
 しかし、学生時代に様々な危難に直面してきた私としては、それほど大したこととは思えないな。アクロマンチュラが殺されるのはむしろ大歓迎だし−−私見では、巨人のグロウプが軽い運動のつもりで殺したんだと思うね−−、ケンタウルスの病にしても、彼らは医学にも通じているから、じきに治療法を見つけるんじゃないかな?」
「ユニコーンが殺されたというのは由々しき事態だと、私は思う。」
 ハリーが言った。
「アクロマンチュラが殺されたことにしても、私はグロウプが犯人だとは思わないな。彼は、我々が学生だった時に比べて随分と進歩しているよ。一昨年ハグリッドに引き合わせてもらった時には、ヒトと普通に会話するのが可能なくらいだった。軽い運動のつもりで生き物を殺すほど粗暴だとは、思えない。」
「では、誰が、或いは何が、元凶だと思う? まさか、『例のあの人』が生き返ったとは言わないよな?」
 ロンは、ドラコの方にちらりと目をやりながら言った。一瞬、ドラコの顔には隠しようもない恐怖の表情が浮かんでいた。子供達も、今や話すのも食べるのも休止して、親達の会話に耳を傾けていた。
「そう言えば、明日はアルバスとローズも一緒に、カムランの古戦場にピクニックに行く予定ですの。」
 話題を変えるように、アステリアがハリーとロンに言った。
「スコープが提案したんだ。」 ドラコが言った。
「息子は、歴史が好きでね。」
「すまないね。」 ハリーは言った。
「アル、ご迷惑をおかけしないようにするんだよ。」
「分かってるよ。」
「ローズ、お前もだぞ。」
 ロンが言った。
「パパに言われたくないわ。」
 ローズはそう切り返し、他の7人は、ロンも含めて皆笑った。





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