二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.52 )
日時: 2012/12/21 19:03
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

「自分の時代錯誤振りを誇示して、何が楽しいの?」
 ローズが痛烈に言った。
「TVなどのマグルの利器を『穢れた血』の玩具だとか言って馬鹿にするのは、あんたのような旧時代の遺物だけよ。それに、『例のあの人』が復活するなんて、ほんとに信じてるの? だとすれば、あんたの頭は私が思っていた以上に腐ってるわね。」
「身の程をわきまえるんだな、ウィーズリー。」
 サウロスの青白い顔は怒りでピンク色に変わっていた。
 グリフィンドール生とスリザリン生は基本的に仲が良くないが、ローズとサウロスの相互嫌悪は格別だった。入学当日から決闘になりかけた程だから、それも当然と言えるが。
「ホグワーツの『禁じられた森』で起こっていることを、僕が知らないとでも思うのか? 学校側は公表していないが、ホグワーツの理事を務めている父上を通じて、僕はすべて知っている。諸々の事件は闇の帝王がお戻りになる前兆だと、父上はお考えだ。
 帝王がお戻りになった暁には、お前達『血を裏切る者』は・・」
「或いは、君が第二の闇の帝王になった暁には、だな。サウロス・マルフォイ君。」
 妙に明るい声が、サウロスの背後から話しかけた。黒髪に茶色の目をした少年が、彼の背後に立っていた。アルバスの兄、ジェームズ・ポッターだ。そういえば、そろそろ待ち合わせの時間だった。
「ジェームズ・ポッター・・」
 スコープ達4人とジェームズに挟まれる格好になり、サウロスはたじろいだ。
「もっとも、君が数十年後にヴォルデモートに匹敵する強大な魔法使いになれるなら、僕は今すぐマクラーゲン* に代わる魔法大臣になれるだろうけどね。」
 ジェームズの言葉にスコープ達は笑い、サウロスの顔色はピンクから朱色に変わった。
 その時、暖炉に再び人の姿が現れた。スコープはその姿に見覚えがあった。サウロスの父親のトード・マルフォイだ。
「みんな、サウロスから離れて!」
 スコープは小声で警告し、5人は急いで暖炉の傍を離れ他の客達の中に紛れた。ちなみに、TVの音や客の話し声などで店内はかなりさわがしかったので、サウロスとの会話を他の客が聞いたとは考えられなかった。
「サウロス、まだここにいたのか。とっくにダイアゴンに入ってヴァリー達と落ち合ったものと思っていたが。」
「ここのボーイに、『場が穢れるから』店内には粗大ゴミを入れないよう注意してたんですよ・・」
 トード・マルフォイとサウロスは、ダイアゴン横丁への入り口がある「漏れ鍋」の裏庭へと向かっていった。






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