二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.53 )
- 日時: 2012/12/23 14:33
- 名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)
「ポッター先輩、さっきの皮肉は素晴らしかったですよ。」
トードとサウロスが行ってしまうと、スコープはジェームズに言った。
「先輩に侮辱された時のサウロスの顔を見ましたか?」
「普段は半病人のような顔が、あの時ばかりは人参みたいになってたな。」
ジェームズも愉快そうに言った。
「父さんから聞いたんだけど、ホグワーツの禁じられた森では、ユニコーンが殺されたりケンタウルスが原因不明の病気に罹ったりしてるんだって。マルフォイが言ってたのはそのことだと思うけど。」
フランクが言った。彼の父親は、ホグワーツで薬草学教授兼グリフィンドール寮監を務めている。
「僕達もそのことは知っているよ。」 スコープは言った。
スコープとローズは、先学期に罰則として森に入った際ケンタウルスから直接それらのことを聞いていたし、ユニコーンが殺される現場を目撃してもいた。アルバスも2人から聞いて知っており、彼はそれを家族に話したため、ジェームズも知っていた。
「そうか。スコープとローズは先学期、ノットによって『禁じられた森』に行かされたんだったね。今から思うと、2人とも無事で本当に良かったよ。」
フランクが言った。
セオドール・ノットは、ホグワーツの魔法薬学教授兼スリザリン寮監で、自寮を露骨にひいきする傾向があった。その妻ダフネ(旧姓グリーングラス)はスコープの母の姉で、つまりノットはスコープにとって伯父でもある。息子のマヌイルはスコープ達と同学年のスリザリン生で、サウロス・マルフォイの親友だった。
「糞マルフォイの糞親父が考えているように、諸々の事件は『あの人』が復活する前兆なのかな? 君達はどう思う?」
フランクがそう尋ねた時、カウンターから彼の母親マダム・ロングボトムの声が聞こえた。
「フランク、新しくお客様が御到着したわ! お出迎えしてくれる!?」
「分かった、今行くよ!」
「ようやく御到着か。」 ジェームズが呟いた。
「漏れ鍋」に入ってきたのは、3人の親子だった。黒髪に緑色の目を持ち、眼鏡をかけた父親は、スコープも面識があったし、それでなくとも知っていた。なにしろ、あの有名なハリー・ポッターだったからだ。先客達は、ちらちらと彼に視線を向けた。
やや太めの母親と、10歳くらいの娘はどちらも赤毛だった。ただ娘のほうは、父・次兄と同じ緑色の目をしていた*1 。
「やあ、ハンナ*2 。」
ポッター氏が、女将のマダム・ロングボトムに挨拶した。
「すまないけど、テーブルを4つ程つなげてくれるかい? かなりの人数になるんでね。」
マダム・ロングボトムが魔法を使ってテーブルを移動させ、ポッター家の5人とスコープ、ローズは着席した。
「君達の家族はまだみたいだね。」
ポッター氏が、スコープとローズに言った。
「彼らが来るまでに、スコープ、君に妻と娘を紹介しようと思うが・・」
その時、暖炉から立て続けに3人が姿を現した。スコープの家族だった。
「遅くなってすまない。」
父が言った。
「よくぞうちの愚弟を一週間も預かってくださいました。」
両親とナターシャが席に着くと、ジェームズが立ち上がり、大袈裟な程に深々とお辞儀した。
「ジェームズ・ポッターです。お見知り置きを。」
「こうして対面するのは、私がホグワーツの6年生だった時−−『あの人』が滅びた年に−−、お互いキャプテン兼シーカーとしてクィディッチの試合でまみえて以来ね。」
ポッター夫人が父に言った。
「子供同士が友達になったのだから、私達も仲良くしなくちゃね。」
それからポッター夫人は、スコープとナターシャに向かって言った。
「アルバスの母のジネブラです。
こっちは娘のリリー。仲良くしてやってね。」
「よろしくね!」
リリーが元気よく言った。
「こちらこそよろしく。」
スコープは応えた。
「こっちは妹のアナスタシアだ。ナターシャと呼んでやってくれ。
なにぶん人見知りなもので今はもじもじしているが、これでも君に会うのを楽しみにしていたんだ。君と同じく、来年からホグワーツに入学することになってる。体が弱いため不安があるようだから、是非仲良くしてやってほしい。」
「よろしく! ナターシャ。」
リリーに屈託のない笑顔を向けられ、ナターシャも微笑んだ。
「こちらこそ、よろしくね。リリー・・」
その時、また新しく客が到着したらしく、パブの入り口でベルが鳴った。フランクがとんでいった。
入ってきたのは、これまた3人の親子だった。赤毛の父親に、ローズによく似たキャリアウーマン風の母親、栗色の髪をした10歳くらいの息子だった。ローズの家族だということは、スコープにもすぐに分かった。
*1 原作の設定とは異なります。
*2 >>24