二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.55 )
- 日時: 2012/12/28 16:22
- 名前: ウルワルス (ID: fS.QmYjo)
昼食がすむと、みんなはダイアゴン横丁に入った。母親達とローズは、学用品を買いに行った。ウィーズリー氏は、ヒューゴ、リリー、ナターシャのウインドウ・ショッピングに付き添うことになった。スコープとポッター兄弟は、それぞれの父親と共に高級箒用具店に向かった。
「何と言っても、一番の目玉はこの夏出たばかりの『ソニックファルコン(SF)Ⅱ』だな。」
道中でジェームズが言った。
「何しろ、5秒間で時速240キロまで加速可能なんだから・・」
スコープも、当初はSFⅡを購入するつもりだった。
箒用具店に入ってみると、SFⅡは真新しい陳列台に飾られていた。だがスコープはむしろ、その横に飾られた別の箒に目を奪われた。スコープは箒の脇にある説明書きに目をやった。
「ミラージュスウィフト(Mirage-Swift、蜃楼の雨燕)
この箒には、ほぼ同時期に発売が開始された『ソニックファルコンⅡ』ほどの加速力はありません。240キロまで加速するのに、約8秒を要します。
しかしこの箒には、SFⅡを上回る、現行のどの箒も遠く及ばない機動性が備わっています。乗り手次第では、1人のチェイサーに対し10人のチェイサー、10人のビーター及び同数のブラッジャーという状況であっても、2時間近くクアッフルを保持し続けることが可能であると、テスト飛行により検証されました。
スピードよりもターンやフェイントを得意とする選手に、お勧めします。」
「スコープ、君はこの箒を買うべきだと思うな。」
ジェームズが言った。
「これまでの練習で見てきた限り、君はスピードでは僕やアルに劣るけど、ターンやフェイントの技術はグリフィンドール・クィディッチチーム内でもピカ一だ。」
スコープも説明書きを読んで、ミラージュスウィフトを買うべきだと思った。
「父上、この箒にします。」
一方ポッター兄弟は、最初の予定通りSFⅡを購入した。
「やあ、ジェームズ。それに、アル、スコープも。」
店から出たところで、ポッター兄弟の従兄弟ルイス・ウィーズリーに出会った。
「さっき叔母さん達に会って、君達がここにいると聞いたもんでね。」
「やあ、ルイス。兄さんが監督生に選ばれたそうじゃないか。」
ポッター氏がルイスに声をかけた。彼の兄で、クィディッチチームに所属してもいるドミニクは、ハンサムな優等生だった。
「先学期卒業した姉も監督生でしたからね。2年後、僕が選ばれなかったら、両親はがっかりするかな?」
シルバーブロンドの髪をしたルイスは、姉・兄同様美形で成績も優秀だったが、ジェームズとつるんでしょっちゅう悪戯をしていたため、監督生になれるかは覚束無かった。ちなみに、ジェームズも成績は非常に優秀だった。
「僕が、君を監督生なんかにならせると思うかい?」
ジェームズが笑って言った。
「さて。ではノクターン横丁に行って、新しい悪戯グッズのアイディアを仕入れてこようじゃないか。いいよね? 父さん。」
「母さんに見つからないようにするんだぞ。」
ポッター氏が言った。
「言われるまでもないさ。
マルフォイさんも、どうか内密にお願いします。」
「ああ、そうしよう。」
父は、苦笑いして答えた。
「スコープ、君も来るかい?」
「駄目よ!」
いつの間にか、ローズがご到着していた。
「あなた達のことだから、危険な場所に行こうとするっていうのは分かってたわ。スコープまで巻き込むんじゃないかと思って、ママ達と別れてルイスの後をつけてきたけど、思った通りね。
スコープ、こんな人達の言うことを聞いては駄目よ。私達と一緒に行きましょう!」
ローズは、どっちつかずのスコープの袖を引っ張って、自分と、一連のやりとりを面白そうに見ていたアルバスの方に引き寄せた。
「まったく、救いようのない朴念仁だな。」
ジェームズがローズに言った。
「スコープ。間違っても、そういう女を嫁にもらうんじゃないぞ!
アル、これを持っててくれ。絶対に落とすなよ!」
ジェームズは捨て台詞を残し、アルバスに買ったばかりの箒を押しつけると、ルイスと共に去っていった。