二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.58 )
- 日時: 2014/05/18 14:52
- 名前: ウルワルス (ID: O0NjrVt8)
翌日、放課後になると、スコープは縮小呪文をかけられた闘蛇(とうだ)のジェレイントが入ったケースを持ち、アルバス、ローズと共にハグリッドの小屋に向かった。
「おお。3人とも、よく来てくれた。今からお茶を入れるから、待っててくれ・・」
明るい口調でそう言いながらも、ハグリッドは相変わらず具合が悪そうだったし、マスクも着けたままだった。
「ハグリッド。上の方に溜まってる紫色の気体は何なの?」
ローズの言葉に、スコープとアルバスが天井を見上げると、毒々しい紫色の気体が上方に充満していた。
「ああ、換気するのを忘れとった・・」
ハグリッドはローズの質問に直接答えず、ただ窓を開けた。
「あの気体がなんなのか、知りたいんだけど・・」
ローズが重ねて尋ねると、ハグリッドは諦めたように答えた。
「俺の呼気だ・・」
「何ですって!?」
「8月になってから、吐く息がだんだん紫色になってきた。最初は薄かったんだが、今じゃ見ての通り、毒々しいまでの紫色だ・・・息が紫色になっていくにつれて、体調の方もだんだんと優れなくなってきちょる・・
実はバックビークも、死ぬまでの1ヵ月間、紫色の息を吐いとった。フィレンツェによると、原因不明の病に苦しんどるケンタウルス達もそうらしい・・」
「ハグリッド、それってやばいんじゃ・・」
アルバスが言った。
「すぐに聖マンゴ病院で診てもらうべきだよ。」
「やっぱり、昨日私が思った通りだわ。」
ローズが言った。
「禁じられた森に住むケンタウルスと同じ症状が出ていることからも、バックビークの死とハグリッドの病気の元凶が森にあることは明らかよ。
ハグリッド、今後は一切森の中に入らないで。それから、アルの言う通り、明日にでもお休みをとって聖マンゴで診てもらうべきよ。」
「あの、ハグリッド先生。」
スコープは言った。
「確かにアルとローズの言う通り、病院で診てもらうことも大切だと思います。だけど、精神面でのケアも大切ですよね?
ジェレイントを連れてきたのですが、久しぶりに一緒に遊んでみませんか? 暗くなるまでには少し時間がありますから。」
「おお、ジェレイントを連れてきてくれたのか!」
途端にハグリッドは嬉しそうになった。
それから1時間程、4人は湖とその畔で、縮小呪文を解かれたジェレイントの背に乗って夕暮れ時の湖上遊覧を楽しんだり(ハグリッドは大きすぎて1人でも乗ることができなかった。他の3人は同時に乗ることができたのだが、アルバスは妙に にやにやしながら辞退した)、ジェレイントが捕まえてきたグリンデローの指を折ったり、同じくジェレイントが捕まえてきた小型のケルピーが、その口から逃れようとして様々な姿に変身する様子(最終的に、そのケルピーはどろりとした見苦しい物質に姿を変えて逃げ出した。アルバスによると、どう見てもあれは反吐だったとのこと)を観察したりした。