二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.59 )
日時: 2012/12/29 21:24
名前: ウルワルス (ID: fS.QmYjo)

 翌朝、寮の寝室でジェレイントに餌(「防腐呪文」をかけた生の小魚)をやろうとしたスコープは愕然とした。ジェレイントの口と鼻孔から、微かに紫色の気体が漏れ出ていたからだ。

 スコープは朝食の席で、アルバスとローズにこのことを報告した。
「ジェレイントは禁じられた森に入ってないのに、どうしてだろう? 病気の原因は、森とは別にあるのかな?」
 アルバスが言った。
「私は、やはり森が原因だと思うわ。森の中にある病原が、風に吹かれるかしてハグリッドの家まで漏れ出てきたのよ。」
 ローズが言った。
「今後は森に入るだけでなく、森に近づくことさえもしない方がいいでしょうね。ハグリッドには、今の小屋を離れてホグワーツ城内に住居を与えてもらうよう、梟便で知らせるべきだと思うわ。」



            *



 新学期が始まって2週目に、クィディッチ・チーム編成のための選抜があった。その日の朝、2羽のミミズクが細長い包みをスリザリン・テーブルに運んできた。受取人はサウロス・マルフォイだった。
「見ろよ。『メテオライト』だ。」
 サウロスは、包みの中身である新品の箒を見せびらかしていた。
「まだ試作段階で発売すらされていないんだけど、父上が箒会社と話をつけて特別に手に入れてくださったんだ。父上は会社の大株主で、オーナーとも親しいからね。
 3秒間で時速280キロまで加速できる。ポッター兄弟のSFⅡも、これと比べたらポンコツ同然だと思うよ。」
 先程まで自分の箒を3年生の友人達に自慢していたジェームズが、忌々しげにサウロスを睨んで言った。
「せっかくいい箒があっても、乗り手が駄目ではね・・」

「君の兄上の言う通りだよ、アル。」
 すっかり度肝を抜かれた顔つきをしているアルバスに、スコープは言った。
「そもそも、あいつが選ばれるか怪しいもんだ・・」



 グリフィンドール・チームの選抜は、スリザリン・チームの直後だった。スコープとアルバスが選抜を受けるためクィディッチ競技場に到着した時には、まだスリザリンの選抜は終わっておらず、これからサウロスがテスト飛行を行うところだった。
 スコープの目には、サウロスの技能が取り立てて優れているようには見えなかったが、彼の箒「メテオライト」のスピードは驚異的だった。キーパーは、そのスピードについていけず次々とゴールを奪われていた。サウロスがどのゴール(3つある)を狙っているのかが読めたとしても、箒が間に合わないのだった。
「あんなのからクアッフルを奪えるのかな・・」
 アルバスが不安そうに言った。

 その後に行われたグリフィンドールの選抜において、グリフィンドール・チームのキーパーで6年生のヘンリー・ウッドから、与えられた5回のチャンス中アルバスは4回、スコープは5回のゴールを奪い、並み居る上級生達を尻目に抜群の成績で選手に選ばれた。





補足 〜グリフィンドール・クィディッチチーム 2018〜
 ()内は学年

チェイサー
 ドミニク・ウィーズリー(5)
 スコーピウス・マルフォイ(2)
 アルバス・ポッター(2)

ビーター
 ハロルド・アンダーソン(7)
 フレッド・ウィーズリー(4)

キーパー
 ヘンリー・ウッド(6)

シーカー
 ジェームズ・ポッター(3)