二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.62 )
- 日時: 2013/01/02 08:13
- 名前: ウルワルス (ID: fS.QmYjo)
ノットが呪文を唱えるやいなや、透明マントが剥がれ落ちてケースの蓋が開き、ジェレイントがノットの方に飛んでいった。ノットはジェレイントの角を掴んで受け止めた。教室の皆がスコープの方を見、それからノットに角を掴まれて宙吊りになっているジェレイントを見た。
「なんと、我が甥が! 実に嘆かわしいことだ・・」
ジェレイントの紫色の呼気が自分にかからないよう杖から微風を出しながら、ノットがわざとらしく言った。
「スコーピウス・マルフォイの愚行により、グリフィンドールから100点減点する。
それから、ポッター、ウィーズリー。」
ノットは、愕然としていたアルバスとローズに言った。
「君達は、スコーピウスが闘蛇を持ち込んでいることを知りながら報告を怠った。君達の親御は魔法省の魔法法執行部にお勤めなのだろう? どうして規則の大切さが分からんのかね? グリフィンドールから1人につき50点減点する。」
「だけど、魔法生物飼育学のハグリッド先生は、スコープが闘蛇を持ち込んでいることを認めていらっしゃいました。魔法生物の専門家が認めていたのですから・・」
アルバスが言った。ローズが目で合図して黙らせようとしたが、手遅れだった。
「ほう。あの木偶の坊めがこのような不正を認めていたと、そう言うのかね? やつには魔法使いによる秩序を嫌う巨人の血が流れているゆえ、仕方のないことではあるが。とはいえ、このことは校長に申し上げておこう。
では、この闘蛇の始末をつけるとしようか・・」
「やめろ!」
スコープは杖を抜いて立ち上がったが、同時にノットも杖先をジェレイントからスコープに移した。
*
「次の授業は魔法史だぞ。僕の言ってる意味が分かるかい? ルイス。」
変身術の授業が終わり、教室から出ながら、ジェームズ・ポッターは従兄弟にして親友のルイス・ウィーズリーに語りかけた。
「つまり、次の1時間は自由時間ってことだな?」
打てば響くようにルイスが答えた。
「アル達が、ノットの授業で透明マントを使って何かやらかすつもりらしいから、様子を見に行こうと思うんだけど。」
ジェームズは言った。
「いいね。もしあいつらがしくじりそうだったら、陰から手伝ってやれるしね。」
ジェームズとルイスは、魔法史の教室に向かうクラスメイト達から離れていった。
「あなた達、一体どこに行くつもり!?」
2人が振り返ると、クラスメイトの1人である、茶色い髪をした怜悧な顔立ちの美少女が歩み寄ってくるのが見えた。彼女の名はシルヴィア・マルティネス。両親ともマグルだが成績優秀・品行方正な模範生で、ついでにいうとジェームズの想い人でもある。
「シルヴィア。君も一緒に来るかい?」
ジェームズが、DQNっぷりを丸出しにして言った。
「ふざけないで、ポッター。」
シルヴィアは冷たい口調で言った。
「あなた達が授業中に教室外でぶらぶらしているところを先生か管理人が見つければ、グリフィンドールは大減点されるわ。私はそれが嫌で、あなた達を止めようとしてるだけよ。」
「シルヴィア。今現在、君には知るべきことが2つある。」
ジェームズはもったいぶった口調で言った。
「まず1つ目は、たとえ愛しのシルヴィア姫の仰せとあっても、僕を止めることはできないということ。
2つ目は、あまりお高くとまるべきではないということ。つんつんしてると、せっかくの綺麗なお顔が台無しだよ?」
シルヴィアは、嫌悪感を顕わにした表情を浮かべて立ち去った。
「今ので、シルヴィアの中での君の好感度は一段と下がったと断言できるな。」
再び歩き始めながら、ルイスが言った。
「まあ彼女もいずれ、僕の魅力に気づくことになるだろう。」
ジェームズは大して気にする風もなく言った。
「でも不思議だな。君は、ローズのことは好きじゃないんだろう?」
ルイスが言った。
「あんな石頭のガリ勉を、僕が好きになると思うかい? 仮に従兄妹の関係じゃなかったとしても、あいつのことは女として見れなかっただろうな。」
「ローズとシルヴィアは結構似ていると思うけど。どちらも勉強熱心で成績優秀だし、規則を重視する傾向があるし−−というより、規則を重視する点ではシルヴィアの方が上だろ−−、あと御節介だし・・」
「シルヴィアのことを御節介だなんて言うなよ。彼女は、誰に対しても面倒見がいいだけなんだ。それに、シルヴィアはローズと違って美人だ。」
「僕としては、ローズはまあまあの顔だと思うよ。確かに、女らしさに欠けるところはあるけど・・」
2人は「忍びの地図」を活用して、2年生と鉢合わせにならないように大分遠回りをした。薬学教室の近くまでやって来ると、セオドール・ノットが呪文を唱える声が聞こえた。
「アクシオ・バトルサーペント!」
「『闘蛇よ、来い!』だって?」
「何かやばそうな雰囲気だな。」