二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.71 )
- 日時: 2016/03/18 22:56
- 名前: ウルワルス (ID: nLJuTUWz)
第12章
スコープがホグワーツで最後に過ごす土曜日には、寮対抗クィディッチ杯の第一戦、グリフィンドール対スリザリン戦が行われる。
「頑張って、スコープ・・」
試合前、城の大広間の出入り口で、アルバスと共に競技場に向かおうとしていたスコープに、ローズが声をかけた。それからローズは、スコープの頬にそっとキスした。スコープはどう反応すべきなのか分からなかったが、彼女の栗色の髪を優しく撫でておいた。
アルバスは青い顔をして、ガチガチに緊張しており、2人のやり取りに気付いた様子はなかった。
*
「今年度も始まりました! 寮対抗クィディッチ杯!」
待機中、今年度から実況を担当することになったルイス・ウィーズリーの、魔法のマイクで拡大された声が聞こえてきた。
「自信を持つんだ、アル。」
同じチェイサーで、5年生のドミニク・ウィーズリーが、先程にも増して青い顔をしているアルバスを激励していた。
「君にもスコープにも才能があるし、その上ずっと練習を重ねてきたんだ。あとは気持ちの持ち様だよ・・」
アルバスと違って、スコープはまったく緊張していなかった。ただ、これが最初で最後のホグワーツでのクィディッチ試合だと思うと、寂寥感が高じてきた。
スコープは、先程のローズのキスを思い出した。不思議と心が温かくなり、寂寥感に代わって闘志が高まってくるような気がした。
「選手の入場です!」
ルイスの声に合わせ、スコープはミラージュスウィフトに跨り、他の選手達と共に、フィールド上空へと飛翔した。反対側からは、スリザリン・チームが入場してきた。
「まずはグリフィンドール・チームの紹介から!
アンダーソン、ウッド、ドミニク・ウィーズリー、フレッド・ウィーズリー、ジェームズ・ポッター、」
観客席のグリフィンドール側から、大きな歓声が巻き起こった。
「そして、今年度選抜された2人の、ひっじょーに優秀な新人チェイサーをご紹介しましょう!
アルバス・ポッター! スコーピウス・マルフォイ!」
スコープの名前が呼ばれた途端、スリザリン席からグリフィンドールの歓声をかき消すほどの大ブーイングが巻き起こり、スコープに向かってクソ爆弾やら臭い玉やらが飛んできた。スコープがローズをマクラーゲンから救い出すのを見て、グリフィンドール生の多くは「やはりスコーピウスはいいやつだ」との結論に達していたようだが、寮監を攻撃されたスリザリン生はそういうわけにはいかなかった。セオドール・ノットは、自寮の生徒には絶大な人気があったのだ。
しかし、ミラージュスウィフトの機動性は抜群だった。大量の投擲物にも関わらず、スコープはクソ爆弾の爆発に巻き込まれることも、臭いがつくことも免れた。
審判のウッド先生の指示に従い、両チームの選手達は、フィールド中央の真上で向かい合って整列し、静止した。敵チェイサーのサウロス・マルフォイは、激しい復讐心を剥き出しにした表情をスコープに向けてきた。グリフィンドールのキャプテン、ハロルド・アンダーソンと、スリザリンのキャプテン、ガイアス・フリントが握手した(というよりは、互いの手を握りつぶそうとした)。
スニッチ、ブラッジャー、クアッフルが空に放たれ、試合が開始された。
ドミニクとフリントが同時にクアッフルに飛びつき、クアッフルが2人の手の間からこぼれ落ちた。すかさずスコープはクアッフルをキャッチし、一気にゴールに向かった。アルバスが、いつでもパスを受けられるよう側面を飛んでいた。ゴール前で、スコープはいかにも今からアルバスにパスするかのような動きをした。敵キーパーはまんまと引っかかり、重心をアルバスの側に移した。その隙を衝いてスコープはキーパーの脇をすり抜け、クアッフルをゴール内に投げ入れた。
「グリフィンドール、先制点です! スコーピウスが早速素晴らしい技能を披露してくれました! 10対0!」
スリザリンのブーイングは、グリフィンドールの歓声にかき消された。スコープはアルバスとハイタッチした。実際に飛んでみることで、アルバスの緊張も解きほぐれたようだった。
「待って! 今のは・・?」
試合が進む中、突然ルイスの狼狽したような声が聞こえた。
今しがた、フリントがサウロスにパスを出したばかりだった。しかし、その瞬間サウロスの姿が消えたかと思うと、次の瞬間にはクアッフルがグリフィンドールのゴールポストの裏側から落下していき、サウロスが自陣に戻っていくのが見えた。
「・・どうもサウロス・マルフォイが得点したようです。10対10・・」
