二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.75 )
日時: 2016/03/18 23:13
名前: ウルワルス (ID: nLJuTUWz)

第13章  





 屋敷に戻ったスコープは、12月20日に行われるボーバトン魔法アカデミーの編入試験にそなえて、それまでの1ヶ月余りの間 これまでホグワーツで教わったことの総復習をした。また、魔法省国際魔法協力部に勤める父からフランス語を学んだ。スコープは幼少時に既に、ロシア語・ギリシア語と共にフランス語を父から ある程度学んでいたので*、習得するのはそれ程難しくなかった。
 ローズは毎日ホグワーツから手紙を書き送ってくれたし、アルバスも1週間に1度は手紙をくれた。友人達からの手紙は、大いに励みとなった。
 しかし、由々しき内容が書かれた手紙もあった。


「親愛なるスコープへ


 昨日の朝(今この手紙を書いている私からすれば今朝だけど)、あなたへの手紙を梟小屋に持って行った時、何気なく「禁じられた森」の方に目をやったんです。そうしたら、ケンタウルスが次々と森から出て来て、校門の方に走り去って行くのが見えました。大人に背負われた子供のケンタウルスもいたし、大人の中にも左右から別のケンタウルス達に抱えられている者がたくさんいました。
 多分彼らは、余りにも発病者が多くなったため森を離れることにしたのでしょう。ハグリッドの病気も良くなる気配がありません。
 あなたも、体には気をつけてね。それから、ジェレイントの病気が快方に向かうことを祈っています。

              
                  
                       ローズより、友情を込めて」



 試験の3日前にローズから届いた手紙は、このようなものだった。
 ちなみにスコープは、ホグワーツから戻った翌日にはジェレイントを聖マンゴ魔法疾患傷害病院に診せに行ったのだが、癒者達も匙を投げていた。





 試験当日、スコープは父に連れられて「ポートシステム*2 」を使ってフランスの首都パリに移動し、そこから「付き添い姿現し」によって会場であるボーバトン校に到着した。
 ちょうどクリスマス・シーズンに当たっていたためか、魔法で造られた溶けない氷の彫像によって校舎の周囲が飾られていた。校舎の外観は一言で言えば、17世紀のフランス・マグル界の王が建てたヴェルサイユ宮殿の大型版で、ホグワーツ城とは大きく異なっていた。
 ボーバトンではホグワーツよりも休暇が始まるのが早いらしく、生徒の姿はほとんど見かけなかった。試験会場の教室に向かう途中で何人かの女生徒とすれ違ったが、皆とてもかわいかった。
 きちんと勉強しておいたため、試験は上出来だった。試験の後でボーバトン校長マダム・オリンペ・マクシームとの面接があった。彼女はハグリッド並みに背が高かった。マダムは、スコープが完璧にフランス語を話せることに感心しているようだった。
 夕方には合格が告げられた。スコープは父と共にパリに戻り、魔法使いの横丁でボーバトンの制服を購入した。制服の色は青く、薄いシルク製だった。スコープには、ホグワーツの黒い制服の方が自分には似合っているように思えた。
 教科書については、英語の方が分かりやすいだろうからそのままでよいと言われていた。新しい杖は、ロンドン・ダイアゴン横丁のオリヴァンダー杖店で買うことにした(ボーバトンの実技試験では、父の杖を借りていた)。






* フランス語はボーバトンの公用語
 ロシア語はダームストラングの公用語
 ギリシア語はメガソフィア・プラエスティーギアエ・アカデメイアの公用語

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