二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.78 )
日時: 2013/01/27 16:27
名前: ウルワルス (ID: e22GBZXR)

「母親からの遺伝なの。」
 驚くマルフォイ兄妹に、マダム・トンクスが懐かしげな表情を浮かべて言った。
「やっぱり、髪の色は鳶色が一番よく似合ってると思うわ。」
 ローズが言った。
「そうかな。ビクトワールもそう言うんだけど・・」
 テディの髪が鳶色に変わり、鼻は元に戻った。確かにスコープから見ても、鳶色の髪が最もテディに合っているように思えた。
「僕としては、地味すぎると思うな・・」
 テディはそう言い、髪は再び青緑色に変わった。





            *





「ナルシッサは・・・おばあ様は、元気?」
 夕食の席で、マダム・トンクスがスコープに尋ねた。
「ええ。この夏に帰省した時は元気でしたよ。僕がホグワーツを退学になったと知った時は、祖父共々ショックを受けたみたいですけど・・
 そういえば祖父は、僕をボーバトンにではなくダームストラング専門学校に編入させるべきだと考えてたみたいです。」
「あの、大伯母様・・」
 ナターシャが、遠慮がちにマダム・トンクスに尋ねた。
「おばあ様は、自分の姉である大伯母様のことについて私達に何も話してくれなかったのですけど、どうしてでしょう?」
「・・・私達姉妹の実家であるブラック家の者は、大多数が純血主義者だったの。」
 マダム・トンクスが言った。
「子供の頃から、私は両親とも姉とも折り合いが悪かった。私がホグワーツに入学してハッフルパフに配属されてからは、対立は決定的になったわ。もちろん両親も姉も、翌年に入学した妹も、スリザリンだった。
 だけど、妹のナルシッサとは、あなた達のおばあ様とは、上手くやっていたわ。ナルシッサは、粗暴なところがある姉のベラトリックスよりも、私の方を慕っていた。私がホグワーツの6年生に、妹が5年生になるまでは・・
 その年、私はあなた達のおじい様、ルシウス・マルフォイから愛の告白を受けたの。優雅で貴族的な彼は、女生徒に人気があった。」
「ここまで来ると、容易に展開が想像できるよな。」
 ジェームズがテディに耳打ちした。今や、テーブルに着いている全員がマダムの話に耳を傾けていた。
「妹も、彼に想いを寄せる女生徒の1人だった。私はそのことを知っていたし、そもそも同寮に好きな人がいたから、ルシウスの告白を断ったの。
 私の想い人−−テディ、あなたのおじい様よ−−がマグル生まれだったせいか、生来おおらかだったルシウスはそれ以来純血主義に傾斜するようになった。
 妹は、私と口を利かなくなった。妹がルシウスと付き合い始めてからも、それは変わらなかった。
 そして私はホグワーツを卒業すると、テッド・トンクスと駆け落ちして家を出た。それっきり、妹には会っていないわ。
 妹があなた達に私のことを話そうとしなかったのも、当然と言えるかもしれないわね。スコープ、ナターシャ。」




 夕食が済むと、マダム・トンクスとテディは帰った。