二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.97 )
日時: 2013/04/14 14:39
名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)

 アルバス・ポッターは、飛行訓練場へと急いでいた。


 ボーバトン魔法アカデミーに在籍するようになったスコープは、1週間に1度、自分とローズ宛に手紙を書き送ってくれていたが、ローズは1度も返事を書いていなかった。彼女は、スコープがカトリーヌ・デラクールと友達になったことが気に入らないのだと、この手のことに敏感とはいえないアルバスにも予想できた。だがスコープには分からないらしく、彼からの手紙には毎回「何故ローズは返事を書いてくれないのか」という意味の問いが含まれていた。アルバスは最初のうち、「ローズは勉強で忙しい」「体調が優れないらしい」というように適当にお茶を濁していたが、スコープは納得していないようだったので、自分の予想を書いた手紙を昨日ヤドヴィガに託したばかりだった。もっとも、彼にローズの感情が理解できるとは思っていないが。
 ローズが朝食の途中で、スコープからの手紙を受け取ったジェームズの後を追ってから、アルバスは彼女の姿を見ていなかった。朝食後、談話室でジェームズから聞いたところ、ローズは手紙の一部にショックを受けた様子でどこかに行ってしまったとのことだった。アルバスがその手紙を読んだ限り、問題の箇所は確かにローズにとってきつい内容だと思えた。多分スコープは、ローズが返事を書いてくれないものだから、腹いせにあんなことを書いたのだろう。
 ローズがどこに行ったかについては、大体見当がついていた。スコープに関することが原因で傷心したのならば、彼との幸せな思い出が詰まった飛行訓練場に行くか、逆に、読書に集中して一時的に彼を忘れるため図書室にいくか、どちらかだろう(女子トイレに籠もって泣いている可能性もあるが、その場合はお手上げだ)。
 ローズが飛行訓練場にいる場合は、「透明な怪物」に襲われる危険性がより高いように思われるので、先にそちらに向かうことにした。
 早くローズを見つけて寮に連れ戻さないと・・・(寮内で誰かが襲われたことはない)



 飛行訓練場に着いたアルバスは、芝地の端で仰向けに倒れているローズを見つけた。既に襲われた後かと一瞬思ったが、彼女の体はどこも出血していなかった。近付くと、呼吸も正常であることが分かった。
 一応医務室に運んだ方がいいだろう。そう思い、杖を出して「モビリコーパス(体よ動け)」と唱えようとした時、ローズが目を開けた。
「アル・・?」