二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.98 )
日時: 2013/04/14 15:49
名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)

 彼女の目は少し赤かった。泣いていたせいで充血したのかもしれないが、それだけではなさそうだった。白目の部分が赤いだけでなく、瞳孔が微かに赤い光を放っているからだ。
「君が寮を出てどこかに行ってしまったと兄さんが言うから、ここにいるかもしれないと思って探しに来たんだ。起きていてもいつ襲われるか分からないのに、どうしてこんな所で寝てたんだい?」
 アルバスは言った。
「分からないわ。横になった覚えなんてない・・」
 ローズが、上半身を起こしながら言った。
「寮内でジェームズと・・その・・ちょっとした言い争いになって、それで、気分転換にここに来たの。それから、ヴァレンティン・レストレンジが来て・・彼とちょっとした口喧嘩をして・・。その後も少しの間ここにいたんだけど・・。分からないわ。なんで意識を失うことになったのかが・・」
「一応、医務室に行った方がいいんじゃない?」
「大丈夫よ。別に体調は悪くないから・・気分は最悪だけど・・」
「・・そうか。じゃあ、早く寮に戻ろう。ここは危険だ。」
 アルバスは歩き出そうとしたが、ぎょっとして足を止めた。ローズが掌と膝を地面につけ、獣のように四つんばいで進み始めたからだ。
「ローズ! 何やってるんだよ!?」
「え?・・・!」
 ローズは自分の行動に初めて気付いたらしく、顔を真っ赤にして立ち上がった。
「やっぱり医務室に行くべきだよ。それか、ルーデンベルク先生の所に行くかだ。レストレンジが呪いをかけたのかもしれない・・」
「大丈夫、もう何ともないから・・。それより、わざわざ迎えに来てくれてありがと。」
 ローズの瞳の赤い光は、いつのまにか消えていた。