二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その1) ( No.702 )
日時: 2013/08/29 19:19
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

やってみたかったダンガンロンパパロ。原作同様に鬱展開や死ネタが多く、ポップンの学生キャラ同士の殺し合いを見たくない人は回れ右!ポジションのためかMZDの性格が最悪です。あと、若干本作のネタばれっぽいのも含まれてるかな・・・?





「ダンガンロンパとは?」
あらゆる分野に優れた高校生には「超高校級」の称号が与えられ、その称号を持った高校生達は超高校級の称号が与えられた高校生が集う「希望ヶ峰学園」に入学が許される。しかし、そこで彼らは幽閉されてしまい、学園で暮らす事を強要される。
外に出るには「自分が誰かを殺して、自分がクロ(犯人)というのをばれない事」であり、殺人が起きると一定の捜査が発生してその直後に残った者達がクロを見つけるために「学級裁判」が行われる。学級裁判をやってクロを見つけた場合は「クロだけがおしおき」となり、逆にクロではない人がクロと選ばれた場合は「クロだけが卒業扱いとなって学園の外へ脱出する事が許可され、それ以外は全員おしおき」となる。学園生活の狭間に次々と起きる殺人を解決しつつ、希望ヶ峰学園から脱出する方法を探すのだ。ちなみに「おしおき」というのは学園の秩序を乱す行為(殺人)をしたクロ及びクロを見つけられなかった生徒達への残虐な公開処刑であり、対象の人物のイメージや趣味に合わせたものをモチーフにしている。
簡単に言うと推理アドベンチャーゲームにアクションゲームを加えたゲーム作品であると考えてもいい。しかも、この作品はあのドラえもんの声の人である大山のぶ代さんが声優業にリターンをしたのも特徴。





「メインの簡単な設定」


・超高校級のクラフター:サユリ(小川小百合)
物語の主人公である女の子。小さい時から物作りが好きなので、趣味の大半は手芸やクラフト工作を好む。手先が器用であり、何気に作った作品が入賞するほど。特に折り紙が大好きなので紙飛行機や鶴や実用が出来る物を作っている。
性格は思いやりがあって優しい女の子。面倒見がよく女子力が高いのが特徴。女子グループのまとめ役とも言える。周囲に流されそうに見えたり、天然に思われがちだが自分の意見をしっかり言えるのと芯が強いのが特徴。手芸やクラフト工作だけが取り柄かと思われるが、流行やおしゃれにも敏感であり学校の成績は上の下と割かしいい方。
ここまでのいい性格だともちろん誰とでも仲が良く、特にナカジとタローとは仲がいい。タローとは幼馴染。初対面であるナカジの事が気になっている模様だが・・・?
入学早々、MZDから急にコロシアイを突き付けられパニックになるが、希望ヶ峰学園からみんなが脱出が出来るように捜査や学級裁判には積極的に取り組む。学級裁判は苦手であるが、持ち前の根性とナカジ達が集めたデータや助言で事件を解決する。


・超高校級の退魔師:ナカジ(中島進)
幽霊退治のエキスパート。退魔の術やお祓いや霊の目視は出来る。浄化も可能なので怪奇現象の類は彼に任せるのが吉。首には常に青いマフラーを巻いている。
性格は無愛想で度がつくほど静かだが、沸点は物凄く低くすぐに切れる。誰もが近づきづらい雰囲気をしているが、根はいい人で困っている人には多少強引な方法で助ける一面がある。こんな彼でも人間関係はいい方。特にサユリとタローとは仲が良く、二人に対しては時々手を差し伸べる。運動はちょっと苦手だが、頭は難関大学を余裕で合格出来るほど頭がいい。サユリとタローに対しては特別な感情を抱いているらしいが・・・?
普段は一人で読書かサユリ達と一緒にいるのどっちかと基本的に行動が少ない。だが、捜査や学級裁判になると打って変わってサユリに助言をしたり、サポートをすると優秀な助手的な役割を持つ。MZDに激しく嫌悪感を持つ。


・超高校級のサーファー:タロー(連太郎)
帰国子女のプロのサーファー。運動が大好きであり、特にサーフィンや水泳などのウォータースポーツを好む。運動部でも引っ張りだこであり、水に関係するスポーツに彼が出た瞬間、相手は目玉が飛び出るほど驚くだろう。
性格は天真爛漫で底抜けの馬鹿で誰にでも懐く。天然で真っ直ぐな性格であるため、思った事をすぐに口に出したり余計な事を思い出したりするので、よくナカジを怒らせて酷い目に遭う。体を動かす事や楽しい事が好き。ムードメーカー要員の一人。サユリ同様に誰とでも仲がいいが、特にサユリとナカジとは大の仲良し。サユリとは幼馴染。しかし、どっかでナカジを見た事あるような・・・?
英語や運動や実技系の成績がいいが頭はよくない。タローは嘘をつかず、誰かと一緒にいる事が多いのがせめてもの救い。もちろん、捜査や裁判に協力をする子であるが、元からある頭の悪さと帰国子女故の弱点があるので学級裁判が悪化する時も・・・


この三人が一緒に行動をして事件を解決します。他には・・・


・超高校級の超能力者:硝子(蒼井硝子)
・超高校級のロッカー:D(伊達勇樹)
・超高校級のヒーロー:サイバー(才葉守)
・超高校級のバスケ選手:翔(平野翔)
・超高校級の天文学部:空(天野空)
・超高校級のブラスバンド部:まりん(佐野まりん)
・超高校級のラッパー:ニッキー(仁木田陽太)
・超高校級の留学生:リゼット(リゼット・アーネル)
・超高級級のリーダー:烈(焔烈)
・超高校級のスピナー(ヨーヨーをする人の事):風雅(三宅風雅)
・超高校級の生徒会長:氷海(清水氷海(苗字はきよみずと読みます)
・超高校級の園芸部:鈴花(菊池鈴花)
・超高校級の読書家:凛(霜月凛)


です。全部で16人。ゲストにはつぎドカとひなビタから5人。めうちゃんを出したかったけど、彼女は中学生だったので凛の方に変更しました。
そして・・・


・希望ヶ峰学園の学園長:MZD
事件の首謀者であり、サユリ達を学園に招いて彼女達を幽閉した本人。外見は帽子とサングラスが特徴の小さな子供。性格は子供らしく無邪気なものだが、中身は人の不幸や苦しみや絶望に喜ぶ残酷な性格。コロシアイ生活を強要し、生徒達の心に付け込んだり、学園のルールを無視した行為を平然とする。特にナカジ達が屈するのを楽しみにしている。多くの動機(生徒達がどうしても外に出たいと思わせる要素。生徒の大事な人や仲間の身に危害が加えられた映像や生徒の弱点などとあり、人によっては深刻な場合がある)を用意しているので、生徒達から嫌われている。
常に神出鬼没であり、彼の一言で人を殺す事も可能。また、MZDには不思議な力があるのでその気になれば国の一つさえも滅ぼす事も出来るという。全てが謎に包まれており、名前さえも嘘らしい。オシオキの執行人である。





次からは書きたいシーンなどを。オシオキもあるよ!SAN値がガリガリ減らされるから気をつけてね!

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その2) ( No.703 )
日時: 2013/08/29 19:21
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

『プロローグ』


サユリ「ここは・・・?」


サユリが目を覚ますと、教室らしい場所にいた。彼女は自分の趣味のおかげで希望ヶ峰学園に入学を許された。彼女は超高級のクラフターであり、物心がつく前に物作りが大好きだった。手身近に準備をし、学校へ行こうとしたのだが突然意識を失った。
自分の目に飛び込んだのは学校によくある机や椅子が多くあり、前方には教卓とテーブルがあった。それだけなら普通の教室と思えるが、教室の隅には監視カメラが二つ三つあり、外の景色を映す窓は全て鉄板で覆われている・・・。


サユリ「一体、これはどういう事なの・・・?「誰かいないのー!もしもーし!」今の声って・・・?」


廊下からの別の声に彼女は教室から出る。異様な教室の圧迫感に恐怖を覚えた少女は誰かに出会おうと動く。声の方へ辿って走って行くと大きな廊下に白いシャツに半ズボンにスニーカーと動きやすい服装をし、明るい茶髪の日焼けした少年がいた。彼を見た時、サユリは安堵の笑みを浮かべた。そう、相手は自分の知り合いだったからだ。


サユリ「タロー君!」
タロー「その声って・・・サユリちゃん!?サユリちゃんも希望ヶ峰学園に来てたの!?」
サユリ「タロー君もここに来てたのね・・・」


知り合いとの再会に大喜びになる両者は相手の近くに寄ろうと全力で走る。だが、二人との間にある別の通路から現れた第三者の存在に気づいておらず、勢いよく走ったため、サユリが相手にぶつかってしまう。


ドンッ


サユリ「きゃあ!」
タロー「サユリちゃん!?」
サユリ「いたた・・・ごめんなさい・・・」
???「大丈夫か?」
サユリ「ありがとう・・・」


しりもちをつく彼女に声をかけて心配そうに手を差し伸べたのはメガネと青いマフラーが特徴の学ランを着た少年だった。身長はタローよりも少し低いがこれでも長身の方。帽子とマフラーで顔は隠れているが、顔はかなりカッコいい。
彼のミステリアスな雰囲気にしばし見とれるが、初対面の相手と幼馴染の声にサユリは正気に戻る。





これが超高校級の退魔師であるナカジとの出会いだった・・・





サユリ(今の子、どこかで会った事があるような・・・?)





「説明」
プロローグではロンパ同様に目覚めたら教室と同じですが、物語の登場人物は全国から集められたため一部は完全に初対面です。記憶は失ってません。その他の子はサユリやタローみたいに幼馴染や同じ学校の出身、つぎドカみたいに他校のイベントで仲良くなったつぎドカルテットみたいにいます。
このプロローグで注目すべき点はサユリとタローはナカジとは完全に初対面であるが、どこかで見た事があるという点。





『最初の学級裁判』


「簡単な説明」
学園から脱出しようとみんなが調べている時、超高校級のバスケ選手である翔が厨房で何者かによって殺害される。死因は腹部に包丁が刺さって致命傷。


「備考」
・彼の近くにはおもちゃのカメラが置いてあった(撮影枚数は最大で5枚)。
・起動させると二枚の写真が残っていた。1枚目は翔の死体であり、2枚目は彼の腕が映っていた。
・2枚目には彼の右腕に付けている腕時計は壊れており5時50分でストップしている。
・上記の点を考えると死亡したのは午後5時50分頃と考えられるが、腕時計は事件時に無くなっていた。
・また、厨房で包丁を使用していた人物がおり、氷海と鈴花とサイバーの三人が犯人候補に浮かび上がっている。
・さらに厨房のロッカーに血があり、犯人はそこに死体を一時的にしまっていたと考えられる。





サユリ(裁判所とは思えない作りね・・・この学校って何でもありのようだね・・・)


学級裁判の舞台は希望ヶ峰学園の地下にある裁判所。そこまでエレベーターへ移動をしている間、残った生徒達は何も喋らない。それはまるで死刑を宣告された罪人達が最後を待つようだった・・・。


タロー(サユリちゃん、学級裁判ではクロと呼ばれる犯人を見つけるんだよね?俺、仲間を疑いたくない・・・)
サユリ(分かっているよ・・・。今、私がするのは翔君を殺した犯人を探す事・・・!証拠はある程度はあるし、みんなの証言を聞いて違う点を探せば、犯人はボロを出すはず・・・!ここで判断をミスしたら、私達は全員死んでしまう・・・!)


みんなの証言やアリバイ、見つけたものを提示しながら学級裁判を行う。疑われていた生徒のアリバイは本物であり、クロから外れる。だが、犯人はまだ見つかっていない。

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その3) ( No.704 )
日時: 2013/08/29 19:22
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

学級裁判はかなり進み、サユリが空が犯人であるのを突き止める。だが、いきなり犯人扱いされた彼は反論を唱える。その発言に対してサユリは彼の矛盾を見つけ出し、嘘を見破って行き最後に論破をする。


空「翔が殺された5時頃は俺にはアリバイがあった!サユリだって、俺と一緒にいたんだろ!?ナカジとタローも一緒にいたよな!?一緒にいたのにどうやったら翔を殺せるんだよ!」
タロー「確かに俺らは一緒にいた・・・!厨房へ移動するとなると俺らの目にも映るし・・・」
サユリ「いいえ。私達は騙されているのよ。確かに厨房で翔君は殺された・・・。いや、ずっと前から殺されてたのよ!」
D「どういう事だ・・・!?」


そう言うと、入学時に渡された電子生徒手帳を起動。そこにあったのはカメラの写真。彼女は写真をズームさせ、それをみんなに見せる。見せたのは二枚目の腕時計が映っている写真・・・


空「これは俺が翔の誕生日にプレゼントした時計・・・これがどうかしたのか・・・?」
サユリ「あなたのお友達が残してくれたプレゼントが決定的な証拠になってたのよね。みんな、何かおかしい事に気づかない?」
リゼット「普通だけど・・・?」
ナカジ「なるほど、そういう事か・・・」
烈「どういう事だ?」
凛「写真の右上に注目して。矛盾している点がそこにあるわ。」
硝子「見落としてたわ・・・」
サイバー「右上って・・・ああっ!!」
サユリ「みんな、気づいたようだね?右上にある缶が逆に映ってるわ。これは鏡で映し出したのを撮影した写真よ!」


そう、翔が残した写真は鏡で映し出されたのを撮影したものだった!写真に一緒に映っていた保存食の缶のプリントが逆になっていたのが証拠である。贋物の写真に騙された事に全員は驚きを上げるが、同時にある事が判明した・・・!


ニッキー「ちょっと待て!その写真が鏡と言う事は・・・!じゃあ・・・!!」
サユリ「壊れていた腕時計の時刻は5時50分ではないのよ!鏡で映ったこの5時50分を正しくすると・・・」



5時50分・・・05:50・・・02:20・・・!



まりん「本当の殺害時刻は2時20分・・・!?」


鏡に隠された真実。本当の事件が起きた時間は2時20分・・・!ずっと前に翔は空に殺されていた・・・!


サユリ「空君は2時20分頃に翔君を殺害すると、厨房のロッカーに死体を一時的に隠した。そして、人がいないのを見計らってロッカーから死体を出し、鏡とカメラを使って殺害時刻を偽装し、死体に細工をした。あたかも犯人に殺されたかのように包丁を刺し、最後の力を振り絞ってカメラで撮影したという感じで・・・その際に壊れた腕時計は回収して処分をしたと思う。準備を整えた後、あとは何食わぬ顔で私達に近づいてアリバイを作ったのよ!」
空「俺は犯人じゃねぇよ!!ざけんなよ!!そんな言いがかりは・・・!!」
風雅「空の奴、二時頃にはアリバイがなかったな・・・それを証明する人間はいるのか?」
空「!?」
凛「私は見てないわ。言っておくけど、あなたと翔以外は何人かと動いていたし、仮に単独の生徒がいてもちゃんとしたアリバイがあるわ。」
空「あ・・・あ・・・」
サユリ「みんなの証言が正しいとなると、犯行が可能だったのはあなたなのよ!空君、あなたが翔君を殺した犯人なのよ!」
空「!!!」



論破!



サユリの完璧な推理。犯人を何とか見つけるのに成功したが、どうも生きた心地がしない・・・。バクバクとなる心臓を押さえ、彼女はなんとかその場を保つ・・・。
一方の空は完全に言い逃れが出来ず、目を大きく見開いて過呼吸を起こす。尋常じゃない冷や汗、自分に集中する視線、自分に圧し掛かる重圧、それらのに耐えきれなくなり彼はその場に座り込む・・・。


サユリ(正直言うと生きた心地がしないよ・・・!空君がボロを出したのとカメラに映っていた缶詰のプリントがあったからよかったけど、もし見つけられなかったら・・・!ううっ、めまいがする・・・)
MZD「色々と疲れているところわるいが、どうやら犯人が出たようだな。俺、裁判が長すぎて待ちくたびれちゃったぞー。さーて、最後にお前達にクロが誰かと投票をしてもらうぜ。手元にあるボタンを押して投票をし、多数決で決まった人物がクロだったらクロのみおしおきだぞー?あ、そうそう。無投票をした場合は無投票をした生徒もおしおきだからな?あんたらだってこんなので命を失いたくないだろ?だったら、ちゃんと投票をしろよな?」


クロを決める投票タイムとなり、全員は震える手でボタンを押す。MZDの横にあったスロットが回転。スロットのドラムには生徒達の顔が描かれており、亡くなった生徒の顔はモノクロカラーになっている。
勢いよく回ったスロットは次第にゆっくりとなり、ある人物の顔が揃って止まる。その顔は空の顔であり、彼の絵柄になると明るいファンファーレと共に大量のコインが出る。


MZD「大正解!超高校級のバスケ選手である平野翔を殺したのは超高校級の天文学部の天野空だ!いやー、あんた達の推理力には参ったぜー。」
サイバー「どうしてそんな事をしたんだよ!お前、翔とは大親友じゃないのか!?」
リゼット「本当に空がやったの・・・?」
空「俺だって、殺す気はなかったんだよ!むしろ、殺そうとしてたのはあいつの方だよ!」
ニッキー「あいつってまさか、翔の方か・・・?」
空「・・・そうだ。翔が俺・・・いや、みんなを殺そうとしてたんだ・・・」

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その4) ( No.705 )
日時: 2013/08/29 19:23
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

事件時・・・


空「お腹空いたな・・・」


お腹を空かせた空は厨房に何かないかと思い、食べ物が多くある場所へ向かう。すると、厨房には先客がいた。


翔「誰を狙えばいいのか・・・男は力があるから無理だし・・・女子が狙い目だな・・・」
空「翔・・・?」
翔「空も狙えるかも・・・あいつ、俺を信用しているし・・・」
空「(まさか、あいつ・・・!)何してるんだよ翔・・・」
翔「あ、空。俺は今、用事があるから邪魔しないでくれ。」
空「そうじゃなくて、どうして包丁を丁寧に包んでるんだよ!?」


大親友の翔がキッチンで何かをしていた。近くには包丁があり、それを包んでいる様子だった。完全に包丁をこっそりと持ちだそうとしている様子にしか見えない・・・。一瞬だけ聞こえた言葉に嫌な予感がよぎった空はどういう事かと問い詰める。翔の返事は・・・


翔「ああ、殺す準備をしてたんだ。」
空「何で・・・?どうして・・・?」
翔「理由?理由は外に出たいからだ」


当たり前のように外に出たいと述べると、翔は何事も無かったかのように包丁を丁寧に包む作業に戻る。彼の眼には光がなく、淀んでおり生気がなかった・・・。


空「お前、あのガキの言葉を信じんのか!?翔、馬鹿な事はすんな!!」
翔「うるせぇ!!俺は何とかしてでも出たいんだよ!!空は知ってるだろ!!!俺は今年、有名なチームにスカウトされたんだよ!!?幼少からバスケ一筋の俺に、ずっと憧れだったチームに声をかけられたんだ・・・!今回の大会で優勝したら、俺はプロに求められて世界にも進出する・・・!力をつけたら、世界中のプロのバスケ選手が集う大会に出て、そこでも頂点を目指す・・・。世界一のバスケ選手と言う長年の夢がついに叶う・・・もし、世界一になったら俺はあの子に本当の気持ちを告白をするんだ・・・。だが、その矢先にこんな変な場所に監禁されるなんて、耐えられるわけがないだろ・・・!!」


翔の気持ちは空は十分に分かっていた。幼少期からバスケをやって来た彼は必死に努力をしてバスケの強豪校でスタメンを取るまで相当苦労をした。中学に上がってからはお互いの夢を叶えようと部活に専念していたため会う機会はなかったが、時折に伝えられる翔のインターハイの進出や全国大会優勝などの活躍などを聞いて、自分も翔の頑張りを喜んだ。また、彼が中学で全国初優勝をした時に事件の解決の決め手となった腕時計はスポーツが好きな翔に合わせて自分が用意した誕生日プレゼントだ・・・。
希望ヶ峰学園にスカウトされた時は自分みたいに彼は喜んだだろう。そして、この学園で再会した時はお互いに喜び抱き合ったのは今でも覚えている。この学園でもお互いに夢のために未来を歩く気だった。MZDのあの言葉を聞くまでは・・・


翔「だから、俺は何としてでも出たいんだ・・・!邪魔をするな!!」
空「人を殺して脱出なんてよくない!!あんたが脱出出来てもそのあとに来るのは後悔だけだ・・・!」
翔「俺は本気だ!たとえ、大親友でも殺す覚悟は出来ている!今すぐにでも殺す事も・・・!」
空「翔、少しは冷静になれ!!」


包丁を持って襲い掛かってくる相手を落ち着かせようと話し合いに持ち込むも、この学園に監禁されるのは誰だって嫌だ。先ほど見せられた動機のDVDの効果も合わさって、翔の精神状態は危険である・・・!
必死に抵抗をするも、相手が持つ包丁の先端はどんどん、空の心臓へと近くなる・・・!


空「やめろって言ってるだろが!!」


その一言と共に空は翔を押し返す。人が追いつめられた際に発揮する力は大きく、文科系の部活しかしていない自分が運動部の親友以上の力を出す。だが、これがきっかけで悲劇が起きた。


翔「ぐっ・・・!俺は絶対に外へ・・・「ザクッ」え・・・?」
空「翔・・・?」
翔「なあ、空・・・俺、お腹が痛いんだけど・・・何か斬りつけられたみたいに凄い痛みが・・・あと、腹から生暖かいものが・・・」
空「え・・・?」


翔の腹部を見ると、カットしたケーキを取り分けるケーキサーバーがグッサリと刺さっていたのだ。そこから生暖かい鮮血が溢れ出し、翔の体力をどんどん奪っていく・・・。さっき、抵抗した際に翔の腹部にケーキサーバーが事故で深く刺さってしまった・・・!





鈴花「翔が・・・そんな・・・!」
風雅「不慮の事故で殺してしまったのか・・・」
空「あの後、俺は急いで確認したんだけど、翔はもう死んでた・・・何でなんだよ・・・!あいつ、有名なチームにスカウトされて世界で羽ばたけるチャンスだったのに・・・!そう言えば、あいつは彼女が出来たんだよな・・・今度会う予定だったのに・・・あはは・・・」





被害者:超高校級のバスケ選手 平野翔
クロ:超高校級の天文学部 天野空
犯行:食糧庫に食べ物を取りに行ったら、厨房で包丁を持ち出して誰かを殺そうとした翔を目撃。人を殺そうとする彼を止めようとしたが、話し合いでは解決が出来ずに取っ組み合いになってしまう。だが、不慮の事故で翔を突き飛ばした際に近くにあったケーキサーバーが腹に刺さって死亡。正当防衛であるが・・・





次のレスから空のおしおき!要注意!

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その5) ( No.706 )
日時: 2013/08/29 19:24
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

『最初のおしおき』


空「MZD!これは正当防衛だろ!だから、お咎めなしでなしにして・・・!」
MZD「あんた、それで許されると思ってるのか?社会のルールでは殺人を起こしたら罪となって罰を受ける決まりになってんだよな。あと、あそこまで手の込んだ細工をしたのはどうしてなんだ?内心は早く外に出たかったんじゃないのか?」
空「ぐっ・・・!確かに外に出たいとは思ったけど、俺は人を殺してでも外になんか出たくない!!あのままで殺されていろとでも言うのか・・・!?それにあんたの言うおしおきが怖くて・・・!」
MZD「言い訳はあの世で言ってろ。超高校級の天文学部である空にはスペシャルなおしおきを用意したぜ!せーの!」
空「うわああああああああああー!!!!」


MZDがハンマーを持って手元にあるスイッチを叩く。スイッチの画面にはドットで書かれた空がおり、奥からドットで書かれたMZDがやって来た。そして、すれ違いざまに空を連行する場面になった。



GAMEOVER
アマノくんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。



空「嫌だ・・・!俺は死にたくない・・・!なぁ・・・誰か助けて・・・!」


絶望に染まった空は周囲に助けを求めるが、そんな彼に追い打ちをかけるかのように裁判所の扉の奥から長い鎖がついた首輪が出現し、それが彼の首に巻き付く。対象を捕えた首輪は引っ張られ、空を物凄い力で引きずって行く。今から処刑されようとする彼は裁判所に手を呼ばして助けを求めるが、裁判所の光とみんなの距離はどんどん遠くなっていく・・・。


空「嫌だ!俺はまだ死にたくない!俺、見たい星が多くあるのに!数年にしか見れない星や現象も十分に見てないのにこんな所で終わりたくない!!放してくれぇぇぇぇぇー!!!」


首を押さえて絶叫する彼が引きずられて連れて来られた場所はドーム状の室内だった。その部屋には席が無数にあり、中央にはプラネタリウム装置があった。おそらくここはプラネタリウムの映写室だろう。星好きの空にとっては嬉しいものであったが、こんな事態にプラネタリウムを楽しむ余裕はない。強制的に連れて来られた空は部屋の中央にある柱に縛られると自由に身動きが出来なくなる。
すると、白衣を着たMZDが現れ、持っていたマイクのテストをし、手元にある機材のスイッチを操作する。


MZD「これより、第1回トレミーの48星座を一望が楽しめるプラネタリウムの上映会を行うぜー!この希望ヶ峰学園のプラネタリウムは一味違っており、迫力はもちろん、学校の視聴覚室や映画館にある平面スクリーンに上映される映画では感じる事の出来ない臨場感をその身で体験出来るからな?」
空「ひっ・・・!」



「アストライアーの天体観測」
超高校級の天文学部 天野空の処刑執行



室内は真っ暗になり、プラネタリウム装置が起動して、全体に巨大なプラネタリウム映像が映し出された。内容はトレミーの48星座であり、48ある星座の形を空は全部知っている。最初に映し出されるのは牡羊座・牡牛座・双子座・蟹座などの黄道十二正座。この十二の星座は占星術、即(すなわ)ち星座占いにも使われており、人間が最も親しい星座だ。その中に空の星座である乙女座もあった。その次にアンドロメダ座やケフェウス座やカシオペア座や白鳥座や蛇使い座やオリオン座などの残りのトレミーの48星座が全部映し出される。
しかも、空がいる場所は特等席であり、偽物であると言えど、最新の設備とたった一人で広大な星座を一望出来る事は滅多にない。


空「綺麗・・・」


高度で最新の設備に空は目に映る星座に感動し、素直に思った感想を述べる。だが、この後に異変が起き始める。


空「俺、あの星座は全く見た事がないんだよな・・・日本から見れない星座や一部しか見えない星座もあるし・・・ん?何か、星座達がいがみ合ってないか・・・!!?」


プラネタリウムの映像で射手座と獅子座が戦っていたのだ。射手座のケンタウロスは鋭い目つきで目の前の獅子を睨んで弓を引き、相手の獅子座のライオンは鋭い牙と爪で目の前の狩人の喉笛に狙いを定める・・・。一触即発の中、先に動いたのは射手座であり、狩人は矢を数本放つ。
星座同士の夢の対決に空は喜び、見入るが・・・


ドスッドスッ


空「え・・・?」


室内に響く鈍い音に空の顔は引きつる。音の方を見ると身動きが出来ない自分から離れた場所に矢が二本刺さっていた。矢はかなり大きく、刺さる場所にあった席は一瞬にして無残な姿になった・・・。さらに獅子座が相手に対して引っ掻いたと同時に別の場所では謎の衝撃波が走り、そこに巨大な引っかき傷が・・・!
これを見た空は瞬時に今、起きた事を判断した・・・!





空「まさか、プラネタリウムの星座が実体化してるのか・・・!?」





予感は的中。プラネタリウムの映像は実体化してたのだ・・・!
ありえない現象に彼は言葉を失うも、放たれた矢の狙撃場所や引っかき傷の痕を見れば、それは実際に起きている・・・!非現実的な事に脳内がパニックになるが、同時に自分に死が迫っている事が分かる。遠くから見れば豆粒状の大きさのものでも、近くで見れば相当巨大であるのだ。遠近法で星座達からの一撃を貰うと死は免れない・・・!

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その6) ( No.707 )
日時: 2013/08/29 19:24
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

空「俺が好きな星座で殺されるなんて嫌だ・・・!頼むから外れてくれ・・・!」


必死に逃げようと身を動かす彼を嘲笑(あざわら)うかのようにプラネタリウムの星座達は星座同士で争いを始めた。棍棒を振り回すオリオン座、水瓶から水を出す水瓶座、野生の力で襲い掛かるおおぐま座、体当たりをする山羊座、魔法を放つかんむり座。彼らが戦う度に被害が大きくなり、同時に室内に被害が及ぶ。刺し痕や殴打痕や切り痕、全てを溶かす毒、凶器と化した水、聖なる雷とそれぞれ異なる攻撃が飛ぶも、どれも空に当たってはいない。


空「こんなの見たくない・・・!誰か助けてくれ・・・!あれは・・・乙女座・・・?」


拘束された彼の目に映ったのは自分の星座である乙女座がおり、彼女が銀の天秤を大事そうに持っていた。彼女の顔は泣きそうな顔をしており、星座達に何かを訴えていた。


空「乙女座って確かアストライアーと言う女神が昔、神と人々が仲良く暮らしていた時代にいたんだよな・・・。その時の人間達は仲良かったんだが、時代や後から生まれた人達が争いを始めた。それによって神は天へと帰り、彼女だけが一人残った・・・」


空の星座である乙女座の元になった女神アストライアーは正義と天文の女神だ。星好きの彼にとっては愛着があるものであり、自分の星座を気に入っていた。
しかし、乙女座の星座が誕生する際には悲しい出来事があった。彼女がいた時代は気候は常に暖かく、自然は多くあった。この時には文明などはなく、平和に暮らしていた。しかし、時代が流れると共に四季が発生し、人々の文明が発達した。文明が発達すると同時に人々の欲は大きくなり、ついには争いが起きた。この様子に神々は天に帰り、アストライアーは最後まで地上に残り正義を訴え続けたが、よくと殺戮に支配された地上の人間達は彼女の耳を傾けるわけがない。そして、彼女は人々に失望し、自ら天に昇った・・・。これがきっかけで乙女座が誕生し、同時にアストライアーが持っている天秤は天秤座となった。


空「アストライアーにとっては辛いもんな・・・彼女もあの時と同じように正義を訴えているんだろうか・・・?」


当時のようにプラネタリウムのアストライアーは星座達に正義を訴えるものの、他の星座達は耳を傾けずに戦いを続ける。これに見かねた彼女はついには耐えきれずに涙を流しながらそのまま消えて行った・・・。


空「・・・」


生で乙女座を司る女神の悲しみに空は言葉を失う。それは翔を誤って殺してしまった自分に似た心情と同じだった・・・。もし、別の方法を取っていたらこんな事にはなっていなかっただろう・・・。後悔しても遅すぎた・・・。


空「翔・・・ごめん・・・」


だが、そんな一瞬の沈黙を破るかのように別の音が支配する。
それは何かが落下するような音であり、周囲を見渡して音の発生源を探っていると自分を中心に影が出来ていた。その影は徐々に大きくなっていき濃度も上がっていくと同時に音は徐々に大きくなる・・・。
先ほどの乙女座の出来事を思い出した彼は心臓の鼓動が激しくなっていく。消えた乙女座、大きくなる影、濃くなる影、徐々に大きくなる音。ようやく気付いた空はハッと上を見る。





真上にはアストライアーが持っていた巨大な天秤が空に目がけて落ちて来たのだ—————





ぐしゃ





それが絶望に染まった彼が見た最後の光景だった・・・。巨大な天秤からは赤い血が流れ出し、上空のプラネタリウムには乙女座が美しく輝いていた・・・。
おしおきの一連の流れを外にいる残った生徒達が見ていた・・・。


まりん「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
D「空が死んだのか・・・?これ、夢だよな・・・?」
サイバー「嘘だろ・・・本当にやりやがった・・・!」
凛「こんな悪夢は見たくない・・・!」
ニッキー「狂ってやがる・・・!」
風雅「外に出たいと思っただけでこうなるのかよ・・・!?」
氷海「ううっ・・・」
鈴花「烈・・・」
烈「氷海、鈴花、あまり見るな・・・!」
硝子「・・・」
リゼット「もう嫌・・・!誰か助けて・・・!」


残酷すぎるおしおきに生徒達は全員言葉を失う。気を失う者やその場で泣き出す者が多く出現し、空の死を間近で見たサユリは言葉を失う・・・。


MZD「さぁいこおおおおおおおおおおー!!!やっぱり、好きなものを与えて好きなもので殺された時の絶望感は最高だねぇー!!外に出るためなら、何だってやるんだねぇ〜。大親友さえも殺してしまうとは動機の威力は大きいなー・・・」
サユリ「どうして空君を殺したのよ!?MZD!あなた、何をしたのか分かってるの!!」
MZD「何って?おしおきだろ?」
サユリ「悪い事をしたら許されないのは分かってるけど、あそこまでする必要はないじゃない!!あなたはどうして私達にこんな事をするの!?こんな事をして楽しいわけ!!?」


人の命を何とも思わないMZDにサユリは切れ、彼にビンタをしようと手を上げる。しかし、その手はナカジとタローによって止められる。


サユリ「ナカジ君、タロー君、放して!」
タロー「サユリちゃん、怒りたい気持ちは分かるけど、ここで殴ったら校則違反となって殺されちゃう!落ち着いて・・・!」
ナカジ「ここで冷静になれ。奴の思うつぼだ・・・」
サユリ「・・・」


二人に諭され、サユリは振り上げられた右手を下げる。その様子を見たMZDは「サユリ、命拾いをしたな」と警告をする・・・。


ナカジ「一旦、部屋に戻るぞ・・・少しは落ち着こう・・・」
サユリ「うん・・・」

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その7) ( No.708 )
日時: 2013/08/29 19:25
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

『二つ目の殺人』


「簡単な説明」
MZDの言葉に乗って殺人を犯そうとした生徒とどんな理由でも殺人をしてしまった生徒には死が与えられることに全員は言葉を失う・・・。
気分が優れない中、リゼットがサユリに折り紙の話を聞きたいと日本の文化に興味を示した。異文化交流に二人は意気投合し、気分転換にクラフト工作をしようと提案をする。その言葉に少しの生徒がクラフト工作に興味を持ち、工作会を始める。そんな中、クラフト工作に使う紙を増やそうと凛が美術室へ向かう。ところが、彼女が美術室へ行ったっきり戻って来なくなり、心配になったサユリは美術室に向かうが・・・





美術室に行ったきり戻って来ない凛が心配になったサユリは彼女を探しに行く。道中でDに出会い、一緒に行動をする。三階の美術室まで距離があと少しの時、何か物音がする事に気づいた。


ガシャン・・・ガシャン・・・ガシャン・・・


サユリ「今の音って何・・・?」
D「分からん・・・何か、コピー機の作動音のような・・」
サユリ「美術室からするわ・・・」


音は美術室からであり、二人は美術室へ行く。美術室には凛が数十分前に向かったのでそこで何かしているとサユリは思った。美術室に着くなり、部屋のドアを開けようと思ったらロックがされていて開かない。


サユリ「開かない・・・凛ちゃん、私だよ。サユリだよー!!いるんだったら、開けてー!!」
D「聞こえないのか?いや、上に通気口があるから廊下の物音が聞こえるはずだ・・・」
サユリ「鍵を取りに行くという点もあるけど、凛ちゃんが心配だわ・・・。ここはドアを壊したくないけど、緊急時だから大丈夫だよね・・・」
D「この美術室のドア、窓は小さいから中が見えないからそうした方がいいかもしれん・・・!」


緊急時と判断し、サユリは近くにあった観葉植物の石で窓ガラスを割る。石で窓を割ると、そこから手を伸ばしてドアのロックを解除する。カチャンとロックが解除されると、急いで美術室内に入る。しかし、そこには・・・


D「おい・・・マジかよ・・・!」
サユリ「そんな・・・嘘だよね・・・」


二人の目に信じられない光景が飛び込んで目を大きく見開き言葉を失う。美術室内を支配するのはコピー機の無機質な作動音であり、コピー機は紙を印刷し続ける。コピー機には真っ白な紙をスキャナー部分に挟んでおり、白い紙を無限に生み出す。使用用途がまったくない紙は美術室の床を埋め尽くす。
白く染まった床だけでも注目するが、問題は室内の中央。美術室の中央には・・・





数十分前に席を外した超高校級の読書家の霜月凛の首吊り死体があったのだ・・・





サユリ「きゃあああああああああああー!!!」
硝子「どうしたの!?一体、何が・・・!?」


ピンポンパンポーン


放送「死体が三階の美術室で発見されたぞ。生徒の皆さんは美術室で捜査を行い、一定時間後に学級裁判を行うぜ。」


烈「死体だと・・・!?誰かが殺されたのか・・・!!?」
風雅「また起きてしまったのか・・・!!」


リゼット「まさか、凛が・・・!?」
鈴花「事件に巻き込まれたの・・・!?」
タロー「ナカジ!」
ナカジ「ああ・・・」


※ダンガンロンパを知らない人に説明しますが、殺人が発生して死体を3人以上の人物が目撃したら、「死体発見アナウンス」が流れる。そのあとに捜査を行い、一定時間後に学級裁判が行われる。


凛が亡くなった場所で生徒達は捜査をする。ここで分かった事は・・・


D「死因は首を絞められての窒息死か・・・自殺っぽいな・・・その際に使われたのはカーテンの布か・・・」
ニッキー「床に美術室の鍵があったぞ!そう言えば、鍵ってスペアはないんだよな・・・?」
タロー「上の通気口、高い位置にあるから何か物を使わないと登る事が出来ないよね・・・そこのテーブルを使っても届かないし・・・」
烈「テーブルは固定しているから、近くには持って行けないな・・・椅子を使っても小さいから無理がるし・・・」


「備考」
・凛の死因は自殺でカーテンの布を使用。
・上の通気口は高い所にあり、身長が高いタローやD達がテーブルなどを使っても届かない。
・鍵は室内の床に転がっていた。スペアはない
・つまり、美術室は密室状態。


と、大半が自殺と思い込む。だが・・・


サユリ「あれ?通気口に何かの擦れが・・・紐の擦れ痕っぽいね・・・」
ナカジ「首に縄の締め痕が・・・?(まさか、他殺・・・?」
硝子「こんなとこに釘があるわ・・・どうしてかしら・・・」
サイバー「あれ?一部だけ紙に穴が開いているんだが・・・よく見ると何枚か混じっている・・・」


「追加情報」
・通気口の一部に紐状の物の擦れ痕がある。
・凛の首に縄の締め痕があった。カーテンと比べるとまったく違う。他殺の可能性もある
・美術室のところどころに釘が数本刺さっていた。
・床に散らばっている紙の数枚に穴が開いているのがあった。





場面は変わって二度目の学級裁判。凛の死は自殺ではなく他殺である事が判明。
犯行トリックはサユリのクラフト工作が決め手だった。クラフト工作に使われる紙は使用用途や作る物によっては相当な強度を誇ったり、木を切る事も可能な刃にもなるのだ。
犯人は美術室に行った凛を縄で首を絞めて殺害した後、自殺したかのように見せかけるために偽装。美術室内に数本の釘を刺し、そこにたくさんの紙を通した強度の高い糸を引っかける。そうなると出来るのは小さな足場だ。犯人はその足場で上にある通気口から脱出。最後に糸を切れば、足場に使われた紙は室内に散らばる。あとは起動させたコピー機の紙を混ぜてカモフラージュさせるのみ。


サユリ「これで密室トリックの出来上がり。まさか、私の趣味を利用されるなんて思ってなかったわ・・・。犯人は私の話を聞いてそれを真似した人物よ。それに糸を使ってた人物が一人いたでしょ?」
氷海「それってまさか・・・ビーズをしていた・・・」
サユリ「そう。もう、ばれちゃってるから正直に認めた方がいいよ?・・・まりんちゃん、あなたが凛ちゃんを殺した犯人でしょ?」
まりん「—————!!」



論破!





被害者:超高校級の読書家 霜月凛
クロ:超高校級のブラスバンド部 佐野まりん
動機:MZDの言葉や行為は冗談かと思っていたが、最初の裁判で処刑された空を見て絶望的になった。そのせいで元々あった外に出たいという願望が強くなってしまい、殺人に走った。ちなみにどうやって殺そうかとした時、サユリの趣味である工作の話を聞いて紙を利用した密室トリック思いついた。

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その8) ( No.709 )
日時: 2013/08/29 19:26
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)



クロとして見抜かれたまりんは全ての負けを認め、白状をする。


まりん「私ね、一刻も早くここから出たかったのよ!!どんな手を使ってでもね・・・!部活のみんなや大親友の歩がどうしても心配になった・・・!何が何でも出たい私はあんたの趣味である幼稚な折り紙を利用したのよ!古新聞やチラシのようなゴミで遊ぶのがそんなに楽しいって私は全く分からなかった!!貧乏くさいとしか思ってないわ!!・・・でもね、あなたの折り紙は凄い便利だったわ。実用出来る趣味が犯罪にも使われちゃうもんね?超高校級の名前を持つとそれなりにもいい答えが出るわ・・・」
サユリ「褒めてくれるのは嬉しいよ・・・。まりんちゃん、私は凄いショックなの・・・どうして・・・」
まりん「私もそこにいる子供に踊らされた一人よ・・・私だって本当は殺したくなかった・・・だけど、あんなものを見せられたせいで余計に外に出たくなったんだ・・・歩や部活のみんなが心配になって、一秒でも早く出たかったんだ・・・人間って変わりやすいのね・・・あはは・・・。最後に言うけど、みんなは私みたいに馬鹿な真似はしないでね?サユリ・・・絶対に生き延びて・・・」


涙を流しながらサユリに謝罪をする彼女は相手の手を握りしめる。ぎゅっと握られた手にまりんの優しい優しい温もりが伝わってくる・・・。



GAMEOVER
サノさんがクロにきまりました。おしおきをかいしします。



「じょいふる☆ホットアンサンブル」
超高校級のブラスバンド部 佐野まりん処刑執行





『繋ぐ想い』


サユリ「・・・」


まりんの処刑後、彼女は部屋に一人籠っていた。手には折り紙の欠片があった。それは複数の折り紙で作られるユニット折り紙のひと欠片だった。実は全員が生存時にサユリが「絶対に生きて脱出しよう!」とみんなに渡して作ったのだ。その中にはいくつかメッセージが書かれていたり、不器用ながらに折ったものや上手に出来たものなどがある。作るのは嫌だと思っていた人もいたが、想いは一つでありそこに希望を込められていた・・・。
完成すると大きなくすだま状のオブジェにもなり、専用の紙で作られたので完成した時には宝石のように輝くだろう。おしおき前にまりんが手を握ったのはサユリに自分が担当した部分の最後のパーツを渡していた。彼女が作ったのを分解すると、そこにはメッセージが書かれてあった・・・





サユリへ


これを読んだ時は私はもういないでしょう。この学園生活の中でもサユリはみんなの心を落ち着かせようとしたり、全員で脱出出来るように努力をしたんだよね?あなたの言葉や行動には多くの人達が救われました。
この間、作ってくれたお菓子は美味しく、楽器のセッションは楽しかったよ。歩にもあなたを紹介したかったな。いいセッションが出来ると思うし、他のみんなも誘おうかなっと思ったんだ!だけど、もうそれは叶う事のない夢・・・。自業自得だもんね・・・。
サユリ、あなたはみんなの希望なの。この先にどんなことが待ち受けているか分からないけど、絶対に諦めないで!何としてでも生き延びて・・・!あんな子供に負けちゃダメよ!!ずっと応援してるからね!!
最後にですが、あなたを馬鹿にしてごめんなさい・・・。サユリは超高校級の才能の持ち主だよ?


まりん





サユリ「まりんちゃん・・・!ひっく・・・ひっく・・・」


涙を流す彼女はまりんが作った折り紙を再び元の形に戻す。最後に渡された欠片を作りかけの部分にはめ込むと一つの形になりつつあった・・・。


・・・


同時刻、処刑場。おしおきの際に熱中症で亡くなった超高校級のブラスバンド部の少女の傍らにはサユリが折ったハートのモチーフがあった。そのモチーフは熱風に晒されると、自然に宙を舞いながら業火の方へ落ちて行き、赤き炎に触れた瞬間、ハートの折り紙は一瞬にして灰になった・・・。





かなり長いので一旦区切ります。最後に空とまりんのおしおきについて説明を!

ポップンロンパ(ダンガンロンパパロ)(その9) ( No.710 )
日時: 2013/08/29 19:27
名前: りゅーと (ID: OPVNjM8g)

・空の「アストライアーの天体観測」
プラネタリウムがある天文部屋に連れて来られた空。身動きが出来ない彼の目に飛び込んで来たのはトレミーの48星座。プラネタリウムの映写会に空は思わず見とれるが、そのあとに星座達が戦う場面に切り替わる。星が好きな彼にとっては嬉しいものだったが、星座達の攻撃が実体化しており、彼らの攻撃が飛んで来る。そんな中、自分の星座である乙女座の元となった女神アストライアーが戦う星座達を見て嘆き、正義を訴え続ける。だが、戦う事しか知らない彼らは彼女の言葉に耳を傾けない。神話同様に正義を訴えるが、争う星々達に耐えきれずにアストライアーは涙を流しながら去る。しかし、彼女が持つ天秤がそのまま空に落ちてくる。身動きが出来ない彼はそのまま上空から落ちてくる天秤に潰されて死亡。その直後にプラネタリウムに乙女座の星座が出ておしおき終了。
このおしおきで恐ろしいのは好きな星で殺されるだけじゃなく、皮肉な事に自分の星座である乙女座に殺された事。さらにその時の凶器がアストライアーが持つ善悪を区別する天秤・・・。彼の趣味は天体観測なのでそれにちなんだのを採用。あと、アストライアーが持つ天秤はその直後に天秤座となり、乙女座の隣にあります。これはきつい・・・


・まりんの「じょいふる☆ホットアンサンブル」
巨大なマリンバ状のステージでマリンバ演奏をするまりん。彼女の真下には地獄の業火があり、背後にはバッハ風の格好をした巨大なMZDが同じようにマレットを持って演奏中。ステージ中央にいるまりんは笑顔で演奏しているが、背後にいるMZDがマレットを叩いて演奏をするので振り下ろされたマレットで自分を潰すかステージを破壊して自分を業火に落とすかと冷や冷やする。しかし、彼はそんな彼女を余所にマレットでの激しい演奏やまりんの横の鍵盤を何回も叩く。こんな事をするとまりんはパニックになり、死にたくない感情と早く終わってほしい感情に板挟みになった状態でマリンバを演奏。
パニックになる彼女はついに倒れてしまう。実際は真下の業火の温度がどんどん上昇しての熱中症での死亡。何故、これを思いついたかというとまりんのプロフィールの嫌いなもので真夏の部室と書いてあったので熱中症で死亡するというのを思いつきました。ビジュアルファンブックに他のキャラのオシオキ案もあったけど、舞園さんと朝比奈さんのが結構えげつない・・・。


続きます。ちなみにオシオキをあと三人ほど喰らいます。





長かった・・・感想おk