二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.28 )
- 日時: 2012/09/25 20:01
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
あんま期待されても困るなぁ……。。。
「キヨ!」
9階の廊下に、キヨが立っていた。
「大変なんだ!今、ガクが下で待って—」
何故が分からない。しかし、言葉が途中で凍った。
「そうなんだ?また神代一族の特殊能力か?」
「あ、ああ……」
キヨは俺の目の前で平然と微笑みながら話している。
なんでこいつは笑っていられるんだ?
「あそこの一族の勘は滅多に外れることは無いからね。僕もそれで何度命を助けてもらったか分からない。君もそうだろう?カゴ」
そう言って振り向いたキヨの顔は、今まで見たこともないほど真っ黒に見えた。
「……!?」
慌てて眼を擦るが、そこにあるのはいつものキヨの顔だ。
「どうしたんだい?」
優しい笑みを湛えながら、こちらに向かって歩いてくる。
「く……来るな……!」
「なんて事言うんだい?僕が何かしたか?」
少し哀しげな表情でこちらを見るキヨはいつもと何も変わらない。
「やめろ……!」
そう言おうとしたが、途端に腹部に痛みを感じ、その場に尻餅を付いてしまった。
(しまった……眼が霞む……)
「君は、……の……に……る……だ。だ……じょ……、み……一緒だか……」
もう聞こえない。
耳も機能が低下している。
キヨの顔が急に近づいてきた。
「う……!」
口の中に錠剤のような物が入り、一瞬で融けていく。
俺は、キヨの不気味な笑いを最後に、意識を手放さざるを得なかった。
- 【VOCALOID】13943号室【VanaN'Ice】 ( No.29 )
- 日時: 2012/09/27 19:18
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
(……どこだ……ここは……?)
重い瞼を上げると、霞んだ目に二人の親友の項垂れた姿が見える。
(俺達は……捕まったのか……?キヨは……?)
頭が朦朧とする。
さっきの薬の所為かもしれない。
縄で縛られてはいない。
しかし、立ち上がろうにも膝が笑う。
(ちくしょう……!なんなんだ……!?)
霞んだ眼の向こうに、キヨの姿が見えた。
小さく笑いを漏らしながら、何かを呟いている。
「くくく……もうすぐ、もうすぐだ……」
(あいつは何を考えている……!?なんで笑っているんだ……!)
キヨが俺の視線に気付いたようで、こっちに向かって歩いてきた。
「どうだい?今の気分は」
奴の顔は、闇に染まって真っ黒だった。
まるで悪魔だ。優しかったあいつの面影は最早どこにも存在しない。
「いいわけ……ねぇだろ……」
「薬が効かなかったかい?いや、そうでも無いようだね。呂律が回っていないよ?」
楽しそうに俺の顔を覗き込む様は、端から見ればとても楽しそうだ。しかし、その笑みはやっと捕らえることの出来た獲物をどう調理しようか考えている顔だ。