二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ドラゴンクエストⅧ 光と闇の軌跡 第1話 ( No.1 )
- 日時: 2012/11/05 16:40
- 名前: フレア (ID: hutym3FD)
見知らぬ場所で少女は目を覚ました。
酷い頭痛がした。
(そうか・・・・・・時空の扉、閉じなきゃな・・・)
頭を押さえながら心の中でつぶやく少女。
銀色の髪に深紅の瞳。
そしてマジカルスカートと呼ばれている若干露出度の高い服を纏っていて、耳にはスライムピアス。
町に行ったら10人中10人は振り向くであろうその美しい顔は、今は悲しげな表情となっていた。
(勇者も・・・・・・この世界にいるの?いっこうに気配が感じられない)
「君、どうしたの?」
そう考えているときに不意に声をかけられて、少女はビクッとふるえる。
「そんな驚かなくても・・・
君、こんな所にいたら危ないよ?
よかったら僕たちがおくっていこうか?」
話しかけてきたのは黄色いコートを着て赤いバンダナを頭に付けている少年だった。
まだ、少し幼さが残るその顔にはっきりと心配の色が浮かんでいた。
「あ・・・いや、大丈夫。ところで君たちは旅人?」
「そうでがす。
兄貴は茨の呪いによって滅ぼされたトロデーン城を救うためにたびをしているんでがす。」
少年の傍らにいた太った中年の男性が誇らしげに話す。
(茨の呪い・・・?そんなものきいたことないよ?
もしかしたら時空の扉が開いた原因ってそれかな?
とりあえずこいつらについて行ってみるか)
「へぇ、それ、私も手伝おうか?」
少女は言った。
「だめだよ!君は女の子だし!」
少年があわてた声で答える。
「ふふっ・・・私、こう見えても結構腕は立つ方だよ?
なぁに自分の身は自分で守るから」
少し笑いを含ませながら少女は言った。
「本当に大丈夫?」
「平気平気」
「しょうがないなぁ・・・とりあえずトラペッタまで行こう。そこで判断させてもらう」
「ところで君たちの名前は?」
「僕はエイト」
「あっしはヤンガスでがす。
エイト兄貴の子分でがす」
「兄貴・・・?
普通反対じゃない?」
少女は首をかしげながら言った。
「まあ道中いろいろあってね、僕は止めてっていってるんだけど。ところで君の名前は?」
「私はサフィラっていうの。よろしく!」
まぶしい笑顔でサフィラは言った。
先ほどの悲しそうな顔はもう見えなかった。
「よろしく!」
「よろしくでがす」
エイトとヤンガスも明るい表情で答えた。
しかし、本当に大丈夫かとエイトは気が気でなかった。
この子、まだ少女と行ってもいいくらいの歳だし。
まあ、ここら辺のモンスターにやられるようだったら、
トラペッタにおいていけばいいか。
しかし、彼はサフィラも交えた魔物との戦いにて驚くこととなる。
- ドラゴンクエストⅧ 光と闇の軌跡 第2話 ( No.2 )
- 日時: 2012/10/12 09:44
- 名前: フレア (ID: t.UaRjME)
「そういえば、君って耳尖ってるね」
トロデ王とかいう人の所へ行く途中、歩きながら唐突にそんなことをエイトに言われるサフィラ。
(バンダナ買っておけばよかった・・・)
と後悔するがもう遅い。
サフィラはこの少年の前ではどんな嘘も通じないような気がした。
少しサフィラは迷ったが言うことにした。
「私、実は魔族の王とエルフの王女の血を引いてるんだ」
「魔族・・・・・・?魔物のこと?」
「うん、まぁ」
エイトの言いたいことは何となく分かる。
「なんで人間の姿なんでがすか?」
ヤンガスにそんな疑問を投げかけられて、
サフィラは困ったような顔をする。
「さぁ。私には分からないな」
「今まで大変なこととかあった?」
エイトが再び問うた。
「うん。この血を引いているおかげでさんざんな目に遭ってきたよ。
デスパレスっていう城の魔物とは仲良くしてるけど、
エルフの国ではエルフ達からから白い目でみられてさぁ。
あと、泣いたときに目からルビーが出てくるから、
人間には追われるし、痛いしね」
「へぇ」
「なんか魔族もエルフも大変でがすなぁ」
この二人の反応にサフィラは驚く。
「二人とも退かないの?」
「何で?」
エイトは困ったように返答する。
「いや・・・だって・・・
私魔王の血をひいてんだよ?
人間を滅ぼそうとしているかもしれないんだよ?」
「サフィラはサフィラだよ。
一目見たときからこの子は人を傷つけたりしないって分かった」
真顔で言うエイトにうんうんとうなずくヤンガス。
(人間にも分かってくれる奴いるんだな・・・。あいつらに似ている・・・元気かな)
サフィラは人間への認識を改め、一瞬遠い目をした。
そして立ち止まって
「ふふっ・・・ありがと」
と笑顔で短く言って今度は走り出した。
「さぁ!早くトロデ王の所へ行こう!日が暮れちゃうよ!」
「分かってるよ〜」
「まってくれでがす〜」
笑いながらそういって2人は走り出した。
- ドラゴンクエストⅧ 光と闇の軌跡 第3話 ( No.3 )
- 日時: 2012/10/12 09:48
- 名前: フレア (ID: t.UaRjME)
「ぜぇっぜえっ・・・・・・ねぇ、まだつかないの〜?」
「そろそろ体力が限界でがす・・・」
2人は弾ませながら地図を見ているエイトに訪ねる。
「ねえ、まさかとはおもうけどエイト・・・」
少し溜めてからサフィラは言った。
「道、迷った?」
「ギクッ」
「おぃぃぃぃぃ!!そのギクッって何だぁ!?」
サフィラは叫ばずにはいられなかった。
「ガクッ」
「ああ!!ヤンガスがダウンした!!」
秘密をばらしてからかれこれ半日たっている。
三人は気力と体力の限界にまで達していた。
「陛下、無事かなぁ・・・
魔物に襲われて死んでなきゃいいけど」
「話しそらすなそして不吉なこというなぁぁ!!
・・・・・・はぁっはぁっ」
精神的にも肉体的にも疲れたサフィラはその場にへたり込む。
すると、
「エイトの奴ら遅いのぉ・・・
魔物に食われてなければよいのじゃが」
しわがれた老人の声が聞こえてきた。
「「「!!」」」
ヤンガスもサフィラもその場に立ち上がり、
顔を見合わせてから声の方向へと走る。
「陛下!ご無事でしたか!」
声の主は緑色の魔物だった。
「なっ!もしかしてこいつは魔物!?」
サフィラは驚愕を隠せない。
「なんだか知らんが全然違うわい!」
緑色の魔物はそう言う。
「失礼だよ、サフィラ。この方はトロデーン城の主、トロデ様だよ」
「あの忌まわしきドルマゲスのせいでこんな姿になったのじゃ!
儂が人間だった頃にはなぁすごく」
「へえ、この人がトロデ王か。先ほどはごめんなさいね」
トロデの言葉を途中で遮り素直に頭を下げるサフィラ。
「よいよい。どうせこの姿じゃあ・・・・・・ところでおぬしは?」
「サフィラと申します」
「ほう、見たところミーティアより少し下ぐらいか。
いくつなのか?」
「今年で16歳です。
人間の年齢で言うと168歳ですね」
エイトとヤンガスはひそひそ何か話していた。
「えっと・・・
ヤンガスってたしか31歳だよね。」
「そうでがす。
サフィラの姐さんはあっしの5倍ほど生きていることになるでがすな」
「16・・・16歳か。」
トロデは実際の年齢はスルーすることに決めたらしい
「ミーティアより2つ下か・・・」
そういって何かぶつぶつ言い始める。
「あのぉ・・・ミーティアって誰ですか?」
「トロデーンの姫君だよ。
そういえばさっきからいっこうに姿が見えませんが」
エイトが言ってトロデは気がついた。
「姫?儂の可愛いミーティア姫は何どこに!?」
「今気付いたんですか・・・」
トロデ達4人はきょろきょろと辺りを見回す。
すろと、近くの茂みが揺れた。
- Dragon QuestⅧ 勇者と魔王の軌跡 第4話 ( No.4 )
- 日時: 2012/09/08 20:35
- 名前: フレア (ID: OwhMpZon)
近くの茂みが揺れた。
「おお!
ミーティア!?
ミーティアなのか!?」
しかし答えたのは
「ピキー」
「クルックー」
魔物達だった。
ざっと見て20匹はいる。
すかさずエイトは槍を抜き、トロデに向かって
「陛下!
下がっててください!!」
と叫ぶ。
「雷の精霊達よ・・・
我に力を与えよ。
イオナズン!」
サフィラは最強にして最凶の呪文を声高々と叫ぶ。
ものすごい爆発音が響き、あたりは灰と化す。
それに対して3人は呆然とした。
エイトは昔読んだ本を思い出す。
イオナズンとは古代の呪文で熟練した魔法使いでも
習得できるのはごく一部に限られているはず。
だが、この少女はそれを軽々とやってのけた。
やっぱり魔族だから?
そんな風に思考を巡らしていたエイトは
その少女によって現実に戻らされた。
「トロデ王、ご無事ですか?」
「あ・・・あぁ・・・
そんなことよりミーティアは!?」
再び辺りを見回し始めるトロデ。
「ひひーん」
どこからともなく1匹の美しい馬はやってきた。
「おぉ!
ミーティア!!
あれにおったか!!」
トロデはすかさずその馬に抱きついた。
「・・・この馬が・・・姫?」
「そうでがすよ。
呪いのせいでこんな姿になっちまったみたいでがす。
あっしも未だに信じられないのでがすがねぇ」
「へぇ、その呪いはかなり強力みたいだね・・・
ところで早くトラペッタ?に行った方がいいんじゃない?
もう朝方だし」
サフィラは言った。
「それもそうじゃのう」
と馬車にミーティアを繋げながら言った。
「おいエイト!
何をぼーっとしておる。
早く行くぞ」
「は、はい!」
そうして5人はトラペッタへ歩を進めていった。
その先に何が待っているとも知らないまま・・・
序章 完