二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ドラゴンクエストⅧ 光と闇の軌跡 第52話  ( No.108 )
日時: 2012/11/13 09:36
名前: フレア (ID: ET4BPspr)

「おいおい……異世界なんかに行けるのかよ。異世界へ渡れるのは神鳥だけだって本で読んだことがあるんだが」
ククールが呆れたような声を出す。
アスカンタを出た五人はトロデとミーティアと合流し、アスカンタ近くの広い草原へ来た。
「私は時空を司りし者。異世界に渡る事など簡単だよ」
サフィラは真面目な顔つきで言った。
嘘を言っているようには見えなかった。
「時空を……?君は一体……」
「姐さんって何者なんでがすか?」
エイトの言葉を引き継ぐようにヤンガスが言った。
「確かに……魔王が時空を司るって……」
ゼシカが顎に手を当て、考える。
「そうじゃのう……そういやぁ、サフィラ、なぜお主はトラペッタ近くで倒れていたのじゃ?」
トロデが問う。
「それは後で話す。みんな、準備はいい?」
サフィラの言葉にコクリと頷いた。
サフィラはすぅっと息を吸った。
「金の鍵、銀の鍵、銅の鍵。七つの鍵の力を借りて申す」
サフィラが言葉を紡ぐと当たりは光で覆われた。
「螺旋の階段を登りて、過去・現在・未来、そして異世界への扉よ、開け。我らを導け!」
詠唱を全て唱え終わると七人は消えた……。

ドラゴンクエストⅧ 光と闇の軌跡 第63話  ( No.109 )
日時: 2012/11/15 14:59
名前: フレア (ID: q0DfvFhs)

エイトは夢を見ていた。
黄金に輝く光の中で。
『ねえ、兄ちゃんはどこに行ったの!?マスタードラゴンっ!!』
少女は竜に対して叫んだ。
とても、苦しみに溢れた声だった……。
『知らぬ』
『ふざけるなっ!兄ちゃんは……貴様のせいでっ……!!』
少女は腰の剣に手を伸ばす。
……その直後。
『愚かな』
『うっ!』
竜が詠唱無しで氷結呪文を唱えた。
少女の足が凍り付く。
『くっ……!』
少女は悔しそうに歯噛みした。
同時に頬に透明な液体が伝い、煌めく宝石と化した……。

「おい……!サフィラじゃねえか!」
緑色の髪をした青年は倒れているサフィラに声を掛けた。
「うっ……ここは……?」
エイトは頭を押さえて辺りを見回した。
何とも牧歌的な光景だった。
山奥に囲まれた村だったが人々には活気がある。
七人はここに倒れていたのである。
「まさか……!本当に……?」
「おいおい……夢じゃないだろうな」
ゼシカとククールが信じられないとでも言いたげな声を出す。
「姐さん!どういう事でありやすか!?」
「私は時空の守護者。強大な邪なる力で開いてしまった時空の扉を閉めるのが私の役割。
扉を閉めるにはその原因を探らなければいけないんだ」
「その時空の扉って開けたままにしといたらだめなのかい?」
「うん。本来交わるべきではない生き物が出会い、その後の運命を変えるからだとマスタードラゴンは言ってた」
サフィラは頭を押さえて言った。
「マスタードラゴンって?」
「神の竜。この世界を統べる者だよ。あいつのせいで……!」
サフィラは拳を握りしめる。
「天空城攻めに行くんだったら俺も手伝うぜ。何ならソフィアも誘う。あいつのせいで俺の親父は死んだんだからな」
「とても勇者とは思えない発言だね」
サフィラは苦笑した。
「ん……?勇者って?」
「ああ、エイト。こいつはソロっていうんだ。天空人の血を引いている。200年位前に世界を救ったんだ」
「え?200年前……?」
「あー、俺はマスタードラゴンにこの世を守れって言われて何か寿命で死ぬとか無いんだよ」
「そうそう。あの糞竜が……」
「っ!ソフィアっ!」
突然神の竜に対して陰口を叩いた緑色のボリュームのある髪型の少女。
その娘の名はソフィアといった。
「あー、みんな。この娘も一応勇者」
「むー、一応って何よ一応って」
「おいおい。そんなことよりあやかしの笛はどうした」
ククールが二人の話を遮った。
「それもそうだね。ルー」
「待て」
ソロが止めた。
「俺達どうせ暇だしついて行くよ」
「いいね。何か面白そう!」
サフィラは勇者二人の様子を見、溜息を吐いて今度こそルーラを唱えた。