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ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第15話  ( No.18 )
日時: 2012/09/21 11:18
名前: フレア (ID: BnZKjb50)

赤髪を二つに結んだ少女はふと胸騒ぎがして村を出て、
近くの塔へ登った兄を追いかけた。
塔の最上階へ行くと誰も居なかった。
正確に言うと、居た。
まだ年若い青年の亡骸が。
「サーベルト兄さん・・・・・・?
嘘だよね?
返事してよ・・・
そんな・・・
う・・・くっ・・・うわぁぁぁぁ!!」
少女は亡骸の前で泣き崩れた。
その亡骸には何かで刺されたような傷が刻まれていた。

「これは酷い有様じゃのう・・・」
ルイネロが言っていた関所の前へ行くと、
トロデは呆然とした声を上げる。
頑丈なはずの関所の扉は
とても人間がやったとは思えない位に無惨に破壊されていた。
「ドルマゲス・・・
一体どれほどの力を持っているんだ・・・」
サフィラがぶるっと体を震わせる。
「取りあえず、リーザスとかいう村へ急ごう。
またドルマゲスが誰かを殺す前に」
エイトが静かに言う。
「うん」
「それがいいでがすな」
サフィラとヤンガスも賛同する。
そこへ無謀にも魔物が出てきた。
「ねえ〜
誰が一番にリーザスに着けるか競争しない?」
奇跡の剣を構えながらサフィラは言う。
呑気なことを言っているが、その目は真剣に魔物を見据えている。
「いや、陛下達の事も考えてあげて」
冷静につっこみを入れるエイトも槍を構えている。
「おっさん達なら置いていっても問題ないと思いやすがねぇ」
斧を構えながらヤンガスは言う。
魔物達が飛びかかってくると同時に、
三人はそれぞれの得物を振るう。
魔物達は真一文字に斬られたり、槍に一突きされて絶命する。
倒された魔物達は青い光の中に消えていった。
「ちょっとトラペッタ周辺の魔物より強くなかった?」
エイトが武器を収めながら言う。
「そうかな?
気のせいじゃないの?」
サフィラが首をかしげる。
「あっしは兄貴と同じ意見でがす。
姐さんは元々強かったから
何も感じなかっただけじゃないでがすか?」
ヤンガスが言う。
「う〜ん・・・
そうかな〜?
もしかしたらドルマゲスのせいで
魔物達が警戒しているのかも」
サフィラがぽんっと手を打っていった。
「そうかもね
・・・って早くリーザスに行こう!
また新たな犠牲者が出るかもしれないし!」
あわてた声でエイトが言った。

「ほぇ〜
ここがリーザスか〜」
「静かなところだね」
「こういうところに意外とお宝が・・・
いや、なんでもないでがす」
トロデを村の外に置いてきた三人は入口の所にたたずむ。
すると、二人の子供が走って三人の所まで来た。
「お前ら盗賊だろう!!
サーベルト兄ちゃんの仇!」
そういってその子供は銅の剣を抜いて飛びかかってきた。
「ちょっと君たち!
それ危ないって!」
流石に相手が大人ならともかく、
子供なので武器を抜くことは出来ない。
どうにかこの場をしのぐことが出来ないかと考えていたとき・・・
「これっ!
ポルク!マルク!」
名前を呼ばれた二人の子供はぎょっとしておそるおそる振り返る。
おばあさんが近づいてきて子供にげんこつをくらわす。
そしてサフィラ達を振り返って
「旅の方、どうかこの二人を許してやってください」
「あ、いえ、大丈夫です。
ところでこの子達言ったサーベルト兄ちゃんの仇とは・・・?」
エイトが聞く。
「ついこの間、この村の村長の息子が殺害されて・・・
ずいぶんと慕われていたものですから・・・」
寂しそうに言うおばあさん。
そしてポルクとマルクを引きずって行ってしまった。
「ねぇ・・・もしかして・・・」
「うん・・・」
「ですが、何のために奴は殺していっているんでがすかねぇ・・・」
三人は顔を見合わせた。
「取りあえず村長とやらの家へ向かおう」
三人は村の中へ歩を進めた。