二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第15話  ( No.21 )
日時: 2012/12/28 11:56
名前: フレア (ID: A0pjLufI)

「あ!
お前らはさっきの!!」
屋敷に入るとさっきの子供が血相を変えて走ってきた。
「これ見てくれ!!」
そう言って見せてきたのは手紙。
「どれどれ・・・」
『私は兄さんの敵を討つまで戻りません。
私は自分の信じた道を行きます。
お母さん、ごめんね』
それをみてサッと青くなる。
「これ・・・遺書?」
サフィラは呟く。
「たぶんゼシカ姉ちゃんはサーベルト兄ちゃんが殺された
リーザスの塔へ行ったんだ!
頼む!姉ちゃんを連れ戻してきてくれないか!?」
マルクは3人に頼む。
「まぁ、死に急ぐ人間を見捨てることは出来ないしね」
「うん、もしかしたらドルマゲスが殺したのかもしれないし」
「そうでがすな」
3人とも意見が合致して
「いいよ、リーザスの塔ってどこ?」
「それなら俺が案内するから早く行こう!」
ポルクは走って外に行ってしまった。
「・・・君も大変だね・・・
あんなのに振り回されて」
ポルクと共にいた少年、マルクに言った。
「・・・・・・」
マルクは無言で頷いた。

村から外に出たポルクを含めた4人。
ポルクはトロデを見て驚くかと思われたが、
「お前の仲間おもしれぇな!」
とエイトに笑いながら言った。
その様子にエイトは苦笑するしかなかった。
「う〜ん・・・そうだね・・・」
サフィラはポルクではなく塔の周辺をまっすぐ見据えていた。
「エイト!ヤンガス!魔物がいた!
陛下とポルクは下がっていて!」
サフィラはあわてた声で叫んだ。
「へ・・・陛下?」
ポルクはきょとんとした顔で言う。
「はやくせんか!
魔物に食われるぞ!」
ミーティアが馬車を安全地帯に曳く。
3人は得物を抜いた。
「けっこういるね。
20匹ぐらいかな」
「無駄口叩いてないで行くよ!」
「わかりやした」
と軽く言葉を交わしてから3人は構える。
「はぁ!!」
次々と魔物を切り刻んでいくサフィラ。
「ギラッ!」
最近覚えたばかりの魔法を唱え、敵を一掃するエイト。
「おりゃぁ!!」
と声を上げながら魔物を一刀両断するヤンガス。
そんな3人にポルクは唖然とした。
「すっげぇ・・・
あいつらあんなに強かったのか」
「うむ!流石我が家臣!」
「あっしはおっさんの家臣になった覚えはないでがす!」
「私もです」
どうやら戦闘は終わったらしい。
魔物の死体は青い光の中へ消えていて、
先ほどまで戦場と化していた場所は何もなかったかのようだ。
「硬いこと言うな」
トロデ王は笑いながら言い、塔へ歩を進めていった。

ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第16話  ( No.22 )
日時: 2012/09/20 14:58
名前: フレア (ID: .9PiH9M2)

リーザスの塔は村からすぐ近くだったので1回の戦闘ですんだ。
「何か高い塔だねぇ〜」
サフィラは塔を見上げながら言う。
「たぶんここにゼシカ姉ちゃんはいると思う。
・・・サーベルト兄ちゃんはこの塔の最上階で殺されたんだ」
「・・・ゼシカさん、死ぬ気なのかな」
エイトが呟く。
その言葉にポルクは酢を飲んだような顔つきになった。
「扉を開けるぞ」
そういってポルクは扉の下の部分をつかみ、上に上げた。
「こうあけるのか〜」
「最上階のクラン・スピネルって言う宝石には手を出すなよ!
まあ、見つけたとしても取れないだろうけどな!
じゃあゼシカ姉ちゃんを頼んだぞ!」
ポルクはそういって村の方へ走り去ってしまった。
「・・・大丈夫でがすか?」
「・・・あの子の足の速さなら大丈夫だよ」
「さ、行くよ」
塔に3人は入っていった。

「迷いそうだね〜」
「もう迷ってるけどね」
「兄貴!!地図を発見しやした!」
「ヤンガスナイス!」
なんども魔物が出現していたがそのたびに3人に瞬殺されていた。
「所々に焼けこげた後がありやすが、
火事でもあったんでがすかね?」
「それはないんじゃぁ・・・」
おかしなことを言っているヤンガスにエイトはつっこむ。
「これ、炎の呪文、メラの焦げ後じゃないかな?」
サフィラは言った。
「じゃあ、ゼシカさんのかな」
「早く行った方がいいね。
えっと地図によると・・・」
「エイト、その地図私に貸して。
君に任すと道に迷う」
手を差し出しサフィラは言った。
「分かった」
エイトは素直に渡した。

サフィラが先導に立ったことによって呆気なく最上階に着いた。
そこには1つの像があったが、それ以外には何もない。
「・・・誰も居ないね・・・・・・」
サフィラがそう呟いた直後、
ばさり、と何かが落ちる音がした。
3人が振り返ると赤髪をツインテールに結わいた少女。
足下には先ほど落としたのであろう花束が転がっていた。
おそらくこの少女がゼシカなのであろう。
「あんたたち!
またきたのね・・・
兄さんの敵!」
そう言ってゼシカはメラを唱えた。
辛うじてエイトは火の玉をよける。
「すばしっこいわね・・・
さすがは盗賊といったとこかしら」
「ちがいますって!」
彼女にはエイトの言葉が耳に入らないらしい。
また次の呪文を打つ準備をするゼシカ。
巨大な火の玉を造る。
「メラの上級の呪文、メラミか・・・
無理矢理制御できない呪文を使ったらとんでもないことに・・・
マホトーン!!」
サフィラは魔法を封じ込める呪文を唱えた。
すると、火の玉は消えたが、
ゼシカは舌打ちをすると短剣を取り出して
一番近くにいたエイトに斬りかかる。
「兄貴!」
「ちょ・・・僕らは本当に何もしてないって・・・」
短剣をかわしながらエイトは言うがゼシカには届かない。
そのとき
『ゼシカ・・・ゼシカ・・・私の声が聞こえるか・・・?』
どこからか声が聞こえ、全員が声の方向へ振り返った。