二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ドラゴンクエストⅧ 失われた記憶 ⅩⅢ ( No.218 )
- 日時: 2013/04/04 10:40
- 名前: フレア (ID: OtfUnLOH)
「誰……なの?」
サフィラの隣に立っているレーナは静かに訊いた。
「……凄く簡潔に言うと大昔に部下に裏切られて死んだ魔王」
サフィラは早口で息も吐かずに言った。
「……何で君が?」
「うん?はっきり言って君達が邪魔だったから」
「……邪魔?私はともかく……レーナ達も?」
「うん。取り敢えずサフィラと関わった奴らはみんな消して行かなきゃなんないからね。君を殺したら殺したで後々めんどくさい事になるから」
淡々と言うサティアは笑みさえ浮かべていて、残酷な殺人鬼に見えた。
「目的は私か。でも、一つ分からないことがある。何で私の方のエイト達はこの世界に呼ばなかった?」
「気付かない?同じであって同じでない世界はね、もちろん複数存在する。その内の一人でもエイトが死んだら他の世界のエイトも死ぬ。例えるとそんな感じ」
「……はぁ?」
「ちょっちょっちょっと待って!」
口を挟んできたのはレーナだ。
「何であんたはここにいるの?さっきサフィラが死んだって……!」
「確かに僕は幽体で何も出来ない状態だった。でも誰だか知らないけど生き返らせてくれた奴がいてね。誰だか分からないけど」
「……一体誰が……」
「さて、話はおしまい!」
言い終わるやいなや、サティアは手に持っていたハープをポロンっと掻き鳴らした。
「っ!!散ってっ!!」
サフィラが叫んだ。
レーナは訳が分からなかったが反射的にエイトの言葉に従った。
勢いよく自分たちが居たあたりに水柱が立つ。
「ふふっ。流石♪久々に楽しめるかな?」
サティアはふと真面目な顔になった。
彼女が本気でくることをその顔が雄弁に物語っていた。
「第58代魔王『蒼の呪術』サティア!いざ参るっ!!」
『ねえねえ!早く来てよぉ!ジャーコッシュ!』
『こっこら!姫様!外界は危険ですゆえ……』
『きゃははっ!大丈夫!どんなことがあってもジャーコッシュが護ってくれるんでしょ?』
遠い記憶。
今でも鮮明に覚えている。
あの時は私はまだ知らなかったんだ。
彼が元居た世界で禁忌を犯したことに。
そして翼を折られ、追放されたことに。