二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ドラゴンクエストⅧ 失われた記憶 ⅩⅧ ( No.232 )
- 日時: 2013/04/04 10:19
- 名前: フレア (ID: OtfUnLOH)
「バイキルト!!ルカナン!!」
ゼシカが両手をかざして仲間の攻撃を強化し、敵の守備力を下げる。
一気に畳み掛けるつもりだ。
「そらっ!ディバインスペルっ!!」
ククールが竜の呪文抵抗力を下げる。
「ゼシカっ!!魔法ガンガン使え!」
「言われなくても!我が盟約に従い炎の精霊よ、集え!猛る灼熱の炎よ、全てを焼き尽くし喰らいつくせっ!!メラゾーマっ!!」
ごうっと音を立てて上空に現れた炎の球は竜に直撃する。
「ぐぉぉっ!!」
流石に堪えたのか僅かに隙が出来た。
「死ねぇぇぇぇっ!!」
ヤンガスが普段なら絶対に言わなそうな叫びと共に斧を振り回す。
「ピキィ…………」
一人、否、一匹どうしていいか分からずにオロオロしているメイルは降り注いできた肉片を慌てて避けた。
「メラゾーマっ!!」
「バギクロス!!」
ゼシカとククールは休む間もなく呪文を唱える。
竜は大きく仰け反る。
容赦無い炎と風の連係攻撃。
肉の焼き焦げる匂いがした。
「はっ!!」
エイトは横一文字に竜の顔面を斬り付け、器用にも眼を二つとも潰す。
「ぐるぅぅぅぅぅうう!!」
まるで竜の叫びは地獄の底の亡者の様だった。
レーナは仲間達のおかげで十分に体制を立てる事が出来た。
「ねぇ、レーナ」
サフィラは目の前に敵がいるのにもかかわらず、剣も構えずに隣のレーナを見やった。
「……エイトは、失うのが怖いって言ってたよね?」
「……うん」
「私もそれは同じ。そして今、また失う。ずっと一緒にいた親友を」
レーナは、サフィラの言う《親友》というのが直感的に今戦っているサティアということだと分かった。
「……あのさ、私達は別々の世界にいてもずっと友達だよね!?」
サフィラの問いは、何かに対して必死さを感じた。
だが、レーナの答えは決まっていた。
「当たり前だよ」
静かに微笑んで、レーナは言った。
「一緒に戦った仲間だもんね」
その言葉を聞いて、サフィラは微笑み返した。
「本当に君って不思議だね。君がいるとなんか……みんなが笑顔になれる。例えるなら……太陽みたい」
「よくそんな恥ずかしい台詞真顔で言えるね」
レーナは照れをそんな台詞で誤魔化した。
「とある馬鹿のせいでね。さ、全てを終わらせよ?」
「うんっ!」
サフィラは剣を構えた。
サフィラの剣には闇の光が、レーナの剣には凍てつく氷がまとわりつき、レイピアよりもさらに危険な刃物と化す。
「「はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」」
思い切り地を踏みしめて、高く跳躍して。
2つの刃は竜を一思いに貫いた。
不意に、レーナの頬に暖かいものが当たった。
「…………あ」
レーナはそれをサフィラが流したルビーの涙だということが分かった。
竜を貫いた場所から光が漏れ、竜は消えた。
やがて一人の少女が現れる。
碧い光を放っていて、姿が半透明だということからもう既に実体は滅びているのだろう。
『ありがとう……』
サティアは淡く微笑し、すぅっと消えていった。
- ドラゴンクエストⅧ 失われた記憶 ⅩⅨ ( No.233 )
- 日時: 2013/04/05 10:25
- 名前: フレア (ID: rwdZGWyj)
「あの娘が……負けた、だと!?」
鏡に映った映像を見て、老人は驚愕を隠せないようだった。
「ばかな……!どれだけ時間が掛かったと……!」
「はんっ!久しぶりだなぁ、エビルプリースト」
「その様子だとお前の目論見は失敗したみたいだな」
エビルプリーストはその二人の男の声がした方に振り返った。
表情が驚愕から恐怖へと変わる。
「貴様らは……ロウェンとレイジかっ!?」
「気安く呼ぶな」
赤髪に琥珀の瞳を持つ少年、レイジがうんざり顔で口を開いた。
「なぜ……貴様らが!?」
「時空の扉、開きっぱなしだったぜ?ちゃんと戸締まりはしなきゃな」
ロウェンが茶化すように笑うがその目は笑っていなかった。
「そういうことだ」
レイジは静かに呪文を唱え始めた。
「くっ……」
同じくエビルプリーストも呪文を唱え始める。
オレンジの光に包まれているということは、リレミトでも唱えて逃げるつもりなのだろう。
「させるかよっ!!ギガジャスティスっ!!」
ロウェンの右手に現れた2つの剣が重なった紋章が光り輝き、エビルプリーストの魔法陣が消え去った。
「ギガデインっ!!」
丁度レイジの呪文詠唱が終わった。
エビルプリーストに強大な雷撃が降り注ぐ。
「ぐああああああああああああああああああっっ!!」
エビルプリーストは絶叫と例の光と共に消えていった。
「よし……。あと残すとこ一体だな。……つーかお前、こいつ相手にしていたとき異常に口数少なくなかったか?」
ロウェンが思い出したように言い、レイジはむすっとした顔で答えた。
「気のせいだろ」
「あっそー。あ、お前らこいつの居場所教えてくれてありがとな!」
ロウェンがレイジではない誰かに向かって叫ぶ。
「何か気が付いたらレーナも巻き込まれて流石に焦ったな」
「まさかコンピューターウイルスでこんな事になるとは思ってなかったわ……」
「ま、でもこれでレーナもちょっと成長出来たんじゃねーのか?」
「そうかもね。レーナもこれで……」
会話する二人の男女の声。
「……この世界も崩れだしてる」
「そろそろ元の世界に帰るか」
ロウェンとレイジの前に、扉が現れた。
「あ、そうだ」
ロウェンは扉を潜る前に二人に振り返った。
「俺もお前らも同じ立場かもしれねーな。ま、主人公は多分心配しなくても大丈夫だろ」
そう笑うロウェン。
まだ少年のあどけなさが残っていた。
「……魔王様。サティア・ドラグニウルが負けたそうです」
「ふーん。それはあの娘の目論見道理ってなったってことも考えられない?」
「と、いいますと?」
「これはあくまでも僕の推測なんだけど、サティアちゃんは何者かに復活させられた。それと同時に自分の中に進化の秘宝があった」
「ちょっと待って下さい。なぜサティア・ドラグニウルが生き返ったのですか?それに一度死んだ者は簡単には生き返りません」
「忘れたかい?《理》が崩壊していたんだよ?フレアが直すまでその《理》は生きている者だったら誰にだっていじくることは出来る」
「……どういうことです?サティア・ドラグニウルは死んでいたんですよ?」
「第三者がやったんだろうね。例えば……ジャーコッシュとか」
「ジャーコッシュ?あの者がなぜ?」
「サフィラちゃんを殺したかったのだろうね。記憶を無くしてレーナちゃんの世界に送り込めばもうサフィラちゃんは普通の人間と同じ。はっきり言って、あの世界はまだちょっとしか物語が進んでいないからエイト君達は弱い。でも、計算違いがあった。フレアがミーティアちゃんを送り込んできたんだ」
「ミーティア・トロデーンが来たところで何も変わらないと思いますが……」
「頭が、良すぎるんだ。それを危惧したジャーコッシュはサティアちゃんに消すように命じた」
「そうするとかなり矛盾がでますよ?そもそも、彼女はジャーコッシュに裏切られて死んだはずです。協力するなんて思えません。むしろ、彼女がジャーコッシュを殺してもいいはずです」
「……うん。言われた通りにしたのはミーティアちゃんに見せたくなかったのかもね。感情が剥き出しのサフィラちゃんを」
「…………」
「まあ結局記憶はすぐに戻っちゃったけどね。ジャーコッシュに対しては、もう罪を犯して欲しくないと、そう想ったんだと想う。サフィラちゃんとレーナちゃんに自分を殺すように悪役を演じた。サティアちゃんを殺せば、彼女の中にある進化の秘宝も消える」
「……もし魔王様の言う通りだとしたら、サティア・ドラグニウルは折角生き返った自分を犠牲にして…………」
「……進化の秘宝を、葬ったってことになるね」
「……なんて意志の強い人……」
「でも、もしそうだとしたらね、まだサティアちゃんはサフィラちゃんの中に残っているよ」
「はい?」
「サフィラちゃんの、心に」
- ドラゴンクエストⅧ 失われた記憶 ⅡⅩ ( No.234 )
- 日時: 2013/04/05 10:56
- 名前: フレア (ID: rwdZGWyj)
突如宿屋の一室に現れたサフィラに、みんな信じられないような眼をして、なんとも言えない空気が流れた。
「あ、あはは……ただいま」
苦笑いして、彼女は頬を掻いた。
「っ!!サフィラっ!!」
信じられないことに、普段冷静なミーティアが思いっきりサフィラに抱きついた。
「ほんとにっ!心配したんですからっ!」
「……ごめん」
サフィラは泣くミーティアの背中を叩く。
「よかったよ……無事でいてくれて」
「何があったんでがすか?」
「それは後でゆっくり……。私としては、ククールが何があったのかを知りたいんだけど」
ククールは部屋の隅で黒こげになって倒れている。
「ミーティアの胸を触ってゼシカにぼこぼこにされました」
エイトがククールを見下す。
「ちげーよ!あれは事故だったんだっつーの!!」
「へぇー。何か意外と着痩せするタイプだとか言ってなかったっけー?」
ククールの前に腕組みして仁王立ちするゼシカ。
いつもの日常が、帰ってきた。
「ん……」
レーナは野営地近くの草原で目を覚ました。
先程の戦いが嘘だったかのように傷もすっかり癒えている。
しかし、彼女はしばらく起きあがろうとはしなかった。
雲が大空を流れているが、晴天と言える天気だ。
暖かい風が吹き、草花が揺れ、頬をくすぐる。
日が、暖かかった。
「太陽、か……」
レーナは一人呟いた。
『本当に君って不思議だね。君がいるとなんか……みんなが笑顔になれる。例えるなら……太陽みたい』
サフィラが、決戦で投げかけた言葉。
その言葉が、深く心に刻み込まれ、不思議と気持ちが温かくなってきた。
「私が太陽……か……。なら、貴方は……闇を照らす……月……。貴方にはあっちの世界での仲間が居るから……きっと……夢は叶うよ……」
レーナは立ち上がって仰いだ。
「月は……太陽がいてこそ輝けるもん……。貴方にとっての太陽はきっとエイト達……。夢、諦めたら承知しないからね」
片耳に付けてあるスライムピアス。
彼女がくれた、大切なもの。
「…………」
その少女は、ふわふわと宙に浮かんで。
眼を閉じると半透明なその身体は、小さな光へと変わった。
ぎゃーぎゃーと騒いでいるサフィラの背中に入り、消えた。
「また……世話になるよ?サフィラ」
失われた記憶 〜fin〜
- ドラゴンクエストⅧ 失われた記憶 後書き ( No.235 )
- 日時: 2013/04/05 14:02
- 名前: フレア (ID: M2xow4LM)
サフィラ 「長い」
レーナ 「全部で20話あるよ?本編三章分あるんじゃないの?」
フレア 「考え無しにやってたらこんなんなっちゃいました……。すいません、のあさん。そちらは10話位でいいです。まじですいません」
ミーティア「しかも私強制送還されてますし……。口調、かなりゲームとかけ離れていますし」
エイト 「フレアは基本的にちょっと『一人称が自分の名前とか洒落臭ぇ』って性格だからねー」
ミーティア「それに加えてツンデレ好きと来たもんです。自分では滅多にツンデレキャラ書きませんが」
レーナ 「前回のコラボでは若干サフィラと私、ツンだったけど?デレてるとか死んでも認めたくない」
フレア 「自分で言うのもなんですが、なんかキャラが良い人の方向にいっちゃってんだよねー」
サフィラ 「どこが」
フレア 「例えばドルマゲス。書くのやめたんだけど、奴、この世界のパノンってことにしたかったの。パノンってのは苦しんでる人達にこそ笑いを届けたいって人の事を指すんです。その志を魔王につけこまれて、トロデーンの杖を盗み、結果あのデブに操られることになるってしたかったんだけど……なんかそうするとドルマゲスが哀れになって来ちゃって。で、結局それは断念してゲーム道理になった」
エイト 「僕はゲーム道理になって良かったと思うけど」
サフィラ 「何で?」
エイト 「殺しにくいジャン。そういうこと知っちゃうと」
レーナ 「………………」
ミーティア「はぁ……エイト……」
フレア 「話題変えます。最近人生初のライトノベルというものに挑戦しました」
サフィラ 「どうでもいい豆知識。フレアはミステリーが好きです」
フレア 「容疑者Xの献身は本当に号泣した。あれほど人に献身的な人間って存在するのでしょうか……」
レーナ 「はいはいはいはい」
ミーティア「で、ライトノベルは何を読んだのですか?」
フレア 「『はたらく魔王さま!』です」
サフィラ 「ふーん……魔王……」
エイト 「適当なあらすじ。日本に来ちゃった魔王と勇者の日常物語」
レーナ 「はっきり言ってどこの世界の魔王もろくに定職にも就かずにサイヤ人やっているベジータ並にもがもが」
サフィラ 「それ以上言わせるかーー!」
ミーティア「……もうお開きにしましょうか」