二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第17話 ( No.24 )
- 日時: 2012/10/12 11:31
- 名前: フレア (ID: t.UaRjME)
声の主はリーザスの像のようだった。
「サ・・・サーベルト兄さん!?」
ゼシカは驚きの声を上げる。
『ゼシカ・・・私を殺したのは・・・・・・この方々ではない・・・』
ゼシカは像に駆け寄り
「サーベルト兄さん!?本当にサーベルト兄さんなの!?」
ゼシカは像に聞く。
『ああ、本当だとも・・・聞いてくれ・・・ゼシカ・・・。
そして・・・そこにいる旅の方よ・・・。
死の間際・・・リーザス像は我が魂のかけらを預かってくださった・・・。
この声も・・・その魂のかけらの力で放っている・・・。
だから・・・もう時間がない・・・。
像の瞳を見つめてくれ・・・。そこに真実が刻まれている・・・。さあ・・・急ぐんだ・・・』
像の瞳には赤い宝石がはめ込まれていた。
おそらくポルクが言っていたクラン・スピネルだろう。
神秘的な光を放つその宝石を一同は見た。
すると・・・
「なにこれ・・・映像が頭の中に流れ込んでくる!」
サフィラは叫んだ。
ゼシカも不思議そうな顔になっていた。
『あの日・・・塔の扉が開いていたことを・・・不審に思った私は・・・一人で・・・この塔の様子を見に来た・・・。
そして・・・』
一人塔の屋上まで来たサーベルトは不気味な道化師に出会う。
「だ・・・誰だ貴様は!?」
いつでも剣を抜けられるよう構えるサーベルト。
「悲しいなぁ」
くっくっくと不気味な笑い声が道化師から漏れる。
「なっ・・・!
質問に答えろ!
貴様は誰だ!ここで何をしている!?」
「くっくっく・・・我が名はドルマゲス。
ここで人生のはかなさについて考えていた」
「ふざけるなっ!」
サーベルトはドルマゲスに斬りかかろうとした。
だが、剣が抜けない。
そればかりか体が動かなかった。
「くっ・・・どうしたことだっ!!」
「悲しいな・・・。私はその勇ましさにふれるほど私は悲しくなる・・・」
ドルマゲスはサーベルトに近づく。
「くそっ・・・ドルマゲスとか言ったな!その名前決して忘れんぞっ!」
「ほう・・・?私の名を忘れずにいてくれるというのか。
なんと喜ばしいことだろう」
茶化すように言うドルマゲス。
「私こそ忘れはしない。
君の名はたった今より我が魂に永遠に焼き付くこととなる。
さあ、もうこれ以上私を悲しませないでおくれ・・・」
「くうっ・・・貴様ぁぁああっっ!!!」
ドルマゲスは持っている杖でサーベルトの体を貫く。
そして息絶えた・・・。
「・・・・・・・・・・君との出会い・・・語らい・・・そのすべてを我が人生の誇りと思おう。
・・・君の死は無駄にしないよ。
・・・・・・・
・・・くっくっくっ。
きひゃっ!!くははっ!!
あはははははははははっっっっ!!
ひゃーはっはっはぁ!!!」
塔にドルマゲスの笑い声が響き渡る。
サーベルトを殺した杖は不気味な光を放っていた。
記憶はここで途切れていた。
『旅の方よ・・・リーザス像の記憶、見届けてくれたか・・・?私にもなぜだか分からぬ・・・。
そなたが来るのを・・・待っていたようだ・・・。
願わくは・・・このリーザス像の記憶が・・・そなたの旅の助けになれば・・・私も報われる・・・。
ゼシカよ・・・我が魂のかけらも役目を終えた・・・お別れだ・・・』
そんな・・・とでも言いたげにゼシカは首を振る。
「いやぁ!!どうすればいいの?
お願い・・・行かないでよ兄さん・・・」
『ゼシカ・・・最後に・・・これだけは伝えたかった・・・。
・・・この先も母さんはお前に手を焼くことだろう・・・
だが・・・それでいい・・・。
お前はお前の信じた道を進め・・・。
さよならだ・・・ゼシカ・・・』
リーザス像から光があふれ、クラン・スピネルから光が消える。
ゼシカは像の前で泣き崩れた。
「ふーむ、なんたる事じゃ・・・。あのサーベルトとやらを殺したのは紛れもなくドルマゲスじゃ!」
入口で待っていたはずのトロデが言う。
「おっさんいつの間に!?」
変なポーズを取りながらヤンガスは驚きの声を上げる。
「あの人のためにも早くドルマゲスを討たなきゃね・・・」
サフィラは拳を固める。
「・・・ここにいたって邪魔なだけだ。
村に戻ろう」
ちらりとゼシカを見てからエイトは言った。
「リレミ・・・」
「待って・・・」
泣き崩れていたゼシカが立ち上がり、サフィラ達を見る。
「名前も分からないけど、誤解しちゃってごめん。
今度ゆっくり謝るから・・・
すこししたら村に戻るからポルク達に伝えといて・・・」
そういうとまた座り込んでしまう。
「・・・行こう・・・・・・リレミト!!」
トロデも含む4人はオレンジ色の光に包まれて消えた。