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ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第18話  ( No.26 )
日時: 2012/09/20 10:38
名前: フレア (ID: FGaLWoyh)

「ドルマゲスめ・・・
人を殺めよるとはとんだ大悪党じゃ!!
いよいよもって大至急奴を見つけ出さなければならん!!」
リーザスの塔から出たトロデはそう熱く語る。
「なんでドルマゲスは殺しを繰り返すんだろう・・・」
サフィラはうつむく。
「しっかしドルマゲスの奴はあの塔へ人を殺し、
それからどこに行ったのか・・・」
ヤンガスはその場にいた全員が思っていたことを言う。
「とりあえずリーザスに帰ろう。
ルーラ!!」
バシュンと音を立てて一行は消えた。

トロデを外に残して村に入った3人は
駆け寄ってきたポルクに
「あ!帰ってきたか!
遅いから心配してたんだぞ!!
で、ゼシカ姉ちゃんは!?」
3人は塔であったことをありのままに話した。
「で、少し落ち着いたら帰ってくるってさ」
「ふ〜ん・・・
まだちょっと心配だけど、
ゼシカ姉ちゃんが帰ってくるっていったんなら大丈夫だな」
大人なら大半の人は信じてくれないような話だったが、
ポルクは信じてくれた。
「とにかくありがとな!
色々あったけど、
おいらはちょっとだけお前らのことそんけーしたぞ!」
「ちょっとだけか・・・」
サフィラは苦笑して言った。
「あ、そうだ。
お前達が戻ってきたら宿屋に泊めてもらえるように
ちょうど今お願いしてきたところだ。
マルクと二人で小遣いはたいたんだからな」
「結構律儀で可愛い・・・」
サフィラは笑みを浮かべる。
「貴重なお小遣いでありがとう」
エイトは礼を述べて宿屋に入った。

「ねぇ・・・
エイト起きてる?」
宿屋のベッドに横たわりながらサフィラは聞いた。
「うん・・・」
「ドルマゲスは、
何か目的を持って殺人を繰り返しているのかな?」
「どうだろうね・・・」
「ドルマゲスの師匠、マスター・ライラス、
金持ちの息子、サーベルト。
この二人に接点が無いように私は思えるんだけどね」
「・・・・・・」
「あ、寝た?
私もそろそろ寝るか。
おやすみ・・・」
隣のベッドからおやすみ、と声が返ってきた。
静寂の中にとんとん、かんかん、という音が聞こえるが、
サフィラは気にしないことにした。

翌日、目が覚めた3人はゼシカが帰ってきてるか心配だったので、
屋敷に向かうことにした。
扉を開けると大きい声を上げている女の声が聞こえた。
2階に上がるとゼシカと女性が言い争っていた。
女性は村人達が言っていた村長、アローザなのだろう。
「もう一度聞きます、ゼシカ。
貴方は兄であるサーベルトの死が悲しくないのですか?」
「・・・またそれ?
何度も言ってるじゃない。
悲しいに決まってるでしょ」
いらっとした口調でゼシカは言った。
「ただ家訓家訓と言っている母さんとは
気持ちの整理の付け方が違うだけ。
私は兄さんの敵を討つの」
「敵を討つですって・・・?
ゼシカ!!バカを言うのもいい加減にしなさい!!
貴方は女でしょ!」
アローザは声を荒げる。
サーベルトだってそんなこと望んでいないはずよ!!
今は静かに先祖の教えに従って・・・」
「もういい加減にして欲しいのはこっちよ!!
先祖の教えだの家訓だのってそれがいったい何だっての!?」
腰に手を当てながらゼシカは言う。
「どうせ信じやしないだろうけど兄さんは私に言ったわ!
自分の信じた道を進めってね。
だから私はどんなことがあっても兄さんの敵を討つわ。
それが私の信じた道だもの」
「・・・・・・」
アローザは少し考えてから言った。
「・・・分かったわ。
それほど言うなら好きなようにすればいいでしょう。
・・・ただし。
私は今から貴方をアルバート家の一族とは認めません。
この家から出ておいきなさい」
厳しい顔で言うアローザ。
「ええ、出て行きますとも。
お母さんは
ここで気が済むまで思う存分引きこもっていればいいわよ!」
そういってからイライラした様子で自分の部屋へ向かった。
しばらくしてから露出度の高い服を身にまとったゼシカが出てきた。
「胸おっきいな・・・
何入れてんだあれ」
サフィラは呟く。
エイトとヤンガスはつい、サフィラとゼシカを見比べてしまう。
「二人とも酷いよ〜」
3人がそんな会話をしている間にゼシカは
「お世話になりました!!」
と言って家から出て行ってしまう。
「・・・追いかけよう」
我に返ったエイトは言った。

「ポルク、マルク、
あんた達のこと色々と利用しちゃってごめんね」
外にいたマルクとポルクにゼシカは謝る。
「ゼシカ姉ちゃん・・・
本当に村を出て行っちゃうの・・・?」
ポルクが寂しそうに問う。
「うん・・・
だからこれからはあんた達二人が村を守るのよ。
サーベルト兄さんがよく言ってたわ。
ポルクとマルクは将来村を守る立派な戦士になるだろうって」
「えうえう・・・あうぅ〜・・・」
マルクは泣き出してしまう。
「泣かないの」
とマルクの頭をなで
「この村を頼むわね・・・」
そう言って、ゼシカは村の入口に向かった。


第2章 完