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- ドラゴンクエストⅧ 勇者と魔王の軌跡 第25話 ( No.36 )
- 日時: 2012/09/23 18:22
- 名前: フレア (ID: M4UdAK/d)
「そう言えば、陛下はどこに?」
エイトがヤンガスに聞いた。
「おっさんなら船長室の所へ行ったでがす」
「心配だから行ってくる」
「ついに直ったわい!!」
船長室にトロデの声が響く。
傍らで船長と思われる人物は耳を押さえる。
「陛下!どうかしましたか!?」
思わずエイトはあわてて言った。
「む・・・?ちょうど良いところに来たのうエイト!!
たったいまこれが直った所じゃ!」
「直ったって・・・これのことですか?」
エイトは机の上の釜を指さす。
「いかにも。こいつは練金釜と言ってのう、
材料となる素材を入れると全く別の道具を生み出すという
魔法の釜なのじゃ!!」
少し興奮ぎみにトロデは言った。
「旅の大きな助けになりそうですね。
陛下、ありがとうございます」
頭を下げるエイト。
そのとき
「船長!もう間もなく船が南の大陸に到着します!」
と船員が言った。
「よし、分かった。マストの調整を頼む!」
「イエッサー!」
船長に命じられた男は敬礼をして部屋から出て行った。
定期船から船着き場に降りた一行。
トロデとミーティアは先に外へ出た。
「おー賑わってるねぇ」
サフィラは目を輝かす。
たしかに武器屋や道具屋など、
店は一通り揃っていてなかなか人が多い。
「ちょっと見物してくるね〜」
と言うなりサフィラは駆け出す。
「サラ〜!あんまり遠くに行っちゃだめよー!」
ゼシカは叫ぶ。
「保護者みたいだね。ってサラって・・・?」
人混みに消えるサフィラの後ろ姿を見ながらエイトは聞いた。
「サフィラって名前がちょっと言いにくいから
サラって名前で呼ばしてもらってるの」
「言いにくいでがすか?あっしはそう感じなかったがすけどなぁ〜」
「まあ、いいじゃない。感じ方は人それぞれだし」
ゼシカは言った。
(う〜ん・・・。取りあえず、薬草を買い込んでおくか。
練金釜って言うのも気になるし・・・)
人混みの中、サフィラは買う物を考えていた。
実は、船を降りた後にエイトはそれについて話してくれたため、
仲間達はそれの使い方をちゃんと理解している。
(あの練金釜なら呪いを解ける道具を作れるかも。
だったら呪われた物を清める聖者の灰と・・・)
そこまで考えていたとき、何者かと腕がぶつかった。
「あっ。ごめんなさい」
サフィラとぶつかったのはいかにも悪人って雰囲気の男。
「おい、ねーちゃん。
お前のおかげで大事な一張羅が汚れちまったじゃねえか」
「どうしたら許してくれますか?」
何となくその先の展開が読めたサフィラは心の準備をする。
「そりゃあもちろん俺と遊ん・・・」
「はぁ!!」
男の腹部に思いっきり蹴りを喰らわして
男は店の商品棚に叩き付けられる。
「この女ぁ・・・」
必要以上に危害を加えたくなかったサフィラはその場から立ち去った。
こうゆうことは何回も経験してるため、もうなれていた。
ただ、何となく怒りが沸いてきていた。
「・・・?どうしたのサフィラ」
イライラした様子でサフィラは言った。
「ここからすぐ立ち去ろう。すっごく不愉快」
いやだとは言わせない、と言う雰囲気を纏ったサフィラは
ズカズカと出口に向かった。
第4章 完