二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ドラゴンクエストⅧ 記憶喪失少女と魔王Ⅶ ( No.69 )
- 日時: 2012/11/20 10:43
- 名前: フレア (ID: yTgpXhnH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=23009
第七話「必ず生きて帰ろう」
ダァン!!
魔王城の最深部に銃声が鳴り響く。
フレアとのあの拳銃から4つの弾が発射された。
弾は正確に魔王の頭を貫いた。
「がはっ……」
「やった!?」
「いや!まだです!!」
レーナは目を見開いた。
魔王の傷が再生していく……。
「言ったであろう?我は神と化した、と。貴様らごときが何人束になろうとゴミ屑同然だ」
いやらしい笑いを浮かべながら魔王は言った。
そして腕を払うといとも簡単にフレアとのあは吹き飛ばされた。
「うわーーーっ!!」
「まだ一回しか喋ってないのにーーー!!」
大空の彼方へ二人はキラーンと消えていった。
「……何しに来たんだぁぁぁぁぁあああ!!」
レーナは空を見上げながら叫んだ。
その時だった。
魔王が油断しているサフィラとレーナに闇を纏った黒い球状の気を放った。
「これで終わりだ!!」
「しまっ……」
避けられない。
闇の球体は大きすぎる。
二人は覚悟を決めて目をつぶった。
「………?」
しかしいつまでたっても体に衝撃が来ない。
おそるおそる目を開くと……
「エイト……!!」
傷だらけのエイトが二人の前に立っていた。
「まさか私達を庇って……!!」
「油断しちゃ駄目だって……いつも……言っていた……じゃ…ないか……」
エイトはか細い声で言うと崩れ落ちた。
「エイトォォっっ!!」
レーナがエイトを揺さぶるが、彼は動かない。
その後ろでは、魔王が無防備なレーナを倒そうと、また闇の球体を作り出し……レーナに向けて放った。
どがぁぁぁぁぁぁ!!
辺りの壁が跡形もなく消えていた。
レーナは……サフィラに抱えられていた。
「いったん退くよ!」
サフィラはレーナを抱えたまま先程まで自分達が辿ってきた道に駆け出す。
「エイトっ!エイトーーっ!」
悲鳴にも似たレーナの叫びが魔王城に響いた……。
「はぁっ……はあっ!」
サフィラはとある場所で大門に魔法の施錠を掛けていた。
「これでしばらくは魔王も来れないだろう。……レーナ?」
「………」
レーナの目は輝きを失っていた。
「私のせいだ……。私が油断したからエイトが……」
レーナの頬にはすぅっと透明な液体が伝う。
「………っ!バカっ!!」
突然、レーナの頬が音高く鳴る。
レーナは仰天したようにサフィラを見た。
「今、エイトを、ヤンガスとゼシカとククールを助けられるのは私達しか居ないんだよっ!!
なのに弱気になってどうすんの!?
それに、私にも責任がある。油断していたのは君だけではない」
それからサフィラはにやっと笑った。
「もう喧嘩はやめだ。生きて、一緒に冒険しよ?」
レーナもつられて微笑む。
がしゃぁぁぁぁん!!
扉が、壊される音がした。
もちろん壊したのは魔王。
「小娘共!これで、終わりだぁぁぁぁああ!!ドットの海へと帰るがいい!!」
魔王は闇の波動を出す。
「レーナ!全ての力を出せっ!さっきの約束、忘れてはいないよねっ!?」
「もちろん!サフィラ!必ず生きて帰ろう!」
二人は剣を重ね合わせ、光の波動が出した。
光と闇がぶつかり合う。
「小娘共がぁっ!この我と張り合おうなどとっ!千年早いわぁぁぁああ!!」
魔王の叫びと共に、闇の波動はさらに力を増す。
「くっ」
「うぅっ」
二人はどんどん追いつめられていく。
「……サフィラ。ここは私に任せて。私が魔王の注意を惹いているからその内にっ!」
「何言ってるの!?二人で抑えているのもやっとなのに……!」
レーナの申し出にサフィラは反対した。
しかし、レーナは退こうとしない。
「奴を倒せるのは今しかないよ。それに……」
レーナは自分の足に目線を落とした。
「呪いが罹らないあんたと違って私はドット化が進んでいる。だから……」
レーナは精一杯の笑みを浮かべた。
「……分かった」
サフィラは頷いた。
「仲間のためにも、必ず。死ぬんじゃないよ」
サフィラは拳を差し出した。
レーナはそれに自分の拳をこつんとぶつけた。
そして、サフィラは飛び出していった。
全てを終わらせる為に。
全てに決着を付けるために。
- ドラゴンクエストⅧ 記憶喪失少女と魔王Ⅷ ( No.70 )
- 日時: 2012/11/20 10:44
- 名前: フレア (ID: yTgpXhnH)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=23009
第八話「決まっているじゃないっ……私の命だっ!!」
——くっ……もう駄目……。
レーナは魔王の攻撃を剣で受け止めながら、歯噛みした。
——ごめん。サフィラ。約束、守れそうにないや。私は、私はこの世界が好きなんだ。
魔王に向かって駆けていくサフィラの背中を見ながら、レーナは想った。
頭の中には次々と出会った人々の顔が浮かんでくる。
——だからっ!私はここで朽ち果てても、この世界を守るっ!
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」
レーナの体から、金色に輝く光が溢れ出した。
「何っ!?貴様どこにそんな力が!?」
戸惑う魔王。
「決まっているじゃないっ……私の命だっ!!」
レーナは叫ぶ。
覚悟を決めて。
「何っ!?生命エネルギーを解放するなど……貴様も死ぬ気かっ!?」
光は魔王の闇の波動を押し返し、魔王の体を貫いた。
「うおぉぉぉぉっ!!」
「あんたらウイルスごときにこの私が、この私達主人公がっ!!」
「「負けるかぁぁぁぁぁああああ!!!!!」」
サフィラとレーナの叫びが、合わさる。
サフィラは剣を、魔王の胸に深々と刺す。
「うあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
喉が裂けるような絶叫を魔王は上げ、城は震えた。
そして城は光に包まれ………。