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【続きです(>>76)】


「あ、でも来ちゃったみたいですね」

ミスティアはまた笑いながら言った。
そしてそれから数秒後、黒髪を後ろで束ねたオッドアイの少女が到着した。

「兄様！！見つけましたよ！！」

少女は俺に向かって怒鳴るように言った。

「ルーミカ…お願いだから勘弁してくれ…」

俺は溜め息まじりに呟いた。そう、出した覚えのない招待状は俺の妹、またはこの国の姫である、ルーミカ・レイツ、こいつの仕業だ。

「嫌です…！そもそもこのパーティーの主役は兄様ってことになってるし、兄様が出ないと意味がないんですよお…！！」

「あのさルーミカ、この城でパーティーをすることはないから、舞踏会だから、全然意味違うから」

ルーミカは頬を膨らまして俺を見た。明らかに拗ねている。
よく考えると招待状には『舞踏会』とは記されず、『パーティー』と記されてあったのだ。長年この国に住んでいた人ならこの間違いに気付くだろうが、一部の人々はパーティーだと信じてやってきたのでは…と考えると少しぞっとする。
俺がこんな状況になっているというのに、隣ではミスティアがクスクスと笑っている。こうしてみるとミスティアは以外とマイペースなのかもしれない。

「とにかく、俺は面倒くさいことに巻き込まれるのは嫌だから…」

俺がそう言って立ち去ろうとした時だった。「待って！」とルーミカが叫んで呼び止めた。俺が気だるげに「何ですか？」と聞くと、ルーミカは一瞬戸惑った表情を見せ、そして言った。


「この舞踏会は…本当は兄様の婚約を祝うために開かれてるんです」