二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ボーカロイド『RUI』の誕生 ( No.14 )
日時: 2012/09/11 17:43
名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: WzE/lQPv)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/data/img/4.jpg

「い…嫌です!!マスター…!私、頑張るから、だから、待ってください!!捨てないでくだ…さい…っ…!!」

私は必死にドアノブをとり、ドアを開けて、今にも去りそうなマスターを追おうとした。
正直、こんな暗い部屋でそんな残酷なことを告げられると、怖くて逃げだしたいというのもあったことだが。


でも     開かない。


「マスター…!!マスター!!ごめんなさい!!ごめんなさい、本当にごめんなさい!!だ、だから…お願いします…っ!!」 

開かない、開かない開かない開かない開かない開かない開かない開かない…!!

いくら捻っても、押しても、引いても、何をしても、ドアは開かない。

鍵を……かけられたのか……

「…や、やだ……何で、どうしてマスタあああああっ…!!!」 

怒りと悲しみと苦しみが色々混ざりあって、孤独となって私に返ってくる。
痛い、苦しい、苦しいよ……

出たい、ここから出たい…

そんな思いは思うより先に体が動いて、ドアはガタガタと煩い音をたてた。
見るとドアはもう傷だらけだ。

「マスタ、マスタ…っ、マスタあああああああっ…!!!!」

ギリギリと音をたててドアに何本もの白い先が刻まれた。
それと同時に私の体は倒れ混むように、崩れるようにして、座り込んだ。

もう爪は何本か剥がれ落ちてきている。
傷ついた指からは赤い液が垂れて、その部分が鋭く痛む。
それでも私は止めなかった。

「マスター!!最後、これで最後ですから…!!お願いです!!!歌わせ………」

ついに力つきた私の体は、真っ黒の床に倒れ混んだ。
私が最期に聞いたマスターの言葉は、「最期はそこで終えることだな、」の一言だった。