二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ学園-新入生募集中-【リクを!コメを!オリキャラを!】 ( No.143 )
日時: 2013/01/27 20:06
名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: WtzVCEg0)

いいかげん長々とやりすぎたので本編戻ります……orz

本編の状況
前回>>68
目次>>9

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「家、実は今乾燥機壊れてまして…乾かすにも干してたら日当たり悪いこともあって最低2日はかかるんですよ……いやぁ…申し訳ないです」

「え…あ……それなら別に……」

流石にわざわざ服まで着替えさせてもらうのは申し訳ないと思っていたところだ、断って持ち帰ろう……そう思った時だった。

「……なので、2日後に届けさせていただいてもいいですか?」

「なっ……!?」

流石のあたしでも、こればかりは予想外だった。せめて「取りに来て」程度だと思っていたのだが、まさか家に届けに来ようとするとは…

「いや…さ、流石にそこまではいいです…!!それならあたしが持ち帰りますから!!!」

あたしは必死に止めようとしたのだが、ミズキはそんなあたしの心情なんてものには気にも止めなかった。

「あ、ごめんなさい。もう洗濯しちゃってるとこなんで…流石にびしょ濡れの服渡して家に帰すなんてこと……」

「早いよ…!!!早すぎるよやることが…!!」

親切なのか、せっかちなのか、それとも単に雑すぎるだけなのか…

ミズキは突然声を荒げたあたしを不思議そうに見つめた。

「本当に申し訳ないです…とりあえず2日後、お届けに伺いたいんですけれども……住所とか、教えてもらえませんかね…?」

きた、最悪の展開だ……

あたしに家はない。
たった1つのあの家はマスターの家だ。何も考えず一人本能のままに飛び出してきたものだから、後のことなんて考えもしなかったのだ。

…流石に……あの家の住所を教えるなんてことは…できない……よな…

当然だ。もはやあの家はあたしの家ではないのだから。
1人発狂して、狂って狂いまくって壊して…今更戻るなんてことは出来ない。もはやあたしは一種の犯罪者だ。だから…逃げた……?

そういえばあたしは何故逃げた?
居場所を探すため? でもあたしに居場所なんて残っていない。あの家を出たところであたしは何の力もない。1人で生きていく力なんて当然無い。

じゃあ、何のためー………?

「あ、あのー………」

ミズキの声ではっと我に帰った。
相手からしたら単に住所を聞いているだけだ、いきなり相手がこんなに黙りこんだらさぞ不思議なことだろう。

ここはもう本当のことを言うしかない…か………

「……家は…無い…住む場所は……あたしには無いんです…」

たまたま道でぶつかった人にちょっと親切にしただけで、いきなりこんなシリアスモード突入なんて…相手にしたらさぞかし迷惑だろう。
きっとあたしは誰からも必要とされることのない存在。このまま誰からも優しくなんてされず、一生を1人で生きていくような、そんな存在。

「…家……無いんですか……?」

あたしは無言でコクリと頷く。相手の目を見るのが怖い、自分が相手からどんな目で見られているかなんて、知ったこっちゃないんだ。

「…なら……1人なんですか…?」

あたしはまた頷く。勿論相手の目は見ない。

「寂しく…ないんですか……?」

「………」

寂しい……?

そんなことはない。
マスターにもう一度会いたいかと聞かれれば心のそこから「うん」とは言えない。

……でも…でも………そんなマスターでも…………家族にかわりはない。

どれだけ酷くても辛くても虚しくても痛くても苦しくても、例え相手があたしのことなんて気にも止めなくても…
あたしのマスターだ……それにかわりはない…
…勇馬だって……あたしの家族だ……

あたしはそれらを全て捨てた。

今までのちょっとした苦しみ、虚しさ、痛みだって捨てた。
喜びさえも、思い出さえも……全部、全部を捨て去った。

今頃「寂しい」?
ここまで来て寂しいなんて…馬鹿みたいな話だろう?
あたしは、別に寂しくなんてない、清々している………そう言いたい…言いたいのに…





どうして涙が溢れるのだろう