二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- ボーカロイド『RUI』の誕生 ( No.22 )
- 日時: 2012/09/12 02:29
- 名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: 0WRXSyTI)
「同じぐらいの…苦しみ…を……」
手に持った刀をマスターに向けた。
この時のマスターの顔……、なんて、愉快なんだろう……顔を歪め、あたしをみるマスターの目、最高に愉快だ………
自然と顔に笑みが浮かんだ、それはもう、狂気に満ちた笑みだったのだろう。
マスターの顔は本当に真っ青でさっきよりも更に歪んでいたのだから。
手に持った刀を1振りする。
それだけで相手は苦しんで喚いて痛がって。
1振りすると紅い液が飛び散って、あたしの服までもが赤に染まる。
嗚呼……なんて楽しいのだろう…
「はは…っ、はははっ、マスター、君がダメ何だよ、あたしを、あたしをここまで傷つけたんじゃん…?」
楽しかった、そうして目の前で人が苦しむのが。
「ミ………ズキ……」
ミズキ………
『私』の名前、マスターに呼ばれたのは何年前だろうか…マスターはいつも『私』のことをVY1とばかり呼んでいたから…
懐かしい…その声………
「今まで……悪かった…」
あたしの頭を何かが横切った。
懐かしい思い出のような、優しさのような。
そしてそのとたん、意識がフッとすると、我に帰った。
周りを見渡すと紅い水溜まりが所々に飛び散って、壁は赤く染まっていた。
マスターを見ると、手に深い傷がいくつもついていた。
命は助かっても、かなりの重傷だった。
「マ……スター……?」
マスターに向かって伸ばした自分の手、それをみてあたしは絶叫した。
何故って……あたしの手は赤一色に染められていたから。
手から赤い雫が垂れてくるほどに、あたしの手は………
「や、や……マス…タ…あたし………」
マスターは顔を歪ませたままうつ向いて、何も言わなかった。
「マスター……ごめ…ごめん…ごめんなさい………っ!!!」
見ていることは出来なかった。
もうあたしは何かおかしかった。
狂っている、歪んでいる、もう、あたしは狂ってしまって戻らない。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ…………!!!!!」
あたしはその場から逃げるようにして走り去った。