二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】短編オリキャラ募集 ( No.129 )
- 日時: 2012/11/24 12:06
- 名前: noeru (ID: sMzMY2aV)
隠し事をしてました。
恐ろしい程に真っ白な病室。
作り笑いだと錯覚してしまう主治医。
僕の身体に流れている点滴を毒だと勘違いしそうになる。
1年前の手術からほどんど回復しない身体。
やっと家に戻れたのは半年と数か月だった。
声もまだ戻らないまま誰とも会話できない。
日に日に身体から伸びる管の数は増えてゆく。
酷い吐き気でない胃からないものを吐き出す。
副作用によるめまいと頭痛はもはや僕のデフォルメだ。
人間とは思えないような骸骨のような指。
無機質に響く機械音しかない場所。
—————僕はどうして生きてるの。
窓の景色が見たい。
紙飛行機を飛ばしたい。
また学校の話を聞きたい。
キドやカノやセトや孤児院の先生に会いたい。
全部叶わない。
叶った時に僕は死ぬかもしれない。
無理は出来ない。
これ以上迷惑を掛けられない。
はじめは些細なことだった。
3,4歳くらいの頃から、咳がよく出るようになった。
風邪を引く回数が増え、高熱が出やすくなった。
肺炎なんかにもなりやすくなって入院した。
僕が何らかの重病だってすぐ解った。
5歳になって、あの孤児院に来た。
初めて友達が出来た。3人も出来た。
3人は僕の病気を理解してくれた。
入院してもよく遊びに来てくれた。
でももう会えない。
友達は今はしんたろーしかいない。
窓の向こうから、外の世界を教えてくれる。
学校に行けない僕にとっては魅力的な話ばかりで。
最後に外に出たのは、この入院前だった。
最後に外の世界を見たのは、移動の車の中だった。
僕はどうして生まれてきたんだろう。
母親は僕を産んで自殺しました。
父親は大型トラックに轢かれました。
僕が両親を不幸にしました。
いつも病室にいる男の子がいます。
僕にそっくりな男の子がいます。
ベッドの横に立って僕を見下ろしています。
死神じゃないと思うんです。
男の子はいつも泣いてます。
僕は男の子が憎いんです。
僕はこんな身体でも泣きません。
迷惑を掛けないように笑います。
でも男の子は泣いてます。
僕をじっと見て泣いてます。
同情なんかしないで、僕を可哀想だと思わないで。
それが嫌で嫌で笑っているのに。
僕の努力を無駄にしないで。
誰も知らない世界がここには在る。
薬の苦味を認識出来ないほど、その味に慣れてしまった。
1人ぼっちで遊ぶことをつまらないと感じるのも無駄だと解ってしまった。
それ以上に遊ぶことが出来ない。
動くことが出来ない。
眼を見開くことも出来ない。
モノに触れているという感覚も擲った。
ただ必死に呼吸をする。
生きようともがく。
僕は死にたい。
死にたくない。
それ以上に———行きたくない。
誰か僕を殺してください。
それでも僕は笑うから。