二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.20 )
日時: 2012/10/24 22:26
名前: noeru (ID: q5ZDuZZE)



「—————という流れはしょうがないと思います。」


「そうだね、うんしょうがない。」


「でもこれはおかしいと思うんですけど。」


「え?そうかな〜。」


「はいおかしいです。なんで全員泊まっていくんですか。」


理不尽だ。
私は結構気を失っていたようで、起きた時は9時半。それから泣き止んで落ち着いて入団が決まった時にはもう10時過ぎ。さてどうなったでしょうか?
泊りだって。


「なんで初対面の人がいきなり泊まるんですか?!」


「しょうがないじゃん、この時間じゃバスもほとんどないし。」


またカノさんにうまく言い包められてる気がするのは絶対に気のせいじゃない。


「さっきの、まだ許してないんですから。プライバシー侵害で訴えますよ。大体なんで知ってるんですか。」


「ん〜、それは僕も同じ孤児院にいたからかな?」


バラバラと音がした。どうやらポテチの袋をみんなで食べようとして約2年弱ぶりのパーティ開けを試みていたが、慣れないためにぶちまけてそれが見事に全部落下したようだ。気が付かずに破けた袋に無意識に手を伸ばして空を切り、やっとないことに気付いた。あ、と小さく呟くと、カノさんが吹き出した。


「って、笑わないで下さい!どういう、えっ、あにょ、ふぇ、あぇ?」


「ユキって本当にコミュ障なんだね…!最高…」


「笑わないでよぉ〜!」


うわ、と絶句する。素が出てしまった。痛々しい天然キャラと言われた高校1年以来、なるべくシンタローやモモなどの前で以外は封印してきた別名ロリキャラ。絶対に出すな、表に出すな、放映禁止だと己に叩き込んだ結果が水の泡。泣けてくる…。
引かれた。こんなただでさえ玩具扱いされてるのに、自分から弱点をプレゼントしたようなもの。私の人生、もうどうにもなれ。このまま天然おバカロリで生きて行くしかないだろう。


「オワタ…私の余生…」


「で、戻るけどやっぱりその性格。君ってユキだよね?」


「…そうだよ、本名は雪芽。ユキって呼ばれてる…」


「そうじゃなくて、僕らがユキって呼んでた人だよね?」


カノさんたちにも『ユキ』っていう知り合いがいたらしい。その人と勘違いされてるのかな?でも、確か…


「———しゅうや?」


2人とも動きが止まった。カノさんの名前って、もしかして、『しゅうや』?


「…そ、そう!!修哉!思い出した?!」


「え、じゃあキドさんはつぼみ?セトさんはこうすけ…?」


「そうそう!あ、キド、セトー!!思い出した、思い出した!!ユキが思い出してくれたーっ!!」


カノさん改め修哉は、キドさん改めつぼみとセトさん改め幸助のもとへダッシュした。速い。こっちはポテチに囲まれたまま、床に座ってフリーズ状態で、脳の方は死ぬほどハイスピードで全機能をフルに使う鬼畜ぶりを発揮している。その間にも2人を連れた修哉が嬉々として戻ってきた。まだ心の準備が…


「じゃあユキ!キドの名前は?」


「ふぁ、はいっ!つ、つぼみです…」


「正解です!!セトの名前は?!」


「こ、幸助…。」


「ねっ?ほらね?!」


傍から見ればとても微笑ましいが、思い出して頂きたい。私の方が1つ年上なのに子供みたいだ。かと言っても誕生日が3月下旬なのでほとんど学年的には変わらない。だけど、さすがに18歳と17歳の差は大きい。2年間他人の家で引きこもるというデンジャラスな経歴持ちでも一応プライドの欠片くらいは運良く落っことしてない。


「ほ、本当に…?やっぱり本物のユキだったのか…?!」


「…はい、本物のユキらしいです…。」


「えっ、じゃあ違うんっすか?!」


「いやいや本物だよ!!」


ところで誰もポテチについて突っ込んでくれない。それからポテチの代わりにエクレアが食いたい。またはショートケーキがまだ2、3個残ってたからまとめ食いしたい。

ちなみにこの討論を、3人は約2時間ほど続けた後、日付が変わった頃に部屋に戻っていった。