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『泡沫セイレーン』


見えないと泣き崩れる。

真っ赤、真っ黒、真っ白、真っ青、

単色は汚らしく混じり合って、セカイを形成していく。終わらずに穢れた私を生み出し続ける。

ごめんね、日和。ごめんなさい、響也くん。お母さん、お父さん。


まだまだ生きていたかった。
とてもとてもいたい。
からだがいたくてたまらない。
がんばれっていってもらってもがんばれない。
さされたむねからあかいちがどろどろながれていく。
わたしはもうすぐしぬのかなあ。
ああそれならせめてさいごにあいたかった。
かみさま、あなたはとっても—————






「凛音」