PR
二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.21 )
- 日時: 2012/10/25 19:22
- 名前: noeru (ID: fTKQzVMj)
夢を見た。
見覚えのある子供が歩いていた。古めかしい石造りの道を、見慣れた服で見慣れた靴で、空虚にふさわしい姿で歩いていた。
生気のない瞳は対象がはっきりしないようにゆらゆら揺れている。
それからふっと思い出した。
—————ああ、こいつが僕の憎んだ…。
少女の赤い瞳から、涙が零れた。
少女は血飛沫を浴びていた。
・ ・ ・
またあの夢を見てる。
『私』は性懲りもなく、まだあの頃のままで石の道を歩いてる。
「成長しないなあ。」
軽く呟いて嗤った。何が楽しいのか悲しいのか分からない人間生活。あの日以来、夢の中の『私』は笑わない。私以外の人間の目は見えないまま。
『—————そんな未来なら?』
僕の言葉に反応した『私』が、初めて口を開く。彼女の瞳は真っ赤だ。でも僕の目は潰れない。僕は目を覆っているから。
『また逃げてるんだね。私が見たら、思い出したらどう思うのかな?』
「お前だって変わらない。」
『そうだね、何も変わらないよ。でも君は私を憎んでるし、私も君を憎んでる。』
「そんなこと知ってる。」
『別にいいんだよ、私はいずれここで朽ちるまで君を束縛するのが決まりだから。』
「……。」
『いい加減気付いてるんでしょ?ここから出れない事、私に謝りたいこと…。』
『ねえ、ずっと一緒だよ。雨樹。』
PR