二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.300 )
日時: 2013/01/28 23:31
名前: noeru (ID: Jafzjio2)
参照: 公式ファンブック買えたあああ IAちゃんありがとおおお



《ねぇ、君。みんないなくなってしまったね。》
《連もエンカもアヤノも……君が関わった人がいなくなるのは僕譲りだ。》
《でもさ?本当は気付いていたんじゃない?》
《君の中にいる、君と同じpartsの存在を。》
《だからあの写真を用意して『正義』に預けたんでしょ?》
《いい方法使うよねぇ。流石僕のpartsだけあるなぁ。》
《まぁあいつは{記憶}だから……文月連。彼には弱いよ。》
《彼女だって好きで音無雪芽を占領してるわけじゃないし。》
《だけど不思議だね?君はこの人間を気に入ってる。ユキであることが嬉しいんだ。》
《如月伸太郎、彼が代わりだっていうの?笑っちゃうよぉ。》
《僕が好きなのはねぇ、彼だけなんだよぉ。君はいらない感情を持った不穏分子。》
《でも君を消せないやぁ……下手に手を出して、消滅したら終わりだもの。》
《まぁでも、『蛇』にまた僕の能力を貸せばいい……そしたらpartsなんて量産だよ!》
《人間ではない僕が、1人でpartsを造るのは限界があったからね。》
《『蛇』はいいビジネスパートナーだよ。》
《音無雪芽はその能力に後何回耐えられるか……やっぱり男女の双子は器にぴったりだ。》
《僕と、もう1人の僕のような関係はなかなかいないからね。双子で十分。》
《……『双子』、ねぇ。うん、僕はまだ大好きだよ。》
《でもあの時の言葉も嘘じゃない。僕らはさよならしたんだ。》
《でもやっぱりそんなの、寂しいじゃないか。僕はあんなendは望んでない。今も、あの日も。》
《ちょっと脱線してしまったね。話を戻そうか。》
《つまり僕が言いたいのはね……文月連と如月伸太郎。君の中の2人が問題なんだ。》
《元々、音無雪芽と音無雨樹は如月伸太郎やその他大勢と出会うはずなかったんだ。》
《でも君が彼女を器に選んで、本来の目的を忘れてしまってこうなった。》
《何故目的を忘れたか?》
《簡単だ。文月連が所有するはずだった{記憶}が、音無雪芽を器に選んだんだ。》
《君は所詮{肉体}。{記憶}に勝てるはずもなく、GAMEから脱落したはずだった。》
《でも、もっと不思議なことが起きた……!音無雪芽は僕と同じ多重人格者になった!》
《そのお陰で、君はここにいる。》
《まぁ、なんで勝者の{記憶}が裏人格なのかっていうのもあるけど……》
《僕はこう考える。元々{記憶}の真の主、playerは別にいたから。》
《それと、音無雪芽の裏人格は僕ほど強くなく、実体化しなかった。》
《それでね、その裏人格の実体化を無意識に抑えた人物がいた。》
《僕も驚いたよ!それが、{肉体}が自身のplayer、音無雪芽のpartyと認めた如月伸太郎と柚野輝兎だった。》
《本来関わるはずのない人物がGAMEの鍵を握るなんて……『僕ら』は興奮したね。》
《このGAMEはもっともっと面白くなる!『科学者』もそう言ってたよ。》
《まさかそれがとっくに消滅したはずの、音無雪芽の自我のせいだと知らずにね……》
《だって信じられるかい?君がどうりで僕に似てないと思ったら、君の半分は音無雪芽そのものだったんだもの!!》
《そして彼女は普通の人間のように、親友の死を目の前で味わった。》
《彼女はpartsを侵食してまで『科学者』に、『目を潰す』能力の提供をしたんだ。》
《この辺は、もう君も知っているはずだね?》

《ここから聞いてもらう……僕はこのGAMEのplayerを限定するよ。》

《第1級特異点、如月伸太郎とメカクシ団団員達。脱団した者も含める。それから同じく第1級特異点、柚野輝兎、文月連、春風エンカ。》

《今教えられるのはここまで……面白いGAMEを期待してるよ。》







「……き、……ゆき………ユキ!」


目が覚めると(どうやらまた眠ってしまったらしい)、シンタローとキド、カノ、セト。ベッドの横ではマリーちゃんとモモが座っていて、その奥のソファではコノハとヒビヤが話している。雨樹はベッドの端に座っていた。


「あれ、どうしたの……」

「うなされてたから起こしたけど……大丈夫か?顔色悪いぞ。」

「ん。変な夢見た……別に平気、忘れちゃった。」

「ならいいけど……」


きっと嫌な夢でも見たんだろう。全身汗だくで息も荒い。大丈夫そうには見えないが、至って冷静だった。自分でも驚いてしまうほどだ。
明るい病室に瞬きしていると、時々フラッシュバックのように何か見えるのだが薬の副作用だろう。幻覚や幻聴は慣れている。


「私、倒れたの?」

「ああ。なんか急に暴れ出して、口調もおかしくなってた。その後テトが映った画面の方に行って、なんか言って倒れた。」

「……?記憶にないんだけど……雨樹、なんか知ってる?」

「僕も何も思い出せない。暴れたとか、能力が効かなかったとか……」


能力。嫌でも思い出すような光景が、一瞬だけ掠める。
あんな能力、暴走したら———でもみんな居るし、大丈夫だったみたいだ。良かった……。


「もう少し、寝てるね。」

「分かった。もう帰るけど……」

「大丈夫だよ!雨樹もいるんだし、心配しないで。」

「それが1番心配だけどな……。」


病室からぞろぞろと帰っていくみんなを一通り見送って、とうとう私と雨樹以外誰も居なくなった。
静寂が病室を包む。


「じゃあ、なんか買ってくる。」


居た堪れなくなったのか、雨樹が急に立ち上がり病室を出ようとした。


「しばらく待ってて。」

「……うん。あとさ、1ついいかな?」

「何?」

「———GAMEが大きく変動してる。『表』より更に上がいる。……よく解んないけど、playerを絞るって言った。」

「…………そうか。」


雨樹はそれだけ言った。
病室は私ただ1人、異様な空気に包まれていた。