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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.305 )
- 日時: 2013/01/31 19:48
- 名前: noeru (ID: 5FJRtBSO)
- 参照: 公式ファンブック買えたあああ IAちゃんありがとおおお
「……好き……嫌ぃ……好き……嫌ぃ……好き…愛してる……ぅん、僕も大好きぃ……ぇへへ……」
渦巻く黒い感情の中心で、今日も{記憶}は笑っていた。
この果てない空間に存在する全てが彼女が作った幻影。全部、同一の人物が映されている。
笑顔、泣き顔、寝顔、照れた顔、怒った顔、病んだ顔、引きつった顔、更にはどう見ても盗撮のようなアングルの顔。けれども全て盗撮ではなくて、彼女の存在それ自体だ。
つまり、ここにある数多の顔の全てが『表』が見てきた……{記憶}だ。
{記憶}はたった1つだけ、大事そうに抱えている。
「…約束したもんね……ぅんぅん……ずぅっと一緒……『4人』で……幸せ…に。。。。。」
黒い記憶、白い記憶、
彼女が抱えてるのは{負の記憶}。
『表』の心に、深く傷跡になって残った大好きな人の死。
それは『表』の{記憶}にとって、彼を愛す理由であり存在意義。その思い出を見ることが生き甲斐で償いだった。
「もぅすぐ、行くからね……待っててね……僕たちは…もぅすぐ……もぅすぐ………ムスバレルンダカラ………」
黒い感情が渦を巻く。
垣間見える。憎悪、哀愁。悲しい、恋しい、愛しい、憎い、寂しい。
負のオーラのように纏わりついて離れない渦を、{記憶}は愛でるように抱き締めると自分の中に取り込んだ。周りの幾多の顔も全てが黒い凶器となって、彼女目掛けて刺さる。空間は紅に包まれる。
「それじゃぁ、この器はもぅぃらなぃゃ……バィバァーィ♪」
紅い、とても柔らかい塊となりながら{記憶}は鬱くしい思い出を連れて空間を消した。
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