二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.355 )
日時: 2013/03/01 22:44
名前: noeru (ID: 0GBTQYJS)
参照: 夜咄ディセイブのリピート回数が病気です重症です



ここは何処だろう。
さっきまでデパートに居たはずなのに、ここは真っ暗で何もない気がする。テロ紛いの集団も居ない。レイも美も、爆弾は?


「あれ?もうお目覚めですか?」


機械で合成したような、生気のない冷たい声が大音響で響く。耳が痛い、ではなく引き千切られそうな感じ。そしてここで、この声がどこか一定の方向ではなく全方向から不規則に襲ってきていることに気付く。
ちなみに声は出ないので何も言えない。


「この世界では初めまして!僕は、全ての力の母なる存在。僕が能力を与えるための『媒介』、だよ?」


媒介。全ての力の母なる存在。狂ったような波長の合わない声が延々と脳を支配する。全身全霊、もう何もかも全部バラバラの痛み。
いたい。


「僕は力を持つ娘がいる、いや居たんだけどね?まあ僕が殺しちゃって僕が死んで、うんまあそんな感じ?それ以来僕は女王様になったんだ。」


苦しむこっちを馬鹿にするような声。声が微笑んでいる。全身の傷という傷を抉る様な、やめてくれよ。


「そんなのどうでもいいんだけど、君ってさぁ?メカクシ団の元団員だよね?『yes or noで答えてね!』なんて子供っぽい茶番はナシで、君にはお願いがあるんだけどなぁ〜?」


お願いなら俺がしたいくらいだ。


「まあこれやり辛いから………ではではみなさーんっ!今日から彼も我が塔国民の一員です!!拍手でお迎えしましょう!!」


いきなり身体中の痛みがすっと引いた。それと同時に視界は開け、爆音が耳を劈いた。
両手両足にはそれぞれ手枷足枷が嵌められ、太い鎖で何かと繋がれている。首輪も嵌められた彼女は春と良く似ていた。とても幸せそうな笑顔。同じようなもので拘束されている俺を高い塔から眺めて、まるで鏡で映したように瓜二つな青年……彼は更に鎖を巻き付けられていたが、玉座に座る彼の膝の上に腰掛けている。あまりにもそっくりすぎて、1つの身体から顔が2つ生えているようだ。
そして俺は塔よりは低い、だが十分高い。

断頭台。

ゾクッと背筋が凍るのを感じる。とても高い。下にはガラクタのような何かが雑音を立てて騒いでいる。あれは………人じゃない。ヒトとはかけ離れた不気味なものだ。それから、目の前にそびえ立つ案外小さなギロチン。鉄屑を熔かして合わせたような不恰好でいて完璧な形状。

猫のような甲高い声で少女は笑った。そんな彼女を青年が愛おしげに撫でる。


「ようこそ!貴方は僕が厳選したplayerの中でも最上位の『傍観者』に選ばれました!!我らがGAMEへのご参加、いや惨禍?有難う御座います!!」