二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.377 )
- 日時: 2013/03/29 19:59
- 名前: noeru (ID: Jafzjio2)
- 参照: 我らが赤ジャージの曲wktk 訳ロスタイムメモリー楽しみ!
目が覚めると元のデパート……であろう場所に居た。
目に映るすべての風景がピクリとも動かずに固まっている。まるで写真か何かのように、時が止まったようだった。
「………これ……って。」
———『目』にまつわる能力。
すぐ浮かんだのはそれだった。レイやメカクシ団員たちが持っている能力に、自分も目覚めたのかもしれない。さっきのあのおかしな光景が本当だとしたら、いや夢だったとしても……それ以外に考えられることが無い。
だって『目』の能力者たちは動いているのだから。
「美!フウ!2人とも大丈夫?」
「うん……怖か………った………ぁっ……!」
「俺も平気……だと思う」
「……フウ、貴方。能力持っていたの?」
「知らない。何でこんなことになったんだよ……」
「……あ、も……とに戻っ———!!」
その瞬間、景色が動き出した。
————————◆———◆———◆————————
「あ、いましたご主人!!あそこです!!」
エネが声を上げたのは東病棟の4階、何度か来たことのある集中治療室の前の廊下だった。集中治療室のドアに張り付くようにして悪態を吐いている雨樹が居たので、そこにユキがいるのはすぐ分かった。
「本当だ……おい!雨樹!!」
大声で呼ぶと雨樹はすぐ振り返った。疲れているのかイライラしているのか、目付きがいつもよりも異常に悪い。俺を見ると、明らかに嫌そうに舌打ちをした。露骨すぎるだろ……。
「何だよお前かよ。馴れ馴れしく呼ぶな童貞。」
「童貞はいらねえだろ!そんなことよりユキは……」
「どうもこうもこのザマだよ!!あの野郎、ユキが死んだら2人で祟ってやる……シネ」
「いやお前2人で祟ってやるって……死ぬ気かよ」
「死ぬ気も何も?ユキが死んだら僕も死ぬんだよ」
「てめえシスコンも大概にしろよ。あいつはもうすぐ退院するんだ。死なねえし、そんな簡単に死ぬとか言うな。」
「……はあ?」
「はあ?じゃねえよ。」
「……あー、そっか。君まだ何も言われてないんだよね。」
俺を馬鹿にするように、胸倉をつかまれた雨樹はニヤニヤと嗤った。何も言われてない、という言葉が脳内で繰り返され、想像もしたくない嫌な結末が完成してしまった。力が抜け、ベンチにふらふらと倒れ込むように腰掛ける。解放された雨樹が、俺を侮るように見下した。
「それって……お前、本気で……?本当に……」
「そうだよ、もう気付いたんだね。流石秀才、ユキが自分で今日言うって言ってたのに。」
「ユキは、死ぬよ。」