二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.382 )
日時: 2013/03/30 21:55
名前: noeru (ID: WMlfXbNR)
参照: ロスタイムメモリーに色んな意味で号泣。色んな意味で



[どんなにりょうてをのばしても どくせんすることはできないのです]


「———ただ、後遺症が残るので……近いうちに声が完全に無くなるなるでしょう。そのうち耳も聞こえなくなり、最終的には……言いづらいのですが、目も見えなくなります。」


声が、無くなる。
不思議と恐怖も不安もなかった。いつかこうなることが、まるで最初から分かっていたみたいだった。それと同時に、ああもう死んじゃうのか、意外と長く生きれたもんだなあ……と他人事のように感じた。冷静すぎて自分が怖くなった。死よりも、あまりにも冷酷な自分が怖い。
そしてなにより———死を大した問題だと思えなくなっていた。
結局私はアヤノの自殺で心が揺らいでいただけなのかもしれない。本当は死ぬことなんて身近で日常に隣接していて、寧ろ早く死んでしまいたかったはずだった。
こんな気持ちももうすぐ、本当に墓まで持っていくことになる。


もちろん、あのことも。

今この病室には、シンタローと雨樹と私の3人しかいない。キドたちはちょっとトラブルに巻き込まれたそうだ。
そして今、絶賛お説教タイムである。


「……だから、ちゃんと話すつもりだったってば。」

「じゃあ昨日でも一昨日でも話せば良かっただろ!!もしさっき死んでたらどうしたんだよ!!」

「知らないよ!」

「……あんまりユキに暴言を吐くなよ」

「暴言じゃねえよ!真面目な話だろこのシスコン!!」

「んだとテメエ殺されたいのか?!」

「———病室では静かにしてよ……」

「「すいません」」


絶賛論争中の2人の。
さっきまでのシリアスな空気は一体どこに消えたのか、いやまだここに留まっているのか分からないけどなんか違う、そうなんか違う。
もっとこう、
「なんで今まで黙ってたんだ!」
「だって……心配掛けたくなくて……」
「何でだよ!俺たちは……」
『仲間だろうが!!』
みたいな……


「ユキ、少年漫画の読み過ぎだよ。はいこれ。」


雨樹がさっきとはうって変わってニコニコと紅茶の入ったカップを差し出した。ダージリンの強い甘い香りに気分が落ち着いた。マスカットフレーバーのダージリンは紅茶の中でも一番のお気に入りだ。あとはオレンジペコやジャスミンかな。


「そうかな?」

「そうだね。発想が少年ジャ○プだったね。」

「……態度変わりすぎだろ」

「黙れ童貞」

「ウザいぞシスコン」


さっきとはちょっと違うけどニコニコして仲良く話している。
良かった、2人とも仲良くなって。


「そういえばさ、治療のことと一緒に言おうと思ってたんだけど、延命治療しないんだし話せるうちに言っといた方がいい?」

「いやいいよ。絶対お前には延命治療を受けさせるし、それで助かってから言え。助からなかったら言えばいい。」

「……じゃあ先にヒントだけでも。」

「お前言いたいだけだろ。」

「ユキに口答えすんなよヒキニート」

「なんなんだよメガネ」