二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.402 )
- 日時: 2013/04/23 23:57
- 名前: noeru (ID: wriHP60F)
- 参照: アヤノの幸福理論泣けなかった なんか泣いたらダメな気がした
いつか話さなければならないこと、知ってるよ。
「まだもう少し、あと少し、もうちょっと、大丈夫まだ平気………』
小3から小4まで、単身スウェーデンに行った。
お母さんの故郷をこの目で見るためだった。
お母さんの生まれた村は、貧しくもなければ豊かでもない小さな村。私によく似た赤毛の人がたくさんいた。数えられるほどのヘーゼルの瞳が、私を見て「お母さんによく似ている」と呟いた。
私は嬉しかったけど内心、無性に悲しくなった。
ここにいる人たちの中にいるのは、『私のお母さん』じゃないんだ。
私もお兄ちゃんも生まれる前、お父さんと出会うよりも前のお母さん。お母さんだけどお母さんじゃないお母さんに、私はよく似ていた。
初めて学校に行った次の日、私は病院に戻った。
夜血を吐いて倒れたからだ。
もちろん病室には雨樹が立っていた。こっちをずっと見つめていた。
病室にはアヤノがよく来てくれた。
私の好きな向日葵を腕一杯に抱えて花瓶に入れてくれた。
お義母さんはそれを快く思っていなかった。
私はお義母さんの早く、早く忘れろって言いたげな顔が大嫌いだ。
そのせいも会ってつぼみたちに会うのは無理だった。
でも時々、アヤノが3人の写真を持ってきてくれたから。
本当はあの時、3人だって気付いていた。
「大丈夫大丈夫、失敗したことないもん、これ………』
アヤノと出会った頃、その時は個室病室じゃなかった。かと言っても一応隔離病棟の中で、同い年くらいの男の子が1人だけ。
名前もほとんど思い出せないけど、彼にはよく親戚の女の子が遊びに来ていた。家が近いから、親戚というよりも幼なじみだと言っていたのを憶えている。
高校では前よりも少し身体が更に弱くなって養護学級に入学した。養護学級の担任はケンジロウさんだったし、榎本先輩と九ノ瀬先輩は学園祭で面識があったから楽しかった。
榎本先輩の友達で柚野先輩っていう先輩がいた。サバサバしててさわやかで、付き合いやすくて仲良くしてもらったのが懐かしい。
「まだまだいけるよ、ほら見て!すごいでしょ………』
ガラガラ鈍い音を立てて落ちた。
「あーあぁ……もうちょっとだったのに。』
『今度は私の勝ちだね。」
「トランプゲームなら得意なんだけどなあ』
「ぼっちだもんね、アンタ」
「その言い方止めてよ鈴姉!!』