二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】オリキャラ募集終了 ( No.410 )
- 日時: 2013/05/06 20:36
- 名前: noeru (ID: KTS4wi0k)
- 参照: シンタロー愛してるシンタロー愛してるシンタロー愛してる
赤い『目』に溺れた君を眺めていた。
君の目が覚める頃にはもう元の君はいないんだ。
さっきよりも多い、透明な雫が黒いマフラーを濡らしていった。
「ごめんね……シンタロー……』
もう二度と元に戻らない日々に、ちょっとだけ期待しちゃいそうだ。
『だからもう気付かないで」
「連くん、エンカちゃん、久しぶり。』
「—————っ、アヤノ……さん?」
居なくなったはずの突然の来客に、病室には花瓶の割れる音が響いた。
エンカちゃんの手から滑り落ちた花瓶は割れて、鋭く尖った破片が床に散らばり水でキラキラと反射する。白い小さな花が濡れて、連くんの無機質な白い患者服に僅かな彩を与えた。
「ハナニラ、綺麗な花だね。』
「……どうしてここ……に?」
「どうしたの?音色ちゃんみたいな喋り方して』
「アヤノさん、話を聞いて!!」
「ふふっ。花言葉は『悲しい別れ』『恨み』……『卑屈』』
「アヤノさんっ!!」
ちらりと目をやると、戸惑ったような怒ったような顔のエンカちゃんが見えた。つかつかと入り口付近の私に歩み寄ってくると、肩を強く掴まれた。
「……どうして、今更。ここに来たんですか。」
「駄目かなぁ?』
「ふざけないでくださいっ!!」
いつもとは違う乱暴な声。騒がしかった廊下までがしんと静まり返った。
「2年前、貴方がユキを裏切った日から。」
「一体シンタローさんがどんな思いで生きてきたと思ってるんですか?!」
「答えてください……なんであんなことしたのか!!」
………そうか
この世界では
「———知らないよ』
「シンタロー君がどう思ってようが私に関係ないでしょ?私がユキを裏切ったっていう証拠はあるの?無いでしょ?それなのに勝手に加害者にしないでくれる?……そんなに憎いなら、私を殺していいよ?』
「なっ……そんな「エンカ」……連。」
「それなら本当に、俺たちアヤノさんを殺しますよ」
……無自覚のうちに笑いが込み上げてきた。
昔から正義感が強くて、容赦なく毒吐くし、普段大人しいくせに見栄張るし。それに何より———彼にそっくりなんだ。
そんな君のこと。
「嫌いじゃないよ、連くん』
真っ赤な『目』が君を捉えて、君は少し微笑んで眠りに堕ちた。