二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【カゲプロ】人間冷凍ショコラ【オリジナル】 ( No.65 )
日時: 2012/11/09 20:17
名前: noeru (ID: y0sNxd87)



[ねぇ。つぎはキミのばんだよ。 うまくにげられるかな?]

               -GAME START-


突如として眼の前に広がった景色に、眼を疑った。真っ赤に塗りつぶされた画面の中、古いゲーム機のモノローグのようだ。青白く、がたがたとした文字で映し出された———否浮かんでいるのは見慣れた合言葉。

「逃げる……?上等だよ、ゲームなら得意だから。」

握っていた銃型のコントローラーの引き金に指を掛け、笑う。何処から湧き上がるのか、こんな状況をすら楽しんでいるスリルが堪らない。これはあくまでもゲーム。つまりは……負けたら何か失う。そうでしょ?


懐かしい街並みを疾走する。等身大の巨大なぬいぐるみを、片手で撃ちぬいていく爽快感。びしゃっっという濁った音と一緒に、血飛沫または肉片が日常的な住宅街を飛び交う異常。襲い掛かってくる世にも可愛らしい彼らを、かつてこんな風に倒した記憶があるかもしれないが、そんなことはどうでもいいの。楽しい!!

ぬいぐるみの亡骸、屍を越えたその先に見えたラスボス。それはゆらゆら揺らめいて消えてしまったよ。

「まさか、もうゲームクリア?つまらないな……あれ?」

再び赤い配色になった周囲。その中心———僕の視線の先にあの青白い文字が浮かび上がる。その向こう側に、誰かが居る。


[ボクはまだせいじょうさ]


誰なの?誰なんだ?ノイズが混じってよく見えないが、どうやら成人男性……白衣を纏っている。赤と黒のストライプのシャツはどこかで見たような———


[キミと、ボクのように]


「———誰?」


「ただ、俺はお前の弟に頼まれたまでだ。ここから先はお前が決めろ。」


[だいじょうぶ、キミいがいを☓☓してでも]


一部雑音が混じって聞こえなかった。弟?僕に?頼まれた。何を?


「お前には悪かったが、こちらにも利益があったんでな。お前だって、あいつが居る世界の方を望むだろう?」


[すぐたすけるから]



「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


              -GAME OVER-